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日立グループ協働プロジェクト「アクセス情報総合ナビゲーション(デジタルサイネージ)」成田国際空港に、最先端の新たな価値を。

年間旅客数4,400万人以上。訪日外国人が年々増加する日本の、まさにメインエントランスである成田国際空港さまは、アジアのリーディング・エアポートとなるため、最先端ICTを活用したさらなるサービス向上をめざしている。
そんな成田国際空港さまから日立グループが求められたのは、鉄道3路線、バス約60路線、高速道路が交差する充実した交通アクセスの情報を分かりやすく提供できるナビゲーションシステムの構築。すべての情報を統合して、一元的に表示するデジタルサイネージを空港の到着ロビーに設置し、スマートなアクセス案内を実現するという国内の空港で初のシステムをつくりあげる日立製作所と日立システムズの協働事業は、空港に新たな価値を提案する一大プロジェクトとなった。

プロジェクト サマリー
現場で見つけた課題
  • インバウンドで盛り上がる日本を代表する空港だが…
  • 空港内外でのアクセス案内に改善の余地あり
  • 海外からのお客さまや障害を持つお客さまなど、多くの方にとって快適な空港へ
社会に届けたもの
  • 多くのお客さまに対応したアクセス案内の実現
  • 利用者の増加に伴い、問い合わせが増える空港案内スタッフの負担軽減を推進
  • 日本の出入り口である空港の体験を良くすることで、インバウンド業界を支援
肖 駿 株式会社日立製作所 社会システム営業本部 営業第一部

「本当に役立つもの」は、現場で生まれる。

成田国際空港さまから依頼されたナビゲーションシステムは、これまで国内の空港にはなかったものでした。ですから、システムを構築し、サイネージを設置するというだけでなく、まず「空港利用者に本当に役立つシステム」が何かを見極めることが必要だと考えました。そして、それこそがプロジェクトの核心でした。

まずは課題を明確にすることが、プロジェクトを成功へ導くカギ。何度も現場に通うことからすべてが始まった。

成田国際空港さまが希望された納期は、空港が賑わう夏の繁忙期直前。プロジェクトがスタートしたのは、納期まであと半年というタイミングで、あまり余裕がありませんでした。しかも、取り組むのは国内の空港では前例のないシステムです。私たちは『課題を明確にすること』を第一のテーマとし、徹底的に現場の声に耳を傾けることからスタートしました。営業のみならずSEも一緒になって、空港利用者、主に海外からのお客さまが、空港から出て目的地へ向かう際に、どんな情報を求めているのか、何に困っているのかをアンケートやヒアリング、幾度もの現場観察を行うことによって把握。蓄積された生きた現場のニーズから、駅やホテルの検索が容易にできるシステム構築、さらにユーザーにとって使いやすくなるようスマホへの情報転送、検索情報を印刷し持ち歩けるようにプリンターなどが採用され、それが今、利用者に喜んでいただけるポイントになっています。


「さらに良く」の想いで重ねた打ち合わせや改良は数え切れない。サービスの質を追求したからこそ、満足いく仕上がりにつながった。

現場からのニーズの把握にもとづいて、実際に課題を解決していく段階では、空港利用者特有のニーズを反映した経路検索機能を組み込むなど、日立製作所と日立システムズの協働というグループ力がよく発揮されたと感じています。交通情報を表示するディスプレイなどの画面デザイン検討では、モックアップを作成し使い勝手を追求するなど、かなりの議論が費やされましたが、お客さまやデザイナー、開発者、研究者などのスムーズな連携が、解決への近道になったと感じています。空港利用者に感動と喜びを感じていただけるサービス提供をめざす成田国際空港さまとも良い関係を築くことができ、高い評価をいただくことができましたし、デジタルサイネージの新たな可能性をひとつ提示するプロジェクトになったと思っています。


渡邉 健志 公共・社会事業グループ  公共・社会営業統括本部 主任 コンサルティング営業

より良いシステムへ。変革は、まだまだ終わらない。

多くの人がそれぞれの技術や技能など、持てる力を結集したプロジェクトでした。より良いアクセスナビゲーションシステムをつくり、利用者に快適を提供したいというお客さまの一助となれたことを誇りに思います。今後も利用者ニーズのフィードバックを受けて、さらに良いシステムへと改良し続けていきます。

日立グループをはじめ、数多くの関係各社が集結。そのリソースが統合され大きな力を生み出したプロジェクトだった。

これまでも、鉄道会社ごと、バス会社ごとの情報提供システムというのは存在していたのですが、それらが一括になったもの、またタッチして検索できるようなものはなかったわけです。私たちの製品である「HyperDia経路検索システム」の実績が、今回のプロジェクトのベースになってはいるのですが、やはり情報の一元化という命題があるので、成田国際空港さまをはじめ、鉄道・バス会社、デザイナーや翻訳家、コンテンツプロバイダーなど、関係者が本当に多く、その調整には苦心しました。ただ、システムの構築のみならず、ハードウェアの施工までを日立システムズで担当するなど、当社の様々なリソースを取り入れながらプロジェクトを完遂することができたのは、多くの機能を社内に持つ日立システムズだからこそできる動きだったと思います。こうした多機能性もまた、日立システムズの市場価値であり、お客さまへご提供できるソリューションの幅広さそのものでもあります。実際に使用した方の「便利」「使いやすい」などの感想も聞きひと安心しました。自分たちの手によって、その実現可能範囲を証明できたこと、そしてお客さまの喜びにつなげることができたことは、これからの自信にもなりました。


お客さま一人ひとりの多様化するニーズに合わせた新しいご案内の形の実現へ。さらに多くのお客さまが利用しやすい空港をめざす。

交通アクセス案内デジタルサイネージに加えて、フライトや空港内の施設情報を提供する次世代双方向型デジタルサイネージ「infotouch」を国内の空港で初めて導入。導入の背景は、成田国際空港さまからのご依頼を機に現地調査を行ったところ、空港内で迷う海外のお客さまが多数いることが判明したことです。さらに、既に導入済みの交通アクセスデジタルサイネージのアンケートから、車いすをご利用のお客さまにとっては使いづらいことや、日・英・中・韓の基本4言語以外にもニーズがある言語も分かりました。導入に際しては他社とのコンペが行われ、「人とデジタルの融合」をコンセプトとして、身体が不自由な方でも使いやすいデザインや、さらに多くの国々からのお客さまに対応できるよう9言語(交通アクセスデジタルサイネージは4言語)もの多言語対応を実現する提案が採用されました。導入の結果、海外からのお客さまが迷わずに目的地にたどり着けるなど空港のあらゆる場所でわかりやすいご案内を提供できています。その上、インバウンドの影響で利用者が増えている中、成田国際空港さまの案内スタッフの負担軽減にも寄与しています。成田国際空港さまへの導入をきっかけとして、他の空港さまへの導入も検討中です。


日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。