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インタビュー

デジタルで変わる地域の災害対策で
より安全・安心な暮らしを

株式会社日立システムズ
公共・社会事業グループ
社会情報サービス事業部
社会システム第一本部 本部長
デジタルトランスフォーメーション
推進部 部長
田中 大寛
株式会社日立システムズ
公共・社会事業グループ
社会情報サービス事業部
社会システム第三本部
デジタルトランスフォーメーション
推進部 主任技師
田中 康規

地震や台風、ゲリラ豪雨など頻発する自然災害。私たちが暮らす日本は、数多のリスクを抱えている。そうした中で喫緊の課題となっているのが「防災DX」の取り組みだ。かけがえのない命を守るために、安全・安心な暮らしを実現するために。テクノロジーに何ができるのか。日立システムズの「防災DX」サービスを担う田中大寛・田中康規の両名に、現状の課題と、日立システムズグループがめざす「防災DX」の未来について聞いた。

防災DX実現に向けた課題 リアルタイムで、
災害情報を可視化・共有

――「防災DX」の実現に向けて、地方自治体ではどのような課題を抱えているのでしょうか。

田中(大) 言うまでもなく、「防災のデジタル化」の目的は「人の命を守ること」です。いかにして、住民の皆さまを守るのか。やはり、この点がもっとも大きなポイントになっていると感じます。災害時には、膨大な災害対応業務が発生し、限られた人的資源で十分な対応を行うことには限界があります。そうした状況の中で、迅速かつ的確な対応を行うためには、「業務の効率化・省力化とそれらに資する標準化」が必須です。

田中(康) 業務を効率化・省力化し、標準化する。その解決策を具体化するには、情報をリアルタイムに可視化することが必要不可欠ですよね。被害状況などを瞬時に把握することができれば、避雛や救助に対する的確で迅速な意思決定ができるようになりますし、初動もスムーズになりますから。

田中(大) 内閣府が提唱する「防災4.0」では、自治体による「公助」には限界があり、「自助」「共助」を支援する環境整備が必要だと明言しています。現在、各自治体では電話や無線を活用した情報伝達、紙ベースでの防災情報可視化を行うことで、関係者および関係機関間での情報共有や災害対策を実現しています。しかし、それだけでは「自助」「共助」を支援するための情報共有・連携にはどうしても限界が出てきてしまう。デジタルの活用によってリアルタイムに情報を「可視化」することで、そうした状況を打破することもできます。
例えば、SNSや衛星画像などから得られたデータをAIで解析すれば今後の被害予測にメリットが生まれますし、道路の通行止め情報や避難場所の状況をリアルタイムで可視化できれば、避難や誘導の意思決定をより迅速に行えるようにもなるでしょう。さらには、備蓄品をデータで把握することによって、避難後の生活改善なども見込めるはずです。

田中(康) 私たちが提供する「エリア情報サービス」「水インフラ監視サービス」は、情報をリアルタイムに可視化し、「防災DX」の実現を支えていくもの。多くの被害を出した過去の災害から得られた教訓を生かし、自治体のお客さまが抱える悩みを解決する提案をさせていただいているところです。

イメージ:リアルタイムで、災害情報を可視化・共有

日立システムズの防災デジタル化サービス 迅速かつ的確な対応を
支援する二つのサービス

――これからの防災には、リアルタイムでの情報可視化が欠かせない。そして、その可視化を実現するのが日立システムズのサービスなのですね。ここからは、お二人がそれぞれに手がけるサービスの特徴について伺いたいと思います。まずは「エリア情報サービス」について教えてください。

田中(大) IoTなどの情報技術が発展したことで、取得できる防災関連のデータ数は大きく増えました。自治体のお客さまからも「それらをいかに防災に活用していけばよいか」という悩みを聞く機会が多くあります。それらの情報をリアルタイムで可視化・共有するのが「エリア情報サービス」です。これまで、被害・避難・復旧に関する情報は、電話や無線・紙などで個別に把握するしかなかったのですが、さまざまな情報をスマートフォンやタブレットなどに登録し、迅速に把握・共有することが可能となります。さらには文字情報だけでなく、写真や動画も登録可能であるため、実際の現場に行けない場合でも、速やかに現場の状況を把握し、迅速な判断を行うことができます。現在は災害発生時における「自治体の迅速・的確な対応」を支援することを主な目的としていますが、将来的には災害への「備え」を充実させるために、自治体ハザードマップと連携した避難所の場所や、それぞれの備蓄情報、避難ルートに関する情報なども住民向けに可視化したいと考えています。

――リアルタイムで可視化された情報が、自治体や関連機関の決断とアクションを支えてくれるわけですね。将来的には住民の皆さま自身が活用できるようになり、「自助」「共助」の支援につながっていくと。では、「水インフラ監視サービス」の特徴についても教えてください。

田中(康) 「水インフラ監視サービス」は、上水道や下水道などにセンサーを設置し、水圧・水位・流量・水質に関する情報をリアルタイムで可視化・監視できるサービスです。センサーは後づけで設置することができ、設置作業に伴って断水をする必要も基本的にありません。重要な水インフラの末端部分まで、しっかりと把握できる点は他のサービスにはない大きな特徴です。台風・大雨に伴う水防活動はもちろん、地震に伴う水害や、水道復旧が必要な箇所の特定、火災発生時の消火活動など、多様なシーンで災害対策業務をよりスムーズに、より的確にしてくれるものだと自負しています。

――重要な水インフラの状況をリアルタイムで可視化し、管理することができるのですね。では、日立システムズと協創することで自治体にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

田中(大) 防災のデジタル化はもちろんですが、日立システムズでは、「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けて、幅広い分野のサービスを提供しています。ガバメントクラウドへの対応をはじめ、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を実現するためのトータル的なサポートができる点は大きな強みですね。

田中(康) そうですね。私たちは常にお客さまに寄り添い、さまざまなニーズをカタチにしています。「水インフラ監視サービス」を提供するにしても、お客さまによって課題はさまざまですし、気候や自然環境などによって提案内容は大きく変わってきますからね。また、防災というテーマは一度、システムを導入して終わりというものではなく、継続的なサポートが必要となります。全国に拠点を持ち、お客さまに寄り添い続けられる体制を持っていることも、「選んでいただける理由」になると考えています。

イメージ:迅速かつ的確な対応を支援する二つのサービス

防災DXのこれから 安全・安心な暮らしを
後世につなげていきたい

――それぞれのサービス、そして「防災DX」の実現に向けての展望をお聞かせください。

田中(康) 現在の「水インフラ監視サービス」は、災害や故障が発生した時を想定されたものになっていますが、近い将来には「水インフラを管理し、最適化するサービス」として提供したいと考えています。何かがあった時の対応だけではなく、おいしく、安全な水を届けることを支えていく……。普段から、豊かな暮らしを支えていくことができれば、より導入するメリットを感じていただけると思っています。

田中(大) 将来的に発生しうる災害に対して、被害を極小化し、命を守っていくことが「防災DX」の目的です。その価値は、人々の暮らしをより豊かにしていくためのひとつの手段なんですよね。現在、日立システムズでは地域で活用できるデジタルプラットフォームの研究を進めています。この取り組みは、各自治体のOSや、自治体の各情報をプールするプラットフォームをクラウド上に構築し、外部のオープンデータとの連携を可能にするというもの。そのプラットフォーム上では、自治体間の情報共有・連携ができるようになり、さまざまなアプリケーションを通じて、各自治体や住民の方々が有益なサービスを受けられるようにもなります。そのプラットフォームから、私たちが手がける防災や水管理のサービスをひとつのメニューとして活用していただける。そんな未来を我々はめざしていきます。

――最後にサービスに込めた想いや、防災に対する意欲をお聞かせください。

田中(康) 住民の皆さまに有益なサービスを提供したい。よりよい暮らしを実現したい。すべてのお客さまは強い想いを抱いて、それぞれのミッションに向き合っています。だからこそ、私たちもその想いに寄り添っていかなければいけません。その先にいる多くの人々に何ができるのかを追求し、価値あるサービスを届けていきたいですね。

田中(大) いつまでも安全・安心に暮らせる地域を実現したい。これらのサービスは、そのような優しい社会を後世につなげる一助としてリリースしたものです。そこに関わるすべてのメンバーがITによって社会の課題を解決する仕事に誇りを持っていますし、私たち自身が生活者のひとりであることも仕事に対するモチベーションを高めてくれています。2023年4月以降、防災DX官民協創協議会の本格的な活動がスタートし、「防災のデジタル化」は加速していくことになるでしょう。こうした取り組みをさらに推進していくことで、多くの人々が安心して生活できる地域づくりに貢献していきたいと考えています。

イメージ:安全・安心な暮らしを後世につなげていきたい

ダウンロード資料一覧

水インフラ監視サービス
水圧監視サービス

対 象

自治体職員さま

概 要

上水道の安定的な水供給を実現するために、配水小管の消火栓や減圧弁などで水圧をリアルタイムに監視する「水圧監視サービス」をご紹介しています。

水インフラ監視サービス
水位監視サービス

対 象

自治体職員さま

概 要

下水道の水位データを継続的に取得することで、豪雨時などに早期の水防活動やポンプ場の適正な運転などを支援する「水位監視サービス」をご紹介しています。

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