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「クラウド化やSaaS利用の実践的な取り組み方」

失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座 「中堅・中小企業のSaaS・クラウド活用を考える」編

2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。

クラウド化やSaaS利用の実践的な取り組み方

(クラウド6)
「クラウド化やSaaS利用の実践的な取り組み方」
今回は、急速に進展するクラウド化の波に対して中堅・中小企業としてどのように取組んでいけば良いかについてお話しします。
(2011/2/10)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫

個人の情報資産をクラウドで共有化して活用する

どこの企業でもIT化を図っており、業務を行うにはパソコン等の情報端末が必須の状況になっています。そして、全社の共有データベースとは別に、それぞれの端末のディスクやメモリスティックに個人の管理する業務データを保管管理しています。最近はセキュリティ上の理由で外部媒体は使用を禁止・制限している場合も有りますが、何らかの形で個人管理のデータは存在し、個別にメンテナンスされているのが現状です。

今回はこの個別に管理している情報を個人のPCからクラウド上の記憶領域に移して、共有化することで、必要な人が必要なときにアクセスできるようにしようというものです。
このようにすることで、個人が管理している場合に比べて報告・連絡・問合せの作業時間の削減と伝達ミス・漏れを防止する効果が期待できます。また、インターネットを利用することで、外出先からでもタイムリーに情報を把握してアクションを起こせるようになります。個別管理業務の例として、商品管理担当者がEXCELで商品在庫の予約情報を管理していることを想定して具体的に検討してみましょう。本格的なシステム化では無く「みる」ことが目的ですので、ここでは、EXCEL表をそのままの形でクラウドに載せることを考えてみます。

商品予約管理EXCELの現行の業務内容

商品予約管理は次のような業務となっています。

  • (1)毎朝基幹システムから在庫予定表をEXCELに変換して取得する。この在庫予定表EXCELには前日の在庫残数から日別に正式受注の出荷予定数を差し引いた未引当在庫数を2週間先まで表示しています。更に個別に管理している営業マンからの商品予約明細のEXCELとつき合わせて、予約可能数を日別に計算して商品予約管理表を作成します。
  • (2)営業マンから電話で商品の予約の問い合わせが入ると、商品管理担当者は、朝作成した商品予約表を見て、予約可能かどうかを判断し回答しています。予約をする場合は商品予約明細に商品管理担当者が予約内容を入力すると連動して商品予約管理表が更新されます。
  • (3)一日の業務終了時点で営業管理者、商品仕入管理者、出荷管理者に商品予約管理表をメールで報告しています。正式受注の前には必ず予約を入れる業務ルールとしているため、予約情報が出荷予定の先行情報として商品仕入と出荷段取りに活用されています。この業務をクラウドに載せることで、下記の様に業務を変更し商品管理業務の改善を図ります。

この業務をクラウドに載せることで、下記の様に業務を変更し商品管理業務の改善を図ります。

  • 毎朝作成された商品予約管理表と商品予約明細をクラウド上の領域にアップロードします。
  • 営業マンはクラウド上の商品予約管理表を見て予約可能かを判断し、予約する場合は商品予約明細に予約内容を入力します。引当可能な在庫が希望納期に確保出来ない時は、商品予約明細を見て営業内部で調整することとします。追加で商品を緊急手配する必要が生じた場合のみ、商品管理者に連絡を入れて相談するルールとします。
  • 一日の業務終了時点で営業管理者、商品仕入管理者、出荷管理者はそれぞれがクラウド上の商品予約管理表を参照することとし、メール報告は廃止します。
    このようにすることで、商品管理の工数削減と正確でタイムリーな業務処理を実現することが出来ます。

契約するクラウドサービスの内容と自社の必要設備

この業務を実現するためには、業者により契約内容や価格は異なりますが、下記の様な内容を契約することになります。

  • (1)商品予約管理用の仮想サーバー・・・・・1台
    この業務だけであれば処理能力も大きなものは必要ありません。ファイルサーバーとして機能できる処理能力と記憶領域があれば最低限のもので十分です。
  • (2)仮想デスクトップ(OS+OFFICE)・・・・・数台分
    今回の計画では予約登録は複数台では出来ませんので、1台あれば良いのですが、照会のみを同時にすることを考えると何台かあると順番待ちが低減されます。
  • (3)アクセスするためのアカウント・・・・・使用人数分(契約によります)

クラウドコンピューティング

自社の必要設備としては以下のものですが、既存の設備を使用することも可能でしょう。

  • (1)回線設備(インターネットにつながるLAN設備)
  • (2)クラウドにアクセスするパソコン

パソコンはインターネットが出来るパソコンであれば対応できます。また、外出先からアクセスするパソコンはインターネットへ接続できる機能を備えたパソコンが必要です。 EXCELは仮想デスクトップ上で動きますので、アクセス用のパソコンにインストールする必要はありません。

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