IoTでさらに進化する“環境経営”
IoTを活用しノジマ77店舗の空調を自動制御、使用電力の43%削減に成功
首都圏を中心に全国164店舗※を展開する、家電量販店の株式会社ノジマ様(以下、ノジマ様)は、各店舗の空調温度管理を本社にて集中管理するため、日立システムズが提供したエネルギーマネジメントサービス(以下、本サービス)を導入しています。
クラウド上に設置されたエネルギー管理システムが、インターネットを介して各店舗の空調設備の電源ON/OFFや設定温度をコントロール。同時に、店舗内の各所に設置された温度センサーが室温を計測し、店内が常に快適な状態に保たれるよう、空調の設定温度を自動制御しています。ノジマ様はIoTを積極活用することで、地球環境に配慮した経営=環境経営を全社一丸となって推進しています。
※2018年7月時点
ノジマ様は2011年の東日本大震災を契機に本サービスの利用を開始しました。3店舗へのトライアル導入を経て、導入店舗を順次拡大。
2018年7月現在、全国77店舗に本サービスを導入し、空調運用の集中管理を行っています。
ロボット、AI、IoTなど先端技術を取り入れたデジタル家電を多く取り扱うノジマ様(NEW港南台店)
店内に2~8台設置された温度センサーが室温を計測し、定められた設定温度を維持するよう空調を自動制御しています。電力センサーも設置されているため、本社の取りまとめ部門は遠隔から各店舗の電力利用状況をモニタリングすることができます。
店内に2~8台設置された温度センサーが室温を計測し、IoT端末にデータを送信します
本サービスを利用するノジマ様路面店13店舗を対象にした調査では、利用開始年の2011年と比較して、2017年には使用電力が43%削減されました。本サービスの省エネ効果はノジマ様の経営層にも高く評価されています。
今後は専用端末を利用して、空調の稼働状況やエネルギー使用状況をモニタリングする予定です
店舗への機器設置からメンテナンスはすべて日立システムズが代行。運用データの監視により、サービスの稼働不具合にも迅速に対応しています。店舗スタッフさまのお手を煩わせることなく、安定したサービスの提供を実現しています。
日立システムズは、より効率的な電力使用に向けたコンサルティングも行っています。サービス運用データの分析に基づき、店舗ごとの問題点や具体的な改善方法を提案。ノジマ様のエネルギーマネジメントを後方から支援しています。
本サービスは、ノジマ様の環境経営を推進するのと同時に、ノジマ店舗に来店されるお客さまに快適な店舗環境を提供することに貢献しています。IoTを活用した新しいエネルギーマネジメントが、ノジマ様の持続可能な発展を支援しています。
本サービスの導入店舗では、閉店時間から翌日の開店1時間前まで、空調の切り忘れや、営業時間外の無駄な冷暖房を防ぐため、電源が自動的にOFFに制御されます。空調の電源をONにすると、店内の温度センサーが室温を計測し、店舗ごとに定められた室温が維持されるよう、空調の温度設定を自動制御します。
人間の主観に基づく空調運用が行われないため、店内の冷え過ぎ、暖め過ぎが発生せず、来店されるお客さまにとって常に快適な店舗環境が保たれます。
本サービス導入店舗では、店舗スタッフさまによる手動での空調温度操作が行えません。本社取りまとめ部門が店舗空調を集中管理することで、省エネに向けた取り組みを統一して行うことができます。
1坪当たりの電気使用量・電気代を目標値として、各店舗の空調運用をさらに効率化するための提案を行っています。電力・エネルギーに関する最新情報の提供なども定期的に行われています。
日立システムズのフィールドエンジニアが、全国約300か所にあるサービス拠点からIoT機器の設置や保守サービスを提供しています。
ノジマ様は店舗での接客業務に集中することができます。
日立システムズが提供したエネルギーマネジメントサービスは、オフィス・工場・大型店舗・病院・スーパーなどのさまざまなシーンにおける省エネ、業務効率向上、およびBCPを実現するサービスです。IoTやM2Mなど先端技術を活用することで、多拠点のエネルギーデータや設備などを統合的に管理します。電力料金を年間800万円程度使用している企業であれば、経営効率の向上が見込めます。
店舗側で特別な意識や努力をしなくても省エネの取り組みが徹底できる。
環境経営の実現に向けて、IoTは欠かすことができない先端技術の1つです
─ ノジマ様の省エネに向けた取り組みを教えてください。
ノジマは大規模に店舗展開する企業としての責任を果たすため、自然環境の保護や地球温暖化対策に特に力を入れています。
東日本大震災直後には、節電に貢献するため全店舗の照明を速やかにLEDに切り替え、また、お客さま向けにはLED電球・蛍光灯を通常よりもお求
めやすい価格で販売するなどの取り組みを行いました。2014年には神奈川県相模原市と協働で大規模太陽光発電所「ノジマ メガソーラーパーク」
の運転を開始しました。売電収入の5%相当額を市に納付させていただいており、地球温暖化対策の財源としてご活用いただくことになっておりま
す。
日立システムズのエネルギーマネジメントサービスもこれら活動の一環として導入しました。各店舗の使用電力を抑えるため、2011年から単独路面店、次いでテナント店へ順次導入を行い、現在77店舗の店内空調をIoTの活用により本社で一括管理を行っています。
─ 本サービス導入以前の課題を教えてください。
店内空調の運用については、定められた設定温度を守ること、閉店後は早めに電源をOFFにすることなど指導を徹底してきました。しかし、裁量が店舗側にあり本部でのマネジメントには限界がありますし、仮に使用電力を減らせたとしても、どこまでが店舗側の努力の成果であるかが見えづらかったのです。こうした課題を解決するため、本サービスの導入を決定しました。
─ 本サービスの導入効果を教えてください。
導入店舗の使用電力を約43%削減できたことが一番の効果です。本サービスによって省エネの取り組みを各店舗で統一できること、しかもそれがIoTの活用によって、店舗側で特別な意識や努力をしなくても自然に継続できる点が素晴らしいと思います。
室温がIoT機器によって自動制御されるため、来店されるお客さまにとって、常に快適な環境が保たれる点もよいところだと思います。人間が温度調節を行う場合、どうしてもその人の主観が設定温度に反映されてしまうので、そうした影響を排除できるようになりました。
使用電力がここまで削減できたことで、同じようにスリム化できるものが社内にはまだまだあるのではないか?という意識が醸成されたことも副次的
な効果と言えます。経営層も本サービスの効果については十分に評価しており、今後も日立システムズには継続してサポートをお願いしたいと考え
ています。
─ 日立システムズのサポート体制はいかがでしょうか。
必要なIoT機器を設置するだけでなく、その後、使用電力がどう変化したかの報告や、使用電力をさらに削減するための具体的な提言を定期的にいただける点がよいと思います。さらに、当社の空調に関することだけでなく、エネルギーマネジメント全般に関するトレンドや有益な情報をご提供いただける点もありがたいです。
ノジマとしては、省エネの取り組みはまだまだ道半ばだと認識しています。使用電力データに基づく各店舗への指導や、小規模店舗への本サービス導
入など、今後も全社一丸となって省エネの取り組みを行っていきたいと考えています。環境経営の実現に向けて、日立システムズには今後もぜひ、力
を貸していただきたいと思います。
株式会社ノジマ
今回の取材にご協力いただいたお客さま
ご協力ありがとうございました。
*本内容は2018年7月時点の情報です。
本事例に記載の情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。