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「製造業にとってのクラウド利用のメリットを考える」

失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座 「中堅・中小企業のSaaS・クラウド活用を考える」編

2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。

製造業にとってのクラウド利用のメリットを考える

(クラウド3)
「製造業にとってのクラウド利用のメリットを考える」
今回は製造業のクラウド利用の考え方について解説します。前回は流通・卸売業に的を絞って、営業、販売、購買、在庫の業務を想定して解説しましたので、重複を避けるため、今回は工場の生産管理業務を中心に述べることとします。
(2010/11/15)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫

生産計画業務の機能詳細とクラウド化の検討

上記の製品製造計画と資材調達業務に分けて、以下で検討していきます。

(1)製品製造計画のクラウド化について

品製造計画は経営計画の重要な要素で販売計画及び在庫計画と密接に関わり作成されるものです。年間や半年の製品製造計画は経営計画の一環として予算として編成される性格のものですので、ここでは省略します。生産管理業務としての製品製造計画は3ヶ月間、及び月間の計画になります。この計画は販売予測に基づいた製品在庫計画を立案し、在庫量の不足する製品について補充生産を行うための計画です。(完全な受注生産形態の場合はこの計画はありません)この計画立案には、販売予測の値が必要ですが、大手メーカへ部品を供給する企業の場合は発注企業から予測情報が提供されてくることが最近では通例となっています。
この場合には、企業間ネットワークのクラウド環境に参加し情報共有を進めていくことが出来ます。また、最終消費財を製造している場合には、流通・卸売業とのネットワークと連携していくことが重要です。
このようにして入手した情報を、自社として評価し販売量を決定すれば、在庫との見合いで必要な製品生産量を決めていくことは容易です。

必要生産量が決まった時に生産能力として実現可能で工場として効率の良い稼動を図る製品製造計画を作成する必要があります。実践的には製品製造計画案を書く工程の責任者や生産管理部門でレビューして最終計画に纏めます。この検討段階で最適スケジュール案を立案するツールはスケジューラソフトがあります。スケジューラソフトにはSaaS型が出てきていますので利用の可能性を検討すると良いでしょう。

(2)資材調達業務のクラウド化について

製品製造計画が固まったら、製造に必要な部品・材料を必要な日程で確保しなければなりません。この処理は一般にMRP(資材所要量計画)と言って生産計画の核となる処理です。MRPでは製品の生産完了日と数量をインプットとして、生産に必要な部品を構成部品表(BOM)により展開し、作業時間を計算して、部品の必要量と時期を計算します。この部品必要量・時期を在庫の受払予定と突き合わせる事で、不足分の部品の購入/製作予定を作成します。この処理は、一般に1日あるいは数日置きのバッチ処理となり、処理時間もかかる重たい処理です。今後は、自社の制約されたサーバーでの処理から、クラウ上のリソースを活用して高速で処理させることで、計画の変更や、組み直しの運用に柔軟に対応しやすくなる効果が期待できます。アプリケーションの仕様上もほぼ機能的に完成してきておりますので、SaaS化も近いと考えられます。
MRP処理後のデータは、帳票作成ツールなどで適宜取り出して確認し、注文書の発行や作業指示書の発行につなげていけばよいでしょう。

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