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インタビュー

自治体DXで実現する

住民・職員・地域がデジタルでつながる社会

株式会社日立システムズ
公共・社会事業グループ
公共事業拡販推進本部
自治体DX推進センタ 主管技師
松本 剛知
株式会社日立システムズ
公共・社会事業グループ
公共事業拡販推進本部
DZ推進部 部長
細野 久嘉

デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会へ―。政府が掲げたデジタル社会におけるビジョンのもと、各自治体ではDXの取り組みが加速している。その流れを後押しすべく、日立グループでは「自治体DX」の推進に総力を結集して取り組んでいる。日立システムズで自治体DXを牽引する細野・松本の両名に、自治体DXの現状と、日立システムズグループがめざす姿について聞いた。

自治体DXは
多様な人の幸せを実現する

――いま、なぜ「自治体DX」の取り組みが必要なのか。まずは、その背景を教えてください。

松本)行政の手続きのデジタル化など、デジタル社会の構築をめざし、政府から「デジタル・ガバメント実行計画」や「自治体トランス・フォーメーション(DX)推進計画」が公表され、各自治体においてDXの取り組みが加速しています。デジタル社会のビジョンは、「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~」。労働人口が減少する中でもデジタルを活用することで、一人ひとりに充実したサービスを提供できるようにする。そのための取り組みだと言えるでしょう。中でも重点取組事項とされているのが、自治体情報システムの標準化・共通化、マイナンバーカードの普及促進、自治体の行政手続のオンライン化、AI・RPA(Robotic Process Automation)の利用推進、テレワークの推進、セキュリティ対策の徹底など。誰でも、いつでも、どこにいても、充実したサービスを受けられることをめざし、住民の方にとっても、「便利になった」という変化を実感しやすい変革になるのではないかと思いますね。

細野)もうひとつ、大きな動きとして内閣府とデジタル庁が中心となって推進する「デジタル田園都市国家構想」が挙げられます。この構想は「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」をめざし、デジタル技術を活用していこうというもの。地方の個性を活かしながら社会課題の解決と魅力の向上を図り、「地方に都市の利便性を、都市に地方の豊かさを」を実現するために、国も力を入れて変革を進めています。意欲的な自治体を中心に、DXの動きがより活発化していると言えるでしょうね。

日立グループの考える自治体DX推進でめざすデジタル社会

図:「住民」「職員」「地域」がデジタルでつながる社会

――国の方針を受けて、各自治体の現場ではどのような動きがあるのでしょうか。

松本)各自治体に対しては、国からDXを実行するための明確なガイドラインが示されています。それを受けて、各自治体ではDX専任の部署が立ち上がって準備を進めているところです。各自治体の取り組みに私たちのような事業者も参画させていただくことで、世の中の先進的な事例やナレッジをご提供できますので、お互いの専門性を生かしながら、その地域に合ったDXを推進することができると感じています。

細野)重点的な項目やガイドラインは示されていても、地方によって要望はさまざま。「新しいことをやりたい」「マイナンバーを使って、新しいサービスができないか」といったお問い合わせが多く寄せられているんです。私たちに寄せられている期待の重さを感じ、そこに応えていこうとそれぞれのニーズに合わせたご提案をさせていただいています。

イメージ:自治体DXは多様な人の幸せを実現する

「住民」「職員」「地域」
3つのデジタル化とそれを支える推進基盤

――日立グループが考える「自治体DX」とはどのようなものか。そのコンセプトを教えてください。

細野)日立グループでは、日立製作所、日立社会情報サービス、日立システムズの3社を中心に自治体DXの支援に取り組んでいます。まずは、自治体が抱える課題と現状を把握するため、既にお取引をいただいている自治体を中心にアンケートを実施。そこで顕在化したニーズをもとに、「住民」「職員」「地域」という3つのデジタル化とそれを支える推進基盤整備をテーマに自治体DXを支援していく方針を固めています。
「住民のデジタル化」においては、国が推進する行政手続きのオンライン化に関連するサービスとして、「書かない・待たない・迷わない」窓口サービスを推進しています。
「職員のデジタル化」では、RPAやAIの活用による業務の効率化を図るとともに、BPR(Business Process Re-engineering)支援やDX研修などお客さまの変革を支える取り組みも行っていきます。
また、「地域のデジタル化」においては、地域間のデータ・サービス連携の促進をはじめ、スマートシティ・スーパーシティといった概念の実現に寄与するサービスを提供していきます。

松本)3つのデジタル化と同時に、自治体DXの推進基盤整備も支援していきます。政府が提唱するガバメントクラウドへの移行や、重点20業務のシステム標準化対応などがこれに該当するファクターですね。当社は、自治体ソリューション「ADWORLD」というパッケージシステムを長年提供しており、そのADWORLDをベースとして、現在、標準化対応およびガバメントクラウドへの移行を行っています。

――自治体職員の方々のご意見をもとに方針を決めたのですね。では具体的にはどのようなアクションが生まれているのでしょうか。

細野)「住民手続きのデジタル化」「職員環境のデジタル化」「地域間連携などのデジタル化」については、それぞれに対して新サービス創生の検討を進めています。新サービス創生に当たっては、自治体職員の方々に協力をお願いし、実証実験を行い効果検証や課題抽出などを行っています。実証実験によって、実際に業務を行っているご担当者の意見を聞くことで、ユーザー側の視点を取り入れて機能の検討や効果検証ができ、製品化に繋げられるのは双方にとって大きなメリットだと思っています。例えば、兵庫県の自治体にご協力いただき、1年かけて「書かない・待たない・迷わない」の価値を実現するデジタル窓口システムの共同研究を実施しました。実際に住民に対して受付窓口で手続きを行うご担当者と、システム開発を行う当社とで議論を重ね、共同研究を経てシステム化をしたものです。実際の窓口対応を行うご担当者の声を開発当初から取り込めるのは、ベンダーにとっても強みになっています。

――自治体のお客さまと価値を協創する。人に寄り添う、強い意志を感じますね。

細野)お客さまに寄り添うことは、お客さまの視点で付加価値にこだわることでもあります。「職員のデジタル化」においても、その点は一貫していますね。「ADWORLD」のユーザー向けにRPAのシナリオテンプレートを提供したり、業務効率化やDX推進を加速していただくための研修を当社の従業員が講師役になって行ったりといった取り組みを通じて、自治体の職員の方々と並走して、価値あるDXを実現できるように努めています。日立システムズは越谷市様とデジタル化推進に係る事業協定を締結していますが、職員の方々の意識改革や、DXマインドの醸成を促進するDX研修も実施させていただいているんですよ。

――「地域のデジタル化」についてはいかがでしょう。

細野)地図情報を防災に活かしたい、観光や交通などのサービスを便利に利用できるようにしたいなど、さまざまなご相談をいただいています。今後の提案を通じて、生活者にとってもより便利な世の中が実現すると考えています。今はその基盤を準備しているところですね。

――自治体DXの推進基盤構築の面ではどのような動きがありますか。

松本)これまで各自治体で管理されていた膨大なデータを、ガバメントクラウドへ移行するだけでも、大変な作業ですよね。デジタル・ガバメント実行計画が示す2025年までの完遂をめざして、既存のお客さまから順次、移行をサポートさせていただいています。これまでの技術とは異なる技術を扱うようになるため、自治体のご担当者もかなりご負担を感じられるのではないかと思います。そこで、日立システムズではガバメントクラウド専門の組織を立ち上げ、移行はもちろん、移行後の運用をサポートできる体制を整えます。ただデータをクラウド上に移行するだけでは、ガバメントクラウドのメリットを十分に得ることはできませんからね。

イメージ:「住民」「職員」「地域」3つのデジタル化とそれを支える推進基盤

デジタルでつながる社会の実現のために、
日立グループ一体になって寄り添い、やりきる。

――DXに取り組む自治体のお客さま、そして、サービスを受ける住民の方。すべての人に寄り添い、その価値にこだわる。日立システムズの取り組みにはそんな想いを強く感じます。

細野)先ほど、ガバメントクラウドのメリットついて話がありました。これは単純にマシンルームのスペースが空くというだけでなく、自治体のIT・データ活用にさらなる自由度をもたらすものです。例えば、セキュリティをしっかり担保することで、従来自治体の基幹系システムに適用できなかったインターネット上のクラウドサービスをガバメントクラウド上で利用できるようになるかもしれません。ここに新たな価値を提供していくことも私たちに課せられた使命だと思っています。他の部門と連携しながら、よりよいサービスの創出に寄与していきたいですね。

松本)そうですね。私たち日立システムズには、多様なお客さまや課題に向き合ってきた実績もありますし、日立グループとして提供できるソリューション・価値は実に幅広く、質の高いものだと自負しています。それらを組み合わせて、確かな価値を提供していきたいところです。まずは2025年に向けて、しっかりと使命を果たすこと。「やりきる力」も日立グループの強みだと自負しています。

――それでは、最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

細野)現在の段階で明確にやりたいことがなくても構いません。「新しいことができないか」「この製品・技術に興味がある」といったご要望をいただければ、私たちはそれをかたちにするサポートをさせていただきます。ただ製品を導入するだけでなく、実証実験を通じてよりよいものをつくり出すという進め方もありますので、まずは気軽にお声がけいただきたいですね。

松本)ガバメントクラウドの新しい技術に悩まれている方も多いと思います。私たちはITのプロフェッショナルとして、早期に情報を提供し、皆さんに安心していただけるサービスの提供に努めていくつもりです。住民・職員・地域がデジタルでつながる社会の実現は、すべての人を幸せにするためのもの。日立グループの総力を挙げて、そのサポートをしていきたいと考えています。

イメージ:デジタルでつながる社会の実現のために、日立グループ一体になって寄り添い、やりきる。

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日立システムズの自治体DX
ADWORLD デジタル窓口システム
導入事例 兵庫県三木市様

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自治体職員さま

概 要

日立システムズの「ADWORLD デジタル窓口システム」で、兵庫県三木市様の窓口業務改革を推進した事例をご紹介しています。

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自治体DX推進 お役立ち情報 Vol.9

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自治体職員さま

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自治体の職員さまに役に立つ情報をお届けします。Vol.9では、2022年10月7日に閣議決定された地方公共団体情報システム標準化基本方針についてご紹介しています。

ADWORLD ニュースレター
自治体DX推進 お役立ち情報 Vol.10

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自治体職員さま

概 要

自治体の職員さまに役に立つ情報をお届けします。Vol.10では、2023年1月6日に公募が開始されたガバメントクラウド早期移行団体検証事業についてご紹介します。

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