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「クラウド環境で作業計画を立てる(スケジューラの活用)」

失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座 「SaaS・クラウドの実例紹介」編

2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。

クラウド環境で作業計画を立てる

(実例5)
「クラウド環境で作業計画を立てる(スケジューラの活用)」
今夏、企業では電力使用を15%削減して業務効率を最大に保つスケジューリングが必要になります。様々な条件を加味して行うスケジュール作成業務をスケジューラソフトを使って省力化・迅速化する方法をご紹介します。
(2011/7/14)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫

スケジューラの導入方法

スケジューラソフトはいくつかのソフトベンダーから発売されており、その中にはクラウド環境で稼動できるサービスもリリースされております。スケジューラソフトを購入し、自社のPCにインストールして使うことも出来ますし、クラウドセンターに接続して使用することも可能となっています。製品にはそれぞれ特長や機能制限もありますが、スケジューラソフトの具体的な紹介や比較は致しません。
ここでは、スケジューラを導入するときにどのような準備が必要か、またスケジューラに対する一般的な要件を説明し、導入の参考にしていただくことを目的として以下説明をしていきます。

資源と生産性の設定について

スケジューラは設備や人などの有限な資源の条件を登録し、製造する製品の生産数と納期を入力し、資源の制約に基づいて生産計画を立案するソフトです。
ここで重要なことは「スケジューラは工程計画を計算するツール(道具)であり、与える条件が実態に即して明確に規定されていなければ計算される出力結果(生産計画)は実践で使えるレベルの結果にはならない」ということです。言い換えれば、生産に影響を与える資源の条件を妥当な数値で設定できるかがスケジューラ活用のポイントです。
この資源という概念を理解し、生産性の尺度を明確に規定することが出来るかどうかで導入の成否が決まるといっても過言ではありません。
資源と生産性の洗い出しの例を下記に挙げてみます。

(1)加工工程の資源設定

加工工程とは、切断、切削、成型など原材料から機械加工を行って製品(中間品)を製造する工程です。この場合の資源は加工機械になります。加工機械毎に生産性(nn本/分)の指標が設定できます。また稼動に必要な消費電力も設定できます。更に機械を操作する人が資源として必要になります。人がいなければ機械は稼動できません。(自動機は人が不要ですが電力は必要です。)
ここで加工機械はスケジューラに対して主資源となります。又電力や、操作する人員は副資源となり、主資源の稼動を制約する条件となります。成型に必要な金型も副資源と考えられます。

(2)組立工程の資源設定

組立工程では組立ラインそれぞれが主資源となります。そしてラインに従事する組立要員が副資源となります。また組立に必要な治工具・測定器に制限がある場合も副資源とし、人員数や従事可能ライン、治工具の数量などを制約条件に加えスケジュールします。使用電力制限を制約条件に加えてスケジュールさせることも条件設定を工夫することで可能となります。

(3)品目ごとの制約条件の設定

保有する資源である機械や要員、治工具は全ての製品の製造に使用できるものではありません。実践的なスケジュールを作成しようとすれば、条件はやや複雑になりますが、製品別に対応できる資源を選択できるように品目別に資源制約を掛けられると良い結果が得られます。しかし、品目別に条件設定をすると条件が品目の数と資源の数だけ必要になります。これを定義して維持することは結構な労力を要します。現実的には資源からみて対応できる製品群をグループ化し、この製品グループ毎に資源制約を掛けるように整理し運用していきます。

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