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加速するパブリッククラウドの活用

Windows AzureとApp Bridgeでハイブリッド化を推進

加速するパブリッククラウドの活用~Windows AzureとApp Bridgeでハイブリッド化を推進~右から、日本マイクロソフト株式会社 山本 修平氏、徳増 宏司氏、内田 直之氏、渋谷 青巨氏株式会社日立システムズ 伊藤 尚、菊池 一也

近年、企業でのパブリッククラウドの活用が加速しています。今回はマイクロソフト社が提供するパブリッククラウドサービス「Windows Azure」と、その活用支援サービスである日立システムズの「App Bridgeシリーズ」についてお話を伺いました。

IaaS対応、国内データセンター開設
進化するWindows Azureでパブリッククラウドの活用を加速

徳増 宏司氏
徳増 宏司氏
日本マイクロソフト株式会社
クラウド&ソリューションビジネス統括本部
インキュベーションセールス部
ソリューションスペシャリスト

――先日、Windows Azureに新しいサービスが追加されました。このサービスとWindows Azureの最近の動向について教えてください。

徳増氏: Windows Azureでは2013年4月17日に「インフラストラクチャ サービス」の提供を正式に開始しました。これはIaaS*型のクラウドサービスで、Windows Azure上の仮想マシンにWindows Server のみでなく、いくつかのLinux OSやアプリケーションをインストールしてご利用いただけます。また、VPNによる仮想ネットワーク機能も備えており、お客さまのオンプレミス環境とWindows Azureをセキュアに接続でき、イントラネットを拡張したような形でパブリッククラウドとして利用できるようになりました。今回のアップデートによって、オンプレミスで利用していた既存のシステムをWindows Azure上に移行しやすくなり、大規模なシステムを持つエンタープライズのお客さまが、スケールメリットを生かしてクラウド化を実現できるようになりました。

また、2014年以降、東日本と西日本の2拠点にデータセンターを設置する予定です。国内データセンターは、日本のお客さま、特にレギュレーションの厳しい公共、金融業や自治体のお客さまから「国内にデータを保有しておきたい」という強いご要望をいただいており、その対応となっております。
これら2つのアップデートにより、エンタープライズのお客さまへのWindows Azureの導入をぜひ日立システムズさんと一緒に加速していきたいと考えています。

渋谷 青巨氏
渋谷 青巨氏
日本マイクロソフト株式会社
クラウド&ソリューションビジネス統括本部
インキュベーションセールス部
テクノロジースペシャリスト

渋谷氏: Windows AzureはPaaSからスタートしました。これはこのサービスの強みだと思っています。ただ、実際にお客さまのシステムをクラウドに移行しようとしたときに、既存のアプリケーションのほんの一部が移行できないため、あきらめるということがありました。それが今回のIaaS対応によって打開できたことは大きいと思います。また、オンプレミスの製品の機能をそのままクラウド上で利用できるようになり、お客さまからもたいへんご好評いただいています。

――今後マイクロソフト社では、オンプレミスとクラウドのどちらの事業を主軸とされるのでしょうか?

徳増氏: どちらも両立していきます。マイクロソフトのコンセプトとして、「お客さまが使いたい環境をどこでも好きなようにお使いいただく」というものがあり、オンプレミスを利用しているお客さまもクラウドの利点を享受できるハイブリッドクラウドのサービスを拡充していくことをめざしています。

ハイブリッド環境の監視を低コストで実現するApp Bridge 統合監視サービス

菊池 一也
菊池 一也
株式会社 日立システムズ
経営戦略統括本部
研究開発本部 研究開発センタ
主任研究員

――――日立システムズとしては、Windows Azureのこのような動向に対してどのように対応されるのでしょうか?

菊池: 弊社のデータセンターでも、プールしたITリソースを必要な量だけご利用いただくリソースオンデマンドサービスを提供していますが、今後クラウドが浸透していくと、パブリッククラウドとリソースオンデマンドサービスを併用したハイブリッドクラウド環境が発展するだろうと考えています。

このような中で、弊社は2011年4月にWindows Azureを含めたパブリッククラウドを監視できるサービスとして「App Bridge 統合監視サービス」をリリースしました。

App Bridge 統合監視サービスとは、パブリッククラウド、オンプレミスを含むハイブリッドな環境のサーバーやミドルウェアを一元監視できる、SaaS型のサービスです。
App Bridge 統合監視サービスの特長は次の3点です。

AppBridge統合監視サービス(SaaS型)の特長 ・1.25円(税抜)/時から提供 ・申し込み手続き完了後、短時間で利用可能 ・ハイブリッド監視を実現

また、Windows Azureの「インフラストラクチャ サービス」の運用開始に伴い、App Bridge 統合監視サービスもIaaS対応版を7月にリリースしました。

山本 修平氏
山本 修平氏
日本マイクロソフト株式会社
クラウド&ソリューションビジネス統括本部
サーバソリューション営業本部
第2営業部 部長

山本氏: 今回、エンタープライズ向けにIaaSのプラットフォームをリリースしましたが、IaaSに対する市場の期待はかなり高く、Microsoft SharePointなどこれまでオンプレミスで利用していた資産をIaaSでも活用できないかという問い合わせが増えています。

これに伴って、運用監視の範囲をパブリッククラウドつまりWindows Azureにまで拡大したいというニーズが高まっており、App Bridgeに対する期待がますます大きくなっているのを感じています。

渋谷氏:  Windows Azureは運用が容易であるということでお客さまから評価されています。ただ、実際に本格的な運用の検討に入るとやはり一から構築しなくてはいけない部分もありますので、それがApp Bridgeのようにサービスとしてすぐにご紹介できるのはとてもありがたいです。

ぜひ今後もWindows Azureと共に機能強化していただけると嬉しいですね。

伊藤 尚
伊藤 尚
株式会社 日立システムズ
クラウドICTサービス事業グループ クラウド統括本部
クラウド事業推進本部 担当部長

――エンタープライズ向けの話が出ましたが、一方で中堅・中小企業にとってのApp Bridge 統合監視サービスの魅力とはなんでしょうか?

伊藤: 企業のクラウド利用の目的は、コスト低減と、新しいワークスタイルやビジネスモデルの追求の2点です。どちらにしても、少ない投資でさまざまなビジネスを開始できるという点でパブリッククラウドの利用が進むと想定していますが、そうすると小規模な企業ほどパブリッククラウドと自社のレガシーシステムの間の運用課題が出てきます。
これを低価格で解決するのがApp Bridge 統合監視サービスです。

大企業のように大きな投資が難しい中堅・中小企業こそ、低コストでハイブリッド環境の監視ができるApp Bridge 統合監視サービスがマッチすると考えています。

分散環境下のシステム連携を容易に実現するApp Bridge 分散処理基盤サービス

――App BridgeシリーズにはApp Bridge 分散処理基盤サービスというサービスもありますが、こちらはどのようなサービスなのでしょうか?

菊池: オンプレミス、データセンター、パブリッククラウドなどさまざまな環境にシステムが分散するのに伴い、これらのシステムを連携したいというニーズが高まっています。これに対して、分散したIT環境下におけるシステム連携を容易に実現し、インターネット経由でのジョブの投入・抽出・実行を可能にするサービスがApp Bridge 分散処理基盤サービスです。

App Bridge 分散処理基盤サービスの特長:クラウド連携実現、柔軟なシステムデザイン、Webブラウザーによる容易な管理、容易な導入

App Bridge 分散処理基盤サービスを利用することで、オンプレミスで投入したジョブをパブリッククラウドで実行したり、また逆にパブリッククラウドで投入したジョブをオンプレミスで実行したりでき、サーバーの所在を意識せずに分散環境下のシステムを利用できます。

Windows Azureに日立システムズとしての価値をプラス

内田 直之氏
内田 直之氏
日本マイクロソフト株式会社
クラウド&ソリューションビジネス統括本部
ニュービジネス推進室
プリンシパルアーキテクト

――マイクロソフト社として、日立システムズにはどのようなことを期待されていますか?

徳増氏: 日本のお客さまは世界の中でも特にクオリティに厳しいので、Windows Azureに運用面を含めた御社の価値を追加して、うまく対応していただけるととても助かります。実際、現在もそういった面でお助けいただいていますが、今後は統合監視などのサービスだけでなくSIの領域も含めてコラボレーションしていきたいと思っています。

内田氏: 日本はレギュレーションが厳しい分野が多く、特に金融業や自治体のお客さまは、日本の規格を持っていないと導入していただけないんですね。日立システムズさんは、国際規格や日本の国家規格を多数取得していらっしゃるので、とても助けられています。
「Windows Azureの上に構成部品として日立システムズの製品を導入すれば、○○の規格を満たせますよ」と言うことができれば、日本でサービスを展開するうえでたいへん強みになりますので、今後もそういった面でカバーしていただくことを期待しています。

山本氏: 日立システムズさんは、Windows Azureのサービス開始当初からいち早く対応してくださり、さまざまなお客さまのご要件に対応していただきました。
今後もApp Bridgeなどで確実に実績を作っていただき、Windows Azureをご活用いただくお客さまの幅広いニーズに応えたソリューションの提供を進めていただけることを期待しています。

伊藤: 日立システムズでは、ハイブリッドクラウド化を迷っているお客さまを後押しするツールとして、App Bridgeを育てていきたいです。弊社の基盤やSI力を活用してWindows Azureに新たな価値をプラスして提供することで、ハイブリッドクラウド化を推進していきたいですし、迷われているお客さまにその価値を知っていただきたい。 それが両社のビジネスの新しい成功モデルになると思いますので、これからも一体となってクラウドの活用方法を模索し、共に成長していくうえでの強みを生み出していきたいですね。

*
IaaS(Infrastructure as a Service):クラウドコンピューティングサービスのひとつで、仮想化されたハードウェアやネットワークなどのインフラをインターネット経由のサービスとして提供する。OSなどのプラットフォームを提供するPaaS(Platform as a Service)に対し、ユーザーがOSやアプリケーションを自由にインストールして利用できるという特長がある。

日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。