地方創生の先陣を切る!「IT×地方議会」に挑む精鋭たち
~SE・今田、和田、長谷川編~
地域の人々のために、より分かりやすく開かれた政治で、地方を活性化させる―政府でも本格的に取り組みが始まった「地方創生」が注目されている。この社会背景において、いち早く現状改革に乗り出し成果を挙げてきた大津市議会は、地方自治体や議会、首長などの先進的な活動、優れた取り組みを表彰する「マニフェスト大賞」でグランプリを受賞し、全国の議会関係者による視察が年間100件以上にも及んでいる。
そんな大津市議会の最新の取り組みが、2014年秋に実現したタブレット端末による議会IT運営だ。「議会ICT化プロジェクト」の一環として日立システムズ提案の「タブレット端末を活用した議会運営システム」を導入し、さらなる注目が集まっている。
議員、議会関係者からも評価の高いこのプロジェクトを進めてきた日立システムズのSEたちが、導入に至るまでの経緯を語った。
日立システムズSE
和田竜男
今回のプロジェクトは、公募型プロポーザル方式。2014年夏に公示された大津市議会からの要件として、「タブレット端末・Apple製『iPad Air』の導入」、「議場内通信システムの導入」など大きく5項目と多数の細かい要望が挙げられた。公募開始から企画書の提出、プレゼンテーションまで約1カ月。採用決定に至るまでの状況について、SEの和田が語った。
「『ペーパーレス会議システム』をはじめ、日立システムズの既存サービスをベースにして組み合わせることで、基本条件も細かい要望もクリアできる。私たちだからこそできるワンストップソリューションで、必ず勝てると考えていました」。
準備は問題なく進んでいた。しかし、要件のひとつである「タブレット端末上にメッセージをポップアップで出す」機能に、待ったがかかった。
「メッセージを出す機能自体は、すぐに対応できたんです。でも営業の北村から、メッセージの表示の仕方でリクエストがあって…なんとか応えようと、機能を追加する方向で可能な限りの表示パターンを提案しました」。
それでも、北村がOKを出す形には、なかなか辿り着かない。さらに問題なことに、機能の追加はアプリの新規開発と同等の改修になりApple社に申請、審査が必要となるが、プレゼンまで既に半月を切っている。もう、タイムオーバーだった。
「これ以上メッセージの表示にこだわるのは時間的に限界で、『今回は難しい』と北村に伝えました。でも、SE側でほかに方法はないかを引き続き探っていて、北村からも『何とかならない?』って言われ続けていて(笑)」。
試行錯誤のうえ辿り着いたアイデアが、北村のリクエストと似た動作を持つ既存の機能を、メッセージ機能として改良すること。「追加開発」でなく「改良」であれば、Apple社の審査も容易だ。
「プレゼンテーションまで2週間を切っていたので、本当にギリギリ…いや、タイムリミットを過ぎていました。本来なら絶対に間に合わない日程の中、提案当日に表示確認ができるレベルまで開発担当が頑張ってくれて…。採用が決まったのは、こだわり抜いた結果だと思います」。
8月末、怒涛の準備を終えて臨んだプレゼンテーションを経て無事に採用が決定し、息つく間もなく、9月からはシステムの導入作業がスタート。そして、もう一つの大仕事が待っていた。
日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。