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株式会社 日立システムズ

久万造林と日立システムズが持続可能な森林づくりに向けJ-クレジット創出のための協創を開始

愛媛県で初となる私有林を対象としたプロジェクト登録が承認 本年度内にクレジットを創出・販売予定

2024年8月2日
久万造林株式会社
株式会社日立システムズ

協創プロジェクトの実施地(久万高原町)
協創プロジェクトの実施地(久万高原町)

久万造林株式会社(代表取締役:井部 健太郎、本社:愛媛県上浮穴郡/以下、久万造林)と株式会社日立システムズ(代表取締役 取締役社長:柴原 節男、本社:東京都品川区/以下、日立システムズ)は、持続可能な森林づくりに向けた、J-クレジット創出のための協創プロジェクトを開始しました。本プロジェクトは2024年6月6日付「第60回J-クレジット制度認証委員会」にて、クレジットの創出・販売の重要なステップの一つであるプロジェクト登録の承認を受けました。これは愛媛県で初めての、私有林を対象とした森林経営活動方法論*1でのプロジェクト登録となります。今後は愛媛県の航空レーザ解析成果*2などを活用したデータの分析や、モニタリング報告書の作成を行い、本年度中にJ-クレジットの創出・販売を開始する予定です。

*1
森林経営活動方法論 : 森林法第11条の規定に基づく森林経営計画を作成し、一定のまとまりを有する区域を対象として、中長期的な視点で森林経営(森林の施業及び保護)を計画的に実施することにより、森林が貯えている炭素蓄積の増加分を吸収量として算定するもの。(林野庁発行、「森林由来J-クレジット創出者向けハンドブック」より)
*2
愛媛県の航空レーザ解析成果 : 愛媛県が県内の森林の航空レーザ計測データを森林情報の高度化のために解析したもの。航空レーザ計測とは、航空機に搭載した航空レーザスキャナから地上に向けてレーザパルスを発射し、反射して戻ってきたレーザパルスを解析することで三次元データを取得する計測技術。

協創プロジェクトの概要

久万造林が愛媛県内に所有・管理する200ha以上の私有林を対象に、久万造林の森林経営計画から概算クレジット創出量の算出およびプロジェクト計画書の作成を実施し、J-クレジットのプロジェクト登録申請を行いました。プロジェクト登録にはモニタリングに関しての計画立案の他、根拠資料の整理や作成が必要ですが、150年以上にわたって木を育てている久万造林を、データ分析・活用に強みを持つ日立システムズがサポートすることで、スピーディーに登録を行うことができました。
今後、愛媛県の航空レーザ解析成果などのデータを活用したモニタリングによるクレジット創出を実施します。日立システムズはクレジット販売の手続きも含めて久万造林をサポートし、久万造林はその収益を継続的な森林保全に活用。森林によるCO2吸収を促すことで、カーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

J-クレジット創出のための協創プロジェクトの流れ
J-クレジット創出のための協創プロジェクトの流れ

背景

世界中で異常気象が発生し、大規模な自然災害が増加するなど、気候変動問題はますます深刻さを増しています。日本においても、2050年カーボンニュートラルの実現といった公約を掲げており、その実現のためには、温室効果ガスの排出・削減量を企業間で売買可能にする仕組み「カーボンクレジット*3」の活用が不可欠です。日本では、適切な森林管理によるCO2の吸収量などを「カーボンクレジット」として国が認証するJ-クレジット制度を運用しており、クレジット認証量は年々増加しています。
自治体や林業経営体などの森林の所有者や管理者がJ-クレジット制度を活用した継続的な森林保全を図るためには、プロジェクト登録、モニタリング報告を経てクレジットを創出し、その後クレジットを販売するというステップを踏む必要があります。こうした中で、日立システムズのようなパートナーがデータや先端技術の活用を通じた適切な支援を行うことで、久万造林のような森林の所有者や管理者の課題となる「クレジットの創出や販売に関する知識不足や手続きにかかる時間への不安」を解消することが可能です。

*3
カーボンクレジット:企業等が省エネルギー機器導入や森林の保護・植林などを行うことで生まれたCO2などの温室効果ガスの削減効果(削減量、吸収量)をクレジット(排出権)として発行し、他の企業などとの間で取り引きできるようにする仕組み。

今後の取り組み

本プロジェクトは200ha以上の森林を対象に適切な管理を行うことで、2023年4月から8年間で6,000t以上のクレジット創出を見込んでおり、本年度中での2023年度の実績によるクレジットの創出および販売(700t以上)を予定しています。
日立システムズは本プロジェクトで得たノウハウを活用し、J-クレジットの創出を支援する新サービスを本年度中に提供開始する予定です。自治体や林業経営体などの森林の所有・管理者が航空レーザ解析成果などをお持ちでない場合でも効率的にクレジットを創出できるよう、LiDAR*4搭載ドローンによる森林調査にも対応することで、プロジェクト登録からJ-クレジットの創出・販売までを一貫してサポートし、全国約300拠点のネットワークを活用した日本全国へのサービス展開をめざします。カーボンクレジット創出による持続可能な森林経営の実現を支援することにより、国土の約7割を森林が占める日本の林業の活性化、ひいては地域活性化への貢献に取り組んでいきます。
久万造林は「100年、200年と続く森林づくり」を使命として掲げ、これまでの林業の主力となっていた建築用材の供給だけではない森林の活用方法を考え、実行してきました。J-クレジット制度の活用を森林の可能性を引き出す大切な手段の1つとして捉えており、本プロジェクトを通じて森林の価値を高め、山も人もより豊かになるような地域の森林づくりに貢献していきます。今後は樹種の多様性、関わる人の多様性をテーマにした「新しい林業のカタチ」を築くため、土地にあった多種多様な樹木の育成や、様々な分野の方々と協力した新たな取り組みにも挑戦していきます。

*4
LiDAR:レーザー光を照射し、その反射光が戻ってくる時間の情報をもとに、対象物までの距離や形などを計測する技術。

日立システムズのカーボンニュートラルについて

関連するニュースリリース

久万造林について

愛媛県久万高原町で明治時代に初めて林業をはじめ、以降150年以上に渡り木を育てている会社です。「木と人のシアワセを考える」をコンセプトに、2014年から「黄金の森プロジェクト」を立ち上げ、多様性のある森林づくりをめざしています。また、「森を育てて未来につなぐ」という想いから、「MOTOMOTO KUMA」というブランドを立ち上げ、カードケースやファイル、マネークリップなど新たな木材プロダクトの作成にも取り組んでいます。

日立システムズについて

日立システムズは、強みであるさまざまな業種の課題解決で培ってきたお客さまの業務知識やノウハウを持つ人財が、日立グループ各社やビジネスパートナーと連携し、One HitachiでLumada事業を中心に展開することにより、お客さまのデジタル変革を徹底的にサポート。日立グループのサステナビリティ戦略の下、環境・社会・企業統治を考慮した経営を推進することで、国連が定める持続可能な開発目標SDGsの課題解決に向けた価値を創出し、企業理念に掲げる「真に豊かな社会の実現に貢献」してまいります。

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