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導入事例スペシャル 広島電鉄様「HyperDia」開発プロジェクト 交通・社会ソリューション「HyperDia クラウド型ダイヤ作成システム」は、

広島電鉄様導入事例動画

当社が開発した「HyperDiaクラウド型ダイヤ作成システム」が今、各地の交通事業者からの引き合いを受け、好調だ。
きっかけは、路面電車(LRT)事業者としては日本一の乗降客数と車両数、路線数を誇る、広島電鉄株式会社様(以下、広島電鉄様)をファーストユーザーに迎え、開発・運用されたこと。その実績に加え、ソリューションの完成度が極めて高いからだ。

今回、関係者3名にインタビューし、誕生にまつわる背景やエピソード、未来像までを語ってもらった。
ここから「HyperDia」が社会にどう関わり、何をもたらすのかひも解いていく。

「HyperDiaクラウド型ダイヤ作成システム」の設計基礎は、日立グループ総合力の粋


社会インフラ事業グループ
社会情報サービス事業部
社会システム第一本部
社会クラウドシステム部
前島拓史

はじめに、開発の背景について前島氏に訊ねた。
前島氏は過去に大手鉄道会社輸送計画システムのリプレースプロジェクトに携わった経歴を持つ若手リーダーだ。

「日本の鉄道は遅延が極めて少なく、世界で最も精度の高い運行となっています。その運行を支えるのが事前の綿密な計画であり、世界でも日本の輸送計画システムは非常に高い評価を受けています。」

「「HyperDia」は世界でも定評のある日本の輸送計画システムの開発経験者を集め、そのノウハウを設計の基礎にして開発しました。クラウドサービスでの提供を実現することで、Webブラウザ上で輸送計画が作成できる、世界でも最先端の交通ソリューションです。」と前島氏は語る。

大手鉄道会社のシステムリプレースで得たノウハウを生かしながら、開発は市場調査から始められた。
そこには、自分たちがどうやって社会を支えられるか、将来のスマートシティの一部としての「HyperDia」の可能性、世界中の交通事業に適し、安全を約束できるシステムであること、そしてグローバルスタンダードでかつ、輸送計画システムのデファクトスタンダードとしての価値を創造すべく開発された。

「こうした思想とバックボーンを誇る商品だからこそ、自信をもってセールスしていくのが私の使命。そういう意味で、広島電鉄様との共同開発・導入は大きな一歩を踏み切ったといえます。
なにしろ路面電車事業者の中で日本一の乗降客数と車両数、路線数を誇る地域交通事業者として、全国の交通事業者に名を知られ、注目されているメジャーな存在だから。」前島氏はこう続けた。


最新車両 グリーンムーバーLEX


原爆ドーム前を走る車両


広島電鉄 横川駅


広島電鉄本社に隣接する千田車庫

最強フロントチーム×最強エンドチームがタッグで挑んだ先端クラウドサービス


社会インフラ事業グループ
社会情報サービス事業部
社会システム第一本部
社会クラウドシステム部
川原光貴

続いて開発フェーズの話題に移り、SEを担当する川原氏も話に加わった。
川原氏は、前島氏と一緒に大手鉄道会社の輸送計画システムにSEとして参画した経歴を持つ。

「「HyperDia」は輸送計画システムをクラウドで提供するという目的があった。過去さまざまな案件で培った高い技術とノウハウが生かせると思ったんです。」
川原氏は本開発に参画した経緯をこう振り返る。

「前島を中心とするフロントチームが広島電鉄様と一体となって仕様を固めてくれたことが良かった。」川原氏が前島氏に話を戻す。

「なにしろファーストユーザーですので、パッケージに対するニーズと広島電鉄様のニーズをバランス良く取り込めるよう仕様を詰めていきました。むしろお客さまと一緒に考えながら作り上げていった、と言ってもいいくらいです。結果、商品に満足いただいていますし、非常に良好な関係が築けました。でも、実は最初からいい関係だったわけではないんです。」
前島氏の口から、気になる発言がこぼれた。

「広島電鉄様とは、取り引きの実績があったわけではなく、別案件で見積もり依頼をいただいていて、それをきっかけに「HyperDia」を持ち込み、営業しました。初提案の際に、私たちに過信があったのです。大手鉄道会社のノウハウをバックボーンに持つ本システムへの過信が…」
「デモンストレーションの最中に、お客さまから「待った」の声があがり、中断することになりました。」
初提案は、プレゼンテーションの途中で一蹴されたとのことだ。

「地域交通事業者の実態について私たちは勉強が足りませんでした。豊富なメニューと便利な機能を紹介すれば気に入ってもらえると思っていました。」

「これまで以上にお客さまの目線に立ち、少しでも現行業務を改善となる提案をするという約束で再提案の機会をいただきました。」
前島氏は打ちひしがれる間もなく、気持ちを入れ替え再提案に臨む。
再提案の骨子はこうだ。「業務コンサルティングという視点で操作性や運用性に踏み込んだ提案をしよう!」

「少人数で回している事業者の、限られた時間の中でできること、手間がかからず、なにより早いこと。そして安全を約束できることを大切に、徹底した見直しを行いました。」
聞くと、提供する機能自体に大差は無く、UIと使い勝手を徹底的に追求したそうだ。


ハイパーダイヤ管理画面


広島電鉄様のダイヤ図

HyperDiaがもたらす社会イノベーション

「お客さまからアドバイスを受けながら、一緒につくることで、シンプルなフローで、とにかく手順が簡単で、素早く操作できるものに仕上がりました。」開発SEの川原氏がフォローする。

提案にかけた期間は3カ月、その間6回ほど現地に出張したという。
要件をまとめ、仕様を固めたフロントチームは契約締結後、開発チームにシステム開発を託す。今度は1年がかりで臨んだ開発フェーズに話題は移る。

「開発する輸送計画システムは鉄道業務のノウハウと広島電鉄様からご教授いただいた公民鉄のニーズを集約し、作り上げたもの。」川原氏が続ける
「開発は、当社のIPパートナーである上海微創のスタッフと進めました。彼らは高い技術力を持ったメンバーで、IT分野のメジャーな世界企業や鉄道事業者の案件実績もあり、体制としても12名を超えるチーム編成。そこに私と上長の西島が約1年間常駐して開発にあたった。」自信のあふれる発言に表されるように、システムのUIは秀逸で先進だ。


オフショア先 上海オフィス外観


オフショア先 開発メンバー


社会インフラ事業グループ
社会情報サービス事業部
社会システム第一本部
社会クラウドシステム部
倉内愛美

若手技術者の倉内氏は2011年に入社してから現部署に配属され、今日まで「HyperDia」の開発に携わるキーメンバーとして活躍している。

「 「HyperDia」 はパッケージ商品としてゼロリードタイムを実現するために、各社の条件や人員数など会社によって異なる固有値を外部パラメータとして管理する必要があり、その設計に注力しました。その結果、お客さま導入時の時間短縮はもちろん、現在ではお試し版として引き合いのあったお客さまに期間限定で実際に「HyperDia」を使用していただくことで商品のアピールをしています。」

「配属からこれまで「HyperDia」プロジェクトに従事していますが、導入したお客さま先で喜びの言葉や感謝の言葉をいただくととても嬉しくこれからも「HyperDia」プロジェクトに誇りをもって作業していきます。」倉内氏が続ける。

点から線へ、そして世界へ。グローバルマーケットに挑む「HyperDia」

広島電鉄様の「HyperDia」への満足は、新規のお客さまを紹介いただくという形で成果を結ぶ。ご紹介いただいた案件以外にもバス会社への採用など、「HyperDia」がフィットする案件の引き合いがあるという。
「バス会社への採用もうれしい事案です。なぜなら鉄道会社同様、当社のソリューションを複合的に活用いただける事業の性質を持っているから。バスの位置情報管理や運転手の勤怠や健康管理、さらにはガソリンなどの燃料コスト管理、また分析を含めたBI提案など、当社の強みであるワンストップサービスを生かしてさらなる業務サポートにつなげていきたい。」川原氏が続ける。

さらに「HyperDia」はグローバルマーケットへもその舞台を広げている。

英国の列車運行管理のシステム入札だ。
「入札は鉄道事業で世界的に有名な会社との3社競合でした。その1社に日立グループとして参加しました。提案は機能面では競合に対して遜色のないものでしたがやはり初の海外進出ということもあり、欧州基準のユーザビリティでは競合より遅れを取っていました。私たちは「HyperDia」をベースにユーザビリティの部分を欧州基準にすることでプロトタイプの受注をとり「HyperDia」海外進出の第一歩を踏むことができました。」前島氏は語る。
惜しくも本採用にはいたらなかったそうだが、この挑戦は「HyperDia」の世界戦略につながるものと期待する。
「欧州の路線は、多国籍の列車が乗り入れるため運行計画の事情がまったく異なります。時差対応やサマータイム対応など日本文化では考えられない仕様があります。」
「HyperDia」では今後こういった海外特有の仕様に対応するバージョンアップを計画しているという。グローバルマーケットでの成功を今後も見守りたい。


ベトナム海外研修時の写真

まとめに、今後の「HyperDia」の展望について全員に訊ねた。
「わたしは2011年の入社面談の時、鉄道の案件に携わりたいという希望を出しました。社会で、すべての人に関わることのひとつが鉄道だったから。そして会社から、ベトナムでの3週間の海外研修を受けさせていただきました。その経験は、本開発でのオフショアとの連係にも実を結んでいます。」と倉内氏は語る。「HyperDia」納品前の2カ月間の研修で日本と上海との窓口を担当した。
「入社してから、ずっと本案件に関っているので、『使ってよかった』というお客さまの満足の声をいただくのが喜びですし、私自身も「HyperDia」と一緒に成長していきたいと思っています。」

さらに川原氏が続ける。
「お客さまの要望に最大限応えるべく、帳票の出力や操作性など徹底的に改善を追及しました。多様な制約条件を満たす高度なシステムを、クラウドで、WebUIで実現する苦労はありましたが、苦労の分だけ思い入れが増し、自分の子供のように思えてきました。今後も時代に合わせてお客さまと一緒に成長させていきたいと思っています」
「また将来的には自治体システムなどとの連動で地域全体のサポートになればと思っています。観光客が増え、地場産業が活性化するなど、その一役を「HyperDia」が担えたらいいと思います。」

最後に前島氏が想いを語る。
「「HyperDia」が交通事業者をサポートすることで交通を便利にし、人の流れを創造していくことを夢みています。未来のスマートシティ、スマートモビリティを下支えする存在として普及させていきたいと考えています。また国内シェアを拡大し基盤を形成、強化するとともに英国案件で培ったノウハウを生かし「HyperDia」のグローバル進出に向かって一歩ずつ進んでいけたらよいと思います。」

今回取材した3名には共通して、「お客さまの喜びが自分自身の喜び」であり「社会のため、人のためのモノづくり」の精神が確かに感じられた。このブレのない軸がチームにあったからこそ「HyperDia」は、その完成度を磨き上げ、高い評価を得たといえる。
今後の活躍に期待したい。

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