2022年9月に新たなブランドスローガンを掲げ、コーポレートブランドを刷新した東急リバブル様。総合不動産流通企業としてさらなるお客さまへの価値提供と事業の発展をめざしています。
不動産売買仲介において、業界トップクラスの実績を持つ総合不動産会社、東急リバブル株式会社様は、9年間使用していた旧ワークフローシステムを「AgileWorks(アジャイルワークス)」に刷新しました。これにより、申請時の入力不備・添付漏れ削減によるガバナンスの強化や、電子契約サービスとの連携による契約業務の効率化、さらに、システム運用の内製化によるコスト削減と自社主導のDX推進体制の確立など、多くの経営メリットを実現しました。
日立システムズは、社内6事業部へのヒアリングに基づく申請・承認プロセスの見直し提言や、社内向けトレーニングの実施などを通じて、約3,900名の従業員が利用する新たなワークフローシステムへの移行を全面的にサポートしました。
※AgileWorksは株式会社エイトレッドの登録商標または商標です。
東急リバブル様は、9年前に導入したワークフローシステムの運用に課題を抱えていました。中でも特に大きな課題は以下の2つでした。
1つめは、ガバナンスの強化です。旧システムは申請時に必要事項の入力漏れやファイルの添付漏れが発生することがあり、承認時に重要な情報が見落とされるリスクがありました。
2つめは、外部システムやサービスとの連携です。東急リバブル様は電子契約サービス「GMOサイン」を利用していましたが、ワークフローシステムと連携していないため、ユーザーは2つのシステム・サービスそれぞれで処理を行う必要があり、業務効率が低下していました。
東急リバブル様は、これらの課題解決に向けて、旧システムのサポート期間終了を契機にシステム刷新を決断しました。
複数のシステムを比較検討し、東急リバブル様はAgileWorksの導入を決定しました。 AgileWorksは、申請ミスを防ぐ入力制御機能や全文検索機能など、基本機能の充実に加えて、自由度の高い画面設計が行える点が特長です。この特長を生かし、旧システムの申請画面を新システムでも再現することで、ユーザー負担を最小限に抑えた、円滑なシステム移行が期待できました。さらに、比較検討したシステムの中でGMOサインとの連携が可能だったのはAgileWorksのみであり、外部サービスとの高い連携性も導入の決め手となりました。
開発パートナーに日立システムズが選ばれた理由は、充実した支援内容にありました。AgileWorksはノーコード運用が可能であり、運用方法を習得すれば、外部ベンダーに頼らず組織改編や業務変更に対応することができます。日立システムズは、AgileWorksの自社運用に向けた手厚いトレーニングを提案し、これがコスト削減やDXの推進を重視する経営陣から高く評価されました。
導入作業は要件整理から始まりました。
社内の6事業部に対する、AgileWorksの機能説明と、旧システムの課題ヒアリングの作業を日立システムズが代行したことで、ユーザーの率直な意見が引き出され、新システムの要件を的確にまとめることができました。
約1年3カ月の工期を経てAgileWorksへの移行作業は完了し、現在、全国225の拠点で約3,900名の従業員がAgileWorksで申請・承認業務を行なっています。入力制御機能によりファイルの添付漏れなどの申請ミスが減少するなど、リリース直後から導入効果が表れています。
申請帳票の追加や承認経路のメンテナンスなど、システムの運用は子会社の従業員3名が担当しています。外注コストの抑制だけでなく、社内環境ならではのスピーディーなコミュニケーションにより、開発期間の短縮が実現しています。ベンダーに依存しない、自社主導のDX推進体制が整備されました。
東急リバブル様は今後、GMOサインとの連携機能を社内に広め、対外契約の多くを電子契約に移行することをめざしています。AgileWorksによる自社主導、ユーザー主導のDXをさらに推進し、ガバナンス強化と業務効率化を同時に実現していく考えです。
東急リバブル様は、9年前に導入したワークフローシステムの刷新にあたり、2つのプロジェクトテーマを定めました。
①システム刷新にともなうユーザー負担を最小限に抑える ②DXの推進を支える業務基盤を構築する日立システムズは下記サポートを提供することで、テーマの実現に大きく貢献しました。
社内6事業部への事前説明・ヒアリングを代行し、申請・承認プロセスの見直しを提言
日立システムズは、東急リバブル様の6事業部に新システムの機能説明と、現状課題のヒアリングを行い、申請・承認プロセスの見直し案を取りまとめました。3カ月にわたる要件整理のステップを経ることで、新システムに対するユーザーの満足度が大きく向上しました。
ワークフローシステムと電子契約サービスの連携により、契約業務のDXを推進
AgileWorksと電子契約サービスGMOサインの連携機能を開発し、社内手続きから電子契約の締結まで、すべての業務をデジタル化する仕組みを構築しました。契約業務のDXにより、ガバナンスの強化と担当者の業務効率化を同時に実現しました。
ノーコードに対応したAgileWorksでシステム運用の内製化をめざす
東急リバブル様は、AgileWorksの運用を自社で行なっています。日立システムズは、システムのトレーニングを手厚く提供することで、東急リバブル様が自社主導のDXを実現できるようサポートしました。
旧システムの画面デザインを再現しユーザーに優しいシステム移行を実現
AgileWorksの自由度の高い画面設計を生かし、申請・起案画面は旧システムの画面デザインを再現して開発しました。
これにより、旧システムからのスムーズな移行が実現しています。
日立システムズが窓口となり、各事業部向けに丁寧な説明とヒアリングをしてくれたおかげで、ユーザーの不安や不満が解消され、システム刷新をスムーズに進めることができました。
私たち総務・コンプライアンス部にとって、申請・承認業務におけるガバナンス強化は大きな課題で、解決のためにはシステムの改修が必要でした。例えば、旧システムには入力・添付漏れなどの申請ミスを防ぐ仕組みが不十分なことに加えて、申請間の紐づけができないという問題がありました。不動産開発プロジェクトでは、1つの開発承認に対して10件以上の関連申請が発生します。しかし、旧システムはこれらの申請・承認を紐づけることができず、担当者は各関連申請をシステムで検索しなければなりませんでした。ワークフローシステムのリプレイスによりこれらの課題を解決し、ガバナンスの強化を図りたいと考えました。
リプレイスについて経営陣に相談したところ、候補に挙がっていたどのシステムも導入・運用コストが高いと指摘を受けました。対応策を検討する中で、ノーコード運用が可能なシステムを選定し、自社スタッフによる開発・運用を行うことでコスト削減を図るというアイデアに至りました。
ノーコード運用が可能なシステムはAgileWorksの他にもありましたが、開発支援やトレーニングなど、ベンダーのサポート体制は非常に手薄でした。一方、日立システムズは、自社運用を見据えてAgileWorksの充実したトレーニングの提供を約束してくれました。さらに、導入作業における申請画面の開発を私たちが実施することで、その分の開発費用を差し引く対応もしてくれました。こうしたサポートとコスト削減の提案が、AgileWorks×日立システムズの組み合わせを選択する決め手になりました。
AgileWorksの導入をきっかけに、申請・承認業務の見直しを進めたいと考えていました。見直しに向けた意見交換を各事業部と行うにあたり、私たちよりも第三者である日立システムズが窓口になった方が、率直な意見を集約しやすいと判断し、この役割を依頼しました。結果的に、日立システムズの的確な説明とヒアリングのおかげで、要件の取りまとめがスムーズに進みました。3カ月間にわたり、6つの事業部と丁寧に対話を進めてくれたおかげで、新システムに対する現場の不安や不満が解消されたことは大きな成果だと思います。総務・コンプライアンス部と現場の橋渡し役としてサポートいただいたことに大変感謝しています。
自社運用に向けたトレーニングも非常に手厚く実施していただきました。最初に3日間の集中トレーニングを行い、スタッフが申請画面を自分で作成できる基礎を整えていただいた後は、技術的な質問に答える会を定期的に、多いときには毎週のように開催していただきました。現在、東急リバブルの子会社スタッフ3名でAgileWorksの運用を行なっていますが、これも丁寧なサポートを提供していただいたおかげだと考えています。
AgileWorksとGMOサインの連携機能を活用し、契約業務の効率化をさらに進めていきたいです。電子契約における連携機能の利用率を引き上げるために、社内への告知を積極的に行なっていく考えです。この他にも、AgileWorksによるさまざまな業務改善の実現にむけて、日立システムズには変わらぬサポートをお願いしたいと思います。
ご協力ありがとうございました。
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日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。