
2025年6月にオンライン開催されて好評を博したセミナー、「製造業DX推進の鍵!製造業向けAIセミナー」。製造業において、生成AIの導入や定着化を成功させるためには、自社での活用目的やゴールを明確にしながらステップごとに検討を進めていくことが重要です。
本セミナーでは、製造業に特化した生成AIの社内事例やAIエージェントのご紹介、AI活用の実例として、生産計画の最適化、設備機器の運用・保守のための異常検知の事例と導入のコツを紹介しました。本稿では、第1部の内容をご紹介します。
ウェビナー登壇者:
株式会社 日立システムズ
産業・流通デジタライゼーション事業部
吹本 雄一
架谷 愛
近年、生成AIの技術は急速に進化し、さまざまな業界で活用が進んでいます。特に製造業では、低付加価値業務への工数編重や作業者による品質のばらつきといった長年の課題に対して、生成AIを活用した解決策が模索されています。これにより、原価低減や新たな付加価値の創出といった効果が期待されています。しかしながら、生成への導入は容易ではありません。
独自に実施したアンケート調査によると、生成AIを導入していない企業の多くはその活用メリットや投資対効果が不明瞭であること、また、自社のどの業務に適用すべきか分からないといった理由から導入に踏み切れていないことが明らかになっています。実際に、生成AIを継続的に業務で利用しているユーザーは全体の約15%に留まっているというデータもあります。
このように、生成AIの導入や定着には、自社の課題に対して生成AIが本当に適用できるかを見極め、実際の業務にしっかりと根付かせるための適切なアプローチが必要です。しかし、これを実現するためには高度な専門知識やノウハウが求められ、単独の企業で進めるのは決して簡単ではありません。
さらに、導入後に効果を最大化するためにもさまざまな課題が存在します。調査では、生成AIを導入した企業の多くが、汎用的な業務だけでなくより発展的な業務組み込み型ユースケースの活用を検討しています。しかし、これを実現するためには業務に組み込まれた具体的なユースケースが必要となります。
一方で、外部調査によると、生成AIを自社で開発する場合、約半数の企業が3000万円以上の投資を必要としているのが現状です。こうした開発コストの高さから、単独でユースケースを開発する際にはコストが際限なく増大するリスクも指摘されています。
生成AIの導入におけるさまざまな課題に対し、日立システムズの「製造業向けアシスタントAI」であれば適切な効果を創出できると考えています。
本サービスは、ツールと伴走支援の2つの柱で構成されています。
1. ツール:導入障壁を低く抑え、効率的な活用を実現
「製造業向けアシスタントAI」のツールは、汎用業務機能とセキュリティ機能を備えています。さらに、お客さまの固有ニーズに合わせてユースケースの選択や追加開発も可能です。これにより、企業はゼロから開発する手間を省き、導入障壁を低く抑えながら効果的に生成AIを活用できます。
2. 伴走支援:専門チームによる一貫したサポート
伴走支援では、導入から運用まで、専門チームが一貫してサポートを提供します。このチームは、日立グループが長年培ってきた製造業のナレッジと生成AIに関する最新の知見を持つプロフェッショナル集団で構成されています。お客さまひとりひとりに合わせた適切な支援を通じて、生成AIへの効果を最大化します。
ここからは、「製造業向けアシスタントAI」のツールの特長についてさらに詳しく説明します。
具体的な機能としては、基本的なチャット機能、生成AIの指示文を自動作成するプロンプト作成機能、社内文書の検索ができる文書問い合わせ機能、ベータ版として複雑な調査を自律的に実施するディープリサーチ機能などを標準搭載しています。
さらに、関節業務で頻繁に行われる議事録作成や企業分析といったユースケースには、共通機能として専用の画面を用意し、日常的な業務の効率化を強力にサポートします。
セキュリティ機能については、実績に基づいた利用規約の自動作成が可能です。また、運用面ではユーザーの利用状況の把握、個人情報関連のアラート機能、そして不適切な表現の回避対策といったセキュリティを徹底しています。これにより、お客さまに安心してご利用いただける環境を提供します。
他にも、社内外で生まれた多数のユースケースや部品・コンポーネントを再利用できる仕組みを整えています。これにより導入障壁を低く抑えつつ高い効果を実現します。さらに、ユーザーに寄り添ったUI/UX、持続的な改善、そして企業データのフル活用を通じて業務への組み込みを加速させることが可能です。
本サービスでは、設計・開発から顧客サポートまで製造業のバリューチェーン全体を網羅するユースケースを提供しています。お客さまは、業務課題に適したユースケースを選択したりあるいは自社の状況に合わせて柔軟にカスタマイズして活用したりすることが可能です。
確認項目が多い、外国語対応が必要といった理由で時間を要していた仕様書確認に対し、他資料や既存の仕様書情報を生成AIに読み込ませることで、内容の自動確認や可否判断を行うユースケースを開発。これにより、1件あたりの業務時間を約半分に削減し大幅な効率化を実現しました。
情報が分散していることによる社内チェックの修正が多いという課題に対し、案件情報、機器、システム構成といったデータから生成AIがリスク検討結果を生成し、回答するユースケースを開発。これにより年間約3,000時間の業務削減を実現しました。
紹介したユースケースは一例で、お客さまの状況に応じて適切なご提案が可能です。
生成AIを使いこなすには、いきなり本格運用へ進むのではなくまずトライアルで自社の業務との適合性を十分に確認することが重要です。そのうえで本格運用に進み、さらに最適化やチューニングを重ねることでより大きな効果が期待できます。
この一連の流れに合わせて、伴走支援を各種パックとして用意しています。
生成AIの活用ステップに合わせ、いくつかの伴走支援パックがあります。まず「スターターパック」では、トライアル環境で自社のデータを使用しながら実際に生成AIを体験できます。操作感や業務に合うかどうかを実際に試すことができます。
次に「アセスメントパック」では、自社の業務に生成AIがどれくらい適合するかを詳細に調査し、導入計画を一緒に策定します。どの業務でどのような効果が期待できるか、具体的なイメージを持てます。
さらに「アドバンスパック」では、お客さま専用のAzure環境を構築し、業務に合わせたカスタマイズや新しい機能の開発を行います。これにより、お客さまのニーズに即した生成AIの活用を実現します。
ご支援は、お客さまの状況に合わせた形で進めます。業務への生成AI組み込みを検討されているお客さまには、まず「スターターパック」で小さく始め、使い勝手や効果を検証したうえで本格導入へ進むことを推奨しています。
実現したいユースケースが明確なお客さまには、新規開発や既存ユースケースの選定を通じて、適した形で導入をサポートします。
これらはあくまで一例です。お客さまのご要望や現在の状況に合わせて、適切なご支援を提案いたします。
「製造業向けアシスタントAI」は、自社クラウド上に環境を構築しています。これにより、安全性の高い環境で利用でき情報漏えいリスクを回避できます。また、社内システムやデータ基盤との連携も可能で、この拡張性を生かすことで、生成される回答の精度向上も実現します。
生成AIの導入や定着化を成功させるためには、社内だけで課題を解決するのではなく、外部の専門家と連携する伴走型支援が非常に効果的です。
日立システムズでは、お客さまの状況やご要望に合わせ、適切な支援を柔軟に提供できる体制を整えています。まずは「どんなことができるのか知りたい」「自社の業務に合うか試したい」といったご相談からでも構いません。どうぞお気軽にお問い合わせください。
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