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「クラウド環境で作業計画を立てる(スケジューラの活用)」

失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座 「SaaS・クラウドの実例紹介」編

2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。

クラウド環境で作業計画を立てる

(実例5)
「クラウド環境で作業計画を立てる(スケジューラの活用)」
今夏、企業では電力使用を15%削減して業務効率を最大に保つスケジューリングが必要になります。様々な条件を加味して行うスケジュール作成業務をスケジューラソフトを使って省力化・迅速化する方法をご紹介します。
(2011/7/14)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫

製造業以外の業界でのスケジューラの活用

ここまでは製造業の工程計画を最適化するために資源と制約条件について説明しました。次に製造業以外の業務ではどのような活用が出来るかについて考えてみます。
キーワードは「それを実現する主資源は何か、主資源の稼動を制約するものは何か」ということになります。この切り口から製造以外の業務について考えてみましょう。

(1)流通業の配送センターの業務について

流通業の配送業務では、主資源は配送のトラックが考えられます。配送のトラックは荷扱いをし、運転する配送員が必要になりますので、これは副資源になります。また、配送センターで貨物を積み降ろしするゲートが必要になります。これも集中すると待ちが発生しますので、配送センターの稼動を節電のために制限する場合は副資源として制約条件を付けてスケジュールすることが出来ます。配送センターで荷物をピッキングし品揃えをする要員も計画パラメータに加えることも有効でしょう。
この場合のスケジュールすべき計画オーダーは配送ルートと配送センターの荷扱い時間になります。このように設定することで、複数の配送ルートの荷物の積み降ろしを配送センターの処理能力を節電のために一部制限した場合に、どのように計画できるかのシミュレーションが可能になります。

(2)店舗の稼動率とサービスレベルの試算

節電のために、店舗の稼働時間を制限したり、一部の設備の稼動を停止したりする取り組みも行われています。本来のスケジューラの用途とは異なりますが、お客さまの店舗への来店目的と要求時間(納期)を計画オーダーとして、店舗の窓口や設備を資源とし、電力や人員を副資源として制約条件を付けてスケジューリングすることが出来ます。このスケジュール結果から、どんな窓口・設備を制約すると、どのようなリードタイムで対応可能となるかというシミュレーションが行えます。
この結果を参考にして、お客さまへのサービスレベルを出来る限り落とさずに稼動設備を制限していく計画を作成することが可能となります。

業務を定量化することで最適なスケジュールを作成する

これまでに説明してきましたように、製造現場のスケジュールだけでなく、色々な業務の計画とシミュレーションにスケジューラソフトは有効なツールです。特に冒頭で述べましたように、各企業が全国一律の業務稼動ではなく、エネルギー消費を平準化してピークカットに取り組んでいる状況ではスケジューラは強力な武器となります。
しかしこれを有効に活用するためには、ここで述べたスケジュールすべき計画オーダーを見極め、これを処理するために必要な資源と制約条件を定量化することが重要です。それぞれの企業で自社の業務をこの観点から見直し、スケジューラの活用を検討してみては如何でしょうか。

(次回につづく)

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