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経理部門向けお役立ちコラム

経理業務効率化のための自社データ等の整備_④リスク管理

経理業務効率化のための自社データ等の整備_④リスク管理

1.RPA導入後の実務上のリスク管理体制の整備

(1)RPAプロセスの予期せぬ変更への対処

RPA導入により、従来には起こらなかった新たなリスクも生じることになる。例えば、会計関連システム以外のシステムから情報取得している状況において、他システムの改修の影響が財務経理部門に情報共有されておらず、PRAの設定変更が行われず、決算作業が遅延するケースが考えられる。そのような事態を事前に予防するために、システム改修情報がRPAの管轄・利用部署に情報共有されるルールを作成しておくことが必要になる。

(2)RPAが使用できない事態への対応

PRAがシステムの変更・改修・アップデート等により使用できなくなってしまったことにより、業務が完全にストップしてしまうような場合が考えられる。RPAが止まった際にも業務が遂行されるように、システムと業務の両面からマニュアル作成を含むバックアップ体制を事前に準備しておくことが必要である。

(3)RPAの設定ミスによる処理誤り

RPAの導入時の設定ミスや一部の例外事項に対する考慮漏れ等により、当初のシナリオ設定を誤り、反復的に誤った処理を繰り返してしまうことが考えられる。システム化の一般的なリスクでもあるが、このような事態を避けるため、算出された結果に対するチェック体制を構築し、誤った処理が発見され、適時に修正できる仕組を整備することが重要である。

(4)RPA導入後の人材育成

RPAの導入が進むと、多くの財務経理部門の現場でお聞きする従来の徒弟制度のような、入力や集計作業を通じて、財務経理の実務や関連する法制度を体得させるという人材育成方法は終焉を迎えるであろう。RPAの導入が進むにつれ、RPAシナリオは作れるが、その目的や意味までは理解していないという声も多い。今後は財務諸表、試算表等のアウトプット側からその目的や、背景にある考え方や法制度、必要なプロセスを学んでいくという考え方が重要になるため、今から新しい育成プランを準備しておく必要があるであろう。

2.RPA導入に伴うJ-SOX上の留意点

(1)重要な勘定科目に対する業務プロセスへの対応

J-SOXにおける重要な勘定科目に関連する業務プロセスにRPAを導入する場合、ITに係る業務処理統制の変更にも影響するため、当該処理結果の正確性をどのように担保するかなど、事前検討しておく必要がある。

例えば、RPAによる出力結果を元のデータと照合することや、月次推移で異常値が無いかを検証することなどで、出力結果の正確性を確認する方法を検討しておくことが必要である。仮に、検証の仕組みがなく自動で出力した結果をそのまま会計システムに登録するという業務フローを設計した場合、インプット情報の変更などによるエラーが発見されずに誤った会計処理が行われる可能性があり、内部統制上の欠陥となる可能性もあるため十分に留意して頂きたい。

(2)IT全般統制への留意

RPAの導入においては、ITに係る全般統制の対象となるかどうかも慎重に検討する必要がある。特に、サーバー上で処理され、作業手順が可視化されておらず、工程がブラックボックス化され、解析できないようなケースには、IT全般統制の対象となると考えられるため、十分な事前検討を行うとともに、監査法人との事前協議が必要になるケースも考えられるであろう。

以上のように、RPAを中心とした財務経理業務の自動化を推進することで、財務経理部門はかつてない、抜本的な業務改革を行うことが出来るであろう。その結果として、従来の中心的役割であった、数値のインプット作業や集計作業から解放され、本来の財務経理部門の役割であった、マネジメントに対して経営判断に資する情報を適時に提供し、経営をサポートする役割へと変化することが求められる。

財務経理部門に従事する方々が、新たな役割と機会への挑戦を通じ、経営のビジネスパートナーとして企業の成長を牽引する存在へと変化していくことを期待してやまず、筆者としてもそのようなサポートをしていく所存である。

筆者のご紹介

舟山 真登(ふなやま まさと)氏

グローウィン・パートナーズ株式会社
コーポレートイノベーション部 部長
舟山 真登(ふなやま まさと) 公認会計士

2005年 監査法人トーマツ入所。東証一部上場企業をはじめ、幅広い業種・規模の企業に対する法定監査業務、内部統制監査制度の導入支援業務、IFRS導入支援業務に従事。
2015年 当社入社。上場企業グループの経理BPR、経理業務アウトソーシング体制の構築、経理業務のRPAによる自動化等の各種プロジェクトのプロジェクトマネージャーを多数担当。
2017年 コーポレートイノベーション部 部長。Accounting Tech®Solution事業を推進し、上場企業向けに、財務経理部門の働き方改革の支援、PMI(Post Merger Integration)プロジェクトの支援、経理BPOサービスなど、多くの案件を手がけるほか、専門誌の執筆やセミナー講師を多数実施。

企業概要(グローウィン・パートナーズ株式会社)

https://www.growin.jp/

「プロの経営参謀」としてクライアントを成長(Growth)と成功(win)に導くために、①上場企業のクライアントを中心に設立以来400件以上のM&Aサポート実績を誇るフィナンシャル・アドバイザリー事業、②「会計ナレッジ」・「経理プロセスノウハウ」・「経営分析力」に「ITソリューション」を掛け合わせた業務プロセスコンサルティングを提供するAccounting Tech® Solution事業、③ベンチャーキャピタル事業の3つの事業を展開している。
大手コンサルファーム出身者、上場企業の財務経理経験者、大手監査法人出身の公認会計士を中心としたプロフェッショナル集団であり、多くの実績とノウハウに基づきクライアントの経営課題に挑んでいる。

※コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
※本コラムは、2019年05月08日に掲載されたものです。

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