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株式会社 日立システムズ

【第4章】第1回 あすな、門前払いされる

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(マンガの続き)

新しいクライアントは、八百屋さん

日比野「八百屋と言うのはな、単にお店に品物を並べるだけじゃないんだ。モリモリ青果店では、この辺の料理屋にも野菜を届けたりしているし、思いのほかお客さんの種類が多いんだよ」
あすな「へぇ…知らなかったです」
あすなは驚きながら、そういえば最近「龍流」に行ってないなぁ、と、仕事と関係のないことを思い出していた。
ナミ「そんなモリモリ青果店が、どうして私たちを頼ってきたかというと…」
ナミはそう言いながら、パソコンで地図サイトを呼び出し、
ナミ「ここの国道沿いに、この間新しいショッピングモールができたのよ」

日比野が続ける。
日比野「ショッピングモールの1階には食料品売り場が入っているんだが、そこが大手チェーン店の系列でな。品物の取り揃えも豊富だし、価格も安いことで有名だ」
ナミ「モリモリ青果店は少しずつそのあおりを受けているの。そのスーパーは配送サービスもしていて、お年寄りだけでなく、飲食店も食材の仕入れにそのサービスを使っているらしいのよ」
日比野「…というわけで、早めに打ち手を考えたい、というのが森社長の希望なんだ」

社長は63歳のベテラン

森社長、という言葉を聞いて、あすなが反応した。
あすな「あのお店、森さんという方がやってらっしゃったんですか?」
日比野「ああ…森信次社長、63歳。ベテランだけに野菜にはものすごく目が利くことで知られていて、お客さんからの評判も決して悪くないんだが、プロの経営者というよりは職人タイプの人でな・・・こういう時に打開策を見つけるのが難しいということで、うちを頼ってきた」
あすな「そういえば、あのお店に白髪のおじさん、いますもんね」
あすなが思い出したように言うと、ナミが吹き出す。
ナミ「あすなちゃん、クライアントの社長さんなんだから、これからは『おじさん』って呼んじゃダメよ?」
あすな「あ…すみません」
あすなは笑いながら頭をかく。

日比野はもう一度「まったく…」と言うと、思い出したようにナミに尋ねる。
日比野「そういえばナミ、社長には子供はいるのか?」
ナミ「はい、一人ご子息がいます。どうやら若い頃は家業を継ぐのがイヤだったらしくて・・・大学を出て一般企業で仕事をしているみたいです。今も事業を継ぐつもりはないようですが…」
日比野「うん…しかしいずれは財産を相続することにもなるんだろうから、全くの無関心ではないだろうな…年齢は?」
ナミ「38歳です」
日比野「ふーむ…」
日比野が何かを考え込むようにしているのを、あすなはけげんそうに見ている。その視線に気づいたのか、日比野は咳払いをして、
日比野「ともかく、いつもの通りに頼む」
そう言うと、日比野は部屋を出て行った。

出鼻を挫かれるあすな…さあ、どうする?

ナミ「さて…どうやって解決策を考えようかしら?」
ナミはいつもの優しい表情で、あすなに問いかける。
あすな「…今のところ、何も思いついてないので…やっぱり、いつもの通りやるしかないです」
こういうとき、まずあすなは現場に行くことにしていた…というより、それ以外の方法を、まだあすなは知らなかった。
ナミ「うふふ…あなたらしいわね。でも、確かに今すぐ行けば忙しい時間帯じゃないし、顔を出してみたら?」
ナミに促されて、あすなは出かけることにした。

モリモリ青果店は駅から1分の好立地にあるから、客足が途絶えることも少ないのかと思いきや、この時間帯はほとんどお客さんは来ていないようだった。
あすな「ごめんくださーい」
あすなが声をかけると、店の奥で梱包を解いていた男性が振り向く。彼が森社長だ。
森社長「へい、いらっしゃい」
森社長はあすながお客さんだと勘違いしたようで、愛想よく挨拶を返す。

あすな「あ、あの…私、こういうものです」
あすなは、まだまだ慣れない手つきで名刺を手渡した。森社長は名刺を見ると「ああ…」と気まずそうな顔をして、
森社長「あの…今日は、日比野さんは来ないのかい?」と聞く。
あすな「そうなんです。…でも、私がこちらの担当をさせていただくことになったので、どうぞご心配なく…」
あすなの言葉をさえぎるように、森社長は首を振った。
森社長「実はね…おたくに頼むのはやめることにしようと思って」
あすな「えっ!?」

驚いたあすなの表情を見て、
森社長「…すまないねぇ」
森社長は本当にすまなそうな顔をした。
森社長「実は…ここをコンビニにしようという話をもらってね。その話に乗っかることにしたんだわ」
あすな「コ…コンビニ?」
予想外のことに、あすなは目を丸くした。
あすな「は、初耳でした…そんな話があったんですか?」
そう訊くと、森社長は手帳を広げて、
森社長「ええ、つい昨日の話なんですよ…あの人、名前は何ていったっけな」
そう言いながらメモに書きとめた名前を指で探す。
あすなは密かに「名前なんてどうでもいいわよ…」と思っていたが、森社長から告げられたのは、あすなをさらに驚かせた。
森社長「ああ…そうそう、安田さんっていう人だよ」
あすなはすぐにピンと来た。
今朝、日比野と向かい合っていたあの男に違いない。

つづく

【クイズ問題】

あすなにとって3つ目のクライアントは八百屋さんになりました。八百屋さんのビジネスを考える上で、とても重要なキーワードがいくつかありますが、以下の3つの中で、八百屋さんのビジネスとは「関連が少ない」ものはどれでしょう?

  • ア)狭商圏戦略
  • イ)在庫廃棄(ロス)率
  • ウ)ドミナント出店

クイズを解く

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この物語は、筆者の見解をもとに構成されています。
日立システムズの公式見解を示すものではありません。
 

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