失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座「システム計画~運用」編
2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。
(開発・導入1)
「システム導入プロジェクトメンバーの決め方」
A社は担当のシステム会社が決まり、設計の打ち合わせに入ったが遅々としてすすまない。遅延が明らかになったとき社長が立ち上がった!
(2009/11/17)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫
社長はこの報告を受け、どの問題も会社の経営方針にかかわる問題であり、プロジェクト単独では決められない問題であることを認識しました。会社としては、物流センターへの統合準備として、ハードの面では総務が主体となって進め、ソフトの面では商品管理部門主体のプロジェクトを発足したのでうまく進むと考えていました。しかし、顧客サービスレベルと投資コストのバランスをどこで取るかは経営レベルの問題であり、商品管理部門主体のプロジェクトでは決定できる内容ではありませんでした。
A社社長はこれらの状況を認識し、経営判断を要する問題に速やかに対応するため、ハード、ソフトの準備プロジェクトを社長直轄体制に改めました。また営業面での社内の意識改革も併せて進めるために、営業の責任者もプロジェクトに参画させました。この体制に改めたことで、事業方針や事業戦略に関わる問題も速やかに決定し、プロジェクトはまた動き出すことができたのです。
A社の事例から、冒頭で述べたことの意味が理解できたと思います。新システムの導入には、必ず業務体系の変更が伴い、システム仕様を具体化するときに経営判断を必要とする事態が必ず発生してきます。基幹システムの導入プロジェクトは全社を統括し方針を決定できる権限を持った統括責任者の下に設置し、全社に関わる問題も速やかに決定できる体制とすることが必要なのです。
(次回につづく)
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