誰もが公平に多様な個性を発揮し、相互に成長し合い貢献できる職場の実現
当社では「人権委員会」を設置し、人権に関するテーマについて定期的に情報共有や報告・検討する会議を実施しています。
LGBTQIA+については、基本的な知識が習得できる教材をイントラネットで公開し、従業員の誰もがいつでも学べる環境を整えています。また、LGBTQIA+をテーマに各職場でミーティングを実施し、正しく理解し、ハラスメントのない職場づくりに取り組んでいます。
また、当社ではLGBTQIA+をはじめ、ダイバーシティに関する社会的課題について自分ごととして捉え、その解決に向けて動く人を“ALLY”と呼んでいます。 “ALLY”の浸透と見える化を促進するためALLYステッカーを制作し賛同者へ配布しています。誰もが自分らしく、ありのままで働ける職場づくりにむけて、一人ひとりが主体的に考え、参加する取り組みを進めています。
これらの取り組みは、任意団体「work with Pride」が主催する性的マイノリティに関する取り組みの評価指標「PRIDE指標2023」で5年連続最高位のゴールドを受賞しました。
当社は、性差無く、誰もが育児と仕事を両立できる職場づくりに取り組んでいます。
男性の育休取得を当事者個人の問題とせず、会社全体の課題と捉え、仕事と育児の両立に関する社内制度を整備し、各種手続きやセミナー案内、育休取得者の体験談など、社内に広く情報を発信し、男性の育休取得も推進しています。
仕事と育児を両立しながら働く社員を支援するため、「育児休暇復職支援セミナー」を定期的に開催しています。本研修は本人と上長がペアで受講し、復職後の働き方や心構えを共有しています。これによって出産や育児によるキャリアの中断や仕事と育児の両立などに対する不安を解消し、本人のモチベーション向上およびキャリア伸長を促すとともに、上長による正しいサポートを実現します。
また、男性の育休取得を促進するために株式会社ワーク・ライフバランスが推進する「男性育休100%宣言」に参画。
2020年度からは、男性育休応援冊子「夫婦で話そう。考えよう。パパ育休のこと」の自治体への配布プロジェクトに参画するとともに、子どもが誕生した男性従業員とその上司に冊子を配布しています。また、誰もが育休を取得しやすい風土作りのため「プレパパ・プレママセミナー」を開催しています。
2023年度は、男性の育休取得推進をきっかけに「仕事と家庭の調和」を応援する施策として「SMILE∞パパエプロン」を制作しました。男性の育休取得だけでなく、誰もがライフとワークのバランスを取れる環境づくりに取り組んでいます。
従業員の多様な働き方を支援する取り組みの一環として、2016年度から定期的に仕事と介護の両立支援に関するセミナーを開催しています。介護保険制度や介護の現状、相談事例、今から準備できることや仕事と介護を両立するためのコツなどを学んでいます。
2021年度は認知症介護についてフォーカスしたセミナーを、2022年度は介護に関わる部下を持つ管理職向けのセミナーも開催しました。2023年度からは、介護の相談窓口を強化するため、会社制度を理解した介護の専門家による相談窓口を開設しています。
また、仕事と介護の両立のために必要な知識を学ぶことができるよう教材や社内外の制度などの情報をまとめたポータルサイトをイントラネットに公開。さらに、家族や職場で介護について話し合う機会を持てるようにするため、話し合いツール「1165(イイローゴ)チェックシート」を制作し、働き方の見直しや事前準備など、介護に備えるきっかけ作りもサポートしています。
当社は、2018年から「がん対策推進企業アクション」に加入し、がんになっても働き続けられる環境作りを推進しています。2017年度からは「がんと就労セミナー」を全国28カ所で開催し、累計700人以上の従業員が参加しました。
セミナーでは、実際にがんを経験した日立グループ社員を講師に迎え、がんが見つかるまでの経緯や治療と仕事を両立するための工夫、治療にかかる費用など、講師自らの体験談を伝えるとともに、乳がん触診モデル体験を行い、がんを身近な病気として捉えてもらうようにしています。
また、従業員のがん罹患者による体験談を公開するとともに、会社の制度やサポート体制、保健師の活動などを紹介し、サポートが必要な時に安心して相談してもらえる職場づくりを進めています。
2018年度からはがんを治療しながら働く「がんと就労」問題に取り組む民間プロジェクト「がんアライ部」の活動に参画しており、「がんアライアワード2023」では6年連続でゴールド賞を受賞しました。
がんだけでなく、さまざまな事由で治療しながら働く方が、安心して治療と仕事の両立ができるよう、さまざまな支援制度や施策を展開しています。2021年度は不妊治療と仕事の両立をテーマにセミナーを開催しました。
2017年から女性特有の健康問題に着目し専門医など有識者によるセミナーを開催しています。2023年度は女性のカラダについての理解を深め、職場や家庭で、適切に気づかいができるようになるための知識が紹介されました。これからも女性も男性も共に学び、より働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
当社は、障がいのある方の職業的な自立と社会参加を図るために、個人の特性と能力を最大限に発揮できる職域開拓を行い、法定雇用率を超える障がい者雇用に積極的に取り組んでいます。
社内では、それぞれの障がい内容を考慮した業務に就けるように配慮しているほか、従業員にノーマライゼーションを浸透させるために「障がい者職業生活相談員」を配置して、雇用促進や正しい理解のための啓発活動を行っています。
また、2016年から障がいがある当社の従業員が講師となり、「障害平等研修」を開催しています。若手から管理職・役員まで、年代も性別もさまざまな人たちが受講しており、障がいに対する理解を深め、働きやすい職場について一人ひとりが真剣に考えています。
2019年度に「日立システムズ SMILE∞ファーム」を開設し、農園運営を通じて障がいがある人にも安定して働ける場を提供しています。
栽培した野菜は社内配布会を実施し、従業員からの感想や料理の写真を農園スタッフに伝えています。時には農園スタッフが社内配布会で野菜を直接従業員に配り、従業員とのコミュニケーションを通じて、やりがいや喜びの循環を促進しています。地域の子ども食堂にも定期的に野菜を提供し、地域に根差して活動しています。また、農園で働くスタッフが安心して働き続けられるよう定期的な1on1や保健師面談による体調管理などを実施しています
当社では、定年退職者が最長65歳まで働き続けられる「シニア社員制度」を設けています。2012年度は改正高齢法を踏まえ、2013年度4月に社員が定年後、老齢厚生年金の受給開始年齢まで活躍できるよう、雇用環境を整備しました。
今後もシニア層の雇用継続と若年層の雇用を両立させる制度とすることで、多彩な人財を有し活力ある組織を形成していきます。
シニア社員制度利用者
当社では男女の差なく誰もが活躍していただくため、各部門において女性従業員の積極的な登用を呼びかけています。
女性の役職者数(主任以上)も年々着実に増加しており、2023年度は690名、そのうち186名の従業員が女性管理職として活躍しています。また、2022年度には初めて女性の執行役員が就任し、経営ポジションにおいても活躍の場を広げています。
女性従業員の活躍状況
単位 | 19年度 | 20年度 | 21年度 | 22年度 | 23年度 | ||
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女性役職者数 | 人 | 586 | 608 | 629 | 659 | 690 | |
女性管理職(課長) | 人 | 97 | 104 | 119 | 132 | 140 | |
女性管理職(部長以上) | 人 | 33 | 36 | 37 | 43 | 46 | |
管理職に占める女性従業員の割合 | % | 4.5 | 4.8 | 5.4 | 6.3 | 6.7 | |
単位 | 23年度 | ||||||
女性執行役員 | 人 | 1 | |||||
男女の賃金の差異 (男性の賃金に対する女性の賃金の割合) |
% | 全従業員 | 71.1 | ||||
無期雇用・ フルタイム従業員 |
70.3 | ||||||
パート・ 有期雇用有業員 |
52.5 |
推進施策
ダイバーシティはイノベーションと成長の源泉であるという考えのもと、女性が活躍する職場づくりに取り組んできましたが、各職場ではまだ女性管理職のロールモデルが不足している現状があります。
女性従業員が十分にキャリアを検討するために必要な、情報提供や上司をはじめとする職場のサポートを円滑にするため次期管理職任用候補の女性従業員とその上司を対象に、2023年度からキャリアステッププランニング研修を開始しました。受講後には、キャリア意識の醸成や理想のキャリアビジョン作成に大きく役立つとともに、研修でのインプットと上司との面談を通じて不安点の解消につなげています。
また、仕事と育児を両立しながら働く従業員を支援するための「育児休暇復職支援セミナー」や女性特有の健康問題に着目した専門医による「女性の健康セミナー」を定期的に開催するなど、女性従業員一人ひとりの活躍をサポートする様々な取り組みを推進しています。
さらに、「女性活躍推進」を幅広い視点から捉えた施策として、役員向け人権・DEI研修の実施や管理職向けアンコンシャス・バイアス研修を実施しています。役員向け研修は全従業員にライブ配信するとともに、各職場で職場ミーティングを開催し、同テーマに対して意見を交換するなど、誰もがありのままでいきいきと活躍できる職場風土の醸成・組織づくりも推進しています。
当社は、グローバル事業の拡大・企業価値向上を図るため、グローバル人財の育成と併せ外国籍の社員を積極的に採用しています。
外国籍社員の変遷
アンコンシャス・バイアスとは、誰もが持っている無意識の偏見や思い込みです。些細な言動や行動に含まれており、日常的に繰り返されれば差別やハラスメントにエスカレートしていく危険性があります。一方で、自分のアンコンシャス・バイアスに気づき、正しく取り扱うことで、職場の心理的安全性が高まり、ダイバーシティ推進やエンゲージメント向上に好影響を与え、イノベーションの創出にも繋がります。
当社では、役員をはじめ上位職から研修を受講し、対象を広げ社内へ展開しています。管理職が自分のアンコンシャス・バイアスに気づき、適切に取り扱う力を身に付け研修での学びを職場に展開することで、従業員一人ひとりが尊重され多様な能力を発揮できる職場づくりを推進しています。また、職場ごとにアンコンシャス・バイアスについて話し合うミーティングを開き、一人ひとりが意識を向けるよう取り組んでいます。
単位 | 目標値(FY2027) | 23年度 | ||
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Human*ITミーティング実施率 | % | 90以上 | 85.9 | |
SMILE∞ファーム | 収穫野菜の配布会実施回数 | 回 | 24 | 17 |
農園訪問者数 | 人 (延人数) |
140 | 60 | |
キャリアステッププランニング研修 年間参加者数 | 人 | 294(FY2024) | 68 |
単位 | 目標値(FY2027) | 23年度 | |
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管理職者向けアンコンシャス・バイアス研修の受講率 | % | 100維持 | 62.2 |
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