
2024年10月末にオンライン開催されて大きな反響をいただいたセミナー、「成功する生成AI導入プロジェクトのポイント」。生成AI導入プロジェクトを成功させるためには、データの品質とノウハウが絶対的に不可欠です。本セミナーでは、生成AI活用サービスによる生成AI導入の成功要素を詳細に紹介するとともに、独自の生成AI環境を構築し、中長期的な取り組みを通じてビジネスの成果を最大化するため、全3部構成、3つの視座からアプローチしました。本稿では、第1部の内容を紹介します。
ウェビナー登壇者:
株式会社 日立システムズ
ビジネスイノベーション統括本部 AI活用ビジネス推進本部
内田 友視
生成AIは世界中で注目されており、日本でも需要が拡大しています。米IT大手は事業強化を進め、日立はマイクロソフトとの共同プロジェクトを立ち上げ、投資を進めています。
生成AIは業務効率化と価値創出に効果があり、大手企業や地方自治体でも確認されています。
生成AIは非常に便利な技術ですが、「実際に試すと、期待通りの効果が出ない」という課題があります。日立システムズでは生成AI導入の進め方としてフェーズを3つに分け、各ステップで効果を検証し、業務適用に向けて確実なステップアップを行うことを推奨しています。フェーズ1は「無償サービスを活用してみよう」で、フェーズ2は「社内情報を活用してみよう」、そして フェーズ3は「業務システムに組み込んでみよう」となります。
多くの企業では、自社で蓄積したノウハウを活用しての業務効率化や価値創出をめざし、フェーズ2のPoC(導入前の検証)を推進中です。そのため今回は、フェーズ2「社内情報を活用してみよう」における「業務適用の方法」を紹介します。
では具体的にどのように業務適用を進めるとよいのか、紹介します。日立システムズでは、社内情報を活用した生成AIの業務適用の方法として「4つの手順」を推奨しています。
まず始めの「業務選定」では、対象となる業務をリストアップしたうえで「想定効果」を算出し、「その効果が測定可能か?」「そもそも実現可能か?」などの観点から業務を選定します。次の「ユースケース具体化」では、対象となった業務に対してユースケース(活用事例)アイデアを創出し、業務適用に必要な具体化を行います。
そして3つ目の「実機検証」では検証環境を準備し、ユースケースの効果を実機検証します。最後に「結果報告」として、検証結果から 費用対効果の算出や、業務適用に向けた課題の対策を検討します。
このように検証を進めることで「段階的な業務適用」を実現し、業務効率化を進めることが可能となります。
日立システムズではお客さまの課題とニーズに合わせて、さまざまな生成AIサービス導入のお手伝いをしています。第1部では、そのなかでもお客さまからの需要が特に高い「業務選定支援」について紹介します。「業務選定支援」は、上記4つの手順の内、前半2つ(業務選定、ユースケース具体化)を支援します。
先ほど業務選定に向けた手順をご説明しましたが、業務選定を進める際、多くのお客さまは「どの業務に使ってよいかわからない」という課題に直面します。
業務選定には、「生成AIの特性」と「業務の特性」という2つの理解が必要ですが、例えば生成AIの導入を検討する情報システム部は、業務の特性に詳しくない場合があります。そして現場起点で生成AIの導入を検討する場合は、業務の特性には詳しくても、生成AIの特性には詳しくないということがあります。その結果として「どの業務に使ってよいかわからない」となってしまっているケースが多く発生しています。
当社が提供している「業務選定支援」は、大きく分けて3つのステップから構成されています。
まず始めのステップ「①生成AI説明会」では、お客さまに生成AIを活用したい業務の一覧化を実施いただくため、当社より生成AIの基礎知識および必要な対応事項の説明をします。
次のステップ「②業務の選定」では、業務可視化シートを用いて、生成AIを活用したい業務の内容等を可視化し、活用時の期待効果が大きい業務を、当社担当者と選定します。その後、ワークショップ形式にて、当社担当者と生成AI活用のユースケース(活用事例)を作成します。
そして最後のステップ「③結果報告」で、取り組みの結果と今後のお客さまの生成AI活用に向けたロードマップ案をまとめ、結果レポートにてお客さまに報告する流れとなります。
これにより、「生成AIの特性」と「業務の特性」の双方を加味した業務選定が行えるサービスとなっております。
第1部の最後として、当社で実施した業務選定支援の事例紹介をします。
こちらの事例は従業員数約500名の製造業のお客さまの事例となります。課題として、「経営層から生成AI活用の指示が出ているが、どの業務へ適用するべきなのか、また具体的な利用イメージもわからず、自社での検討が困難」を持っておりました。そこで、当社の「業務選定支援」をご利用いただく運びとなりました。
まずは最初のステップ「①生成AI説明会」にて生成AIに関する基礎知識と、業務選定支援の進め方や、お客さまご自身に対応いただきたい内容を当社より説明しました。
次のステップである「②業務の選定」にて、業務可視化シートおよび課題から、社内での生成AI活用の拡大が見込めるものを選定しました。本事例では24の候補業務の内容および課題から「導入効果の大きさ」「社内での横展開のしやすさ」という観点にて、採用に関する2業務と、問い合わせに関する1業務の計3業務を選定しました。
また、ユースケースの検討では、生成AIの特徴をもとに、お客さまの現場部門ご担当者と当社担当者で、ユースケースのアイデア出しやブラッシュアップを実施しました。創出したユースケースのアイデアより、実現イメージの検討や推進ハードル、リスクの洗い出しを行い、ユースケースを作成しました。
最後のステップである「③結果報告」では、業務の選定結果に加え、生成AI活用に向けた今後の進め方も含めて報告しました。本事例では、ユースケースおよび生成AI活用のロードマップ、そして生成AIの導入ステップを説明するなど、「次の段階の推進に向けた意思決定」をサポートしました。
導入後、本事例のお客さまからは「生成AIの活用効果が見込める業務を可視化するために、業務の一覧化から行うアプローチに共感した」「現場のメンバーだけでなく経営幹部もワークショップに参加したことで、現場改善の機会にもなった」「結果報告に関しては、数多く出てきたユースケース案や、ロードマップの提案にも満足した」など、高い評価をいただきました。
日立システムズの業務選定支援にご興味がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。