

今や人の営みの隅々にまで浸透しつつある、生成AI。それに呼応するようにして、AIの計算処理を支えるデータセンターのニーズも急増しています。ただ、その建設には用地の確保や建屋の建設などが必要で、稼働までに2〜3年かかることが珍しくありません。
この課題に対して日立システムズが注力するのが、貨物サイズのコンテナ内に必要な設備を集約した「コンテナ型データセンター」です。短期間・低コストでの構築が可能で、環境負荷の低減にもつながるこの“進化型情報インフラ”について紹介します。
社会への視点
AI普及などを背景に、需要が高まるデータセンター。新設・増設にあたっての課題は「リードタイム短縮」
近年、生成AIの普及やDXの進展によって需要が急速に拡大しているのが、大量のサーバーを収容し、社会のデジタル活動を支える基盤となる、データセンターです。
ただ、データセンターの新設には、広い用地の確保や建築申請、建屋の建設、電力インフラの整備などが必要になり、なかなか短期間では整えられません。併せて昨今は、建設現場の人手不足や資材不足なども状況を難しくしています。こうした事情から、データセンターの新設には、計画から稼働までに2〜3年かかることが珍しくありません。
データセンターの新設や増設を、事業成長へと迅速につなげるために、稼働までのリードタイムをいかに短縮するか──。この社会的な課題に対するイノベーションの一角として、日立システムズが力を入れているのが、「コンテナ型データセンター」です。
日立システムズのアプローチ
コンパクトな設計だからこその、短工期と低コスト。さらには環境面と運用面でも価値を発揮
コンテナ型データセンターとは、貨物コンテナに似た形状のボックスに、IT機器をはじめ、電源、冷却、セキュリティ、消火などの必要設備をすべて組み込んだ、コンパクトタイプのデータセンターになります。そして、この新しい情報インフラの最大の強みが、短期間でデータセンターを構築できる点です。
従来のデータセンター構築では、設計や建築申請、建築などに一定以上の期間を要し、それが積み重なることで、大きなリードタイムになってしまっています。一方、コンパクトで基本設計が定まっているコンテナ型データセンターなら、設計や工事にともなう期間を大幅に短縮でき、計画から1年以内での稼働も可能になります。
構築コストを従来より抑えられる点や、省スペースで効率的な運用が実現する点も、コンテナ型ならではのメリットです。増設や移設も容易に行えるため、必要に応じて新しいコンテナを追加し、ITリソースを迅速に拡張することもできます。
併せて、以下の観点から、環境負荷の低減が見込める点も、このコンテナ型データセンターの特長です。
・短工期であるため、資材のロスや、工事にともなう職人の移動などによる環境負荷を低減できる。
・冷涼な地域にコンテナを設置し、自然の外気を取り込むことで、IT機器の冷却にかかる電力消費を抑制できる。
・日立グループとの連携による、太陽光発電・蓄電池・ガスコージェネレーションシステムなどのグリーン電源技術と組み合わせ、再生可能エネルギーを活用できる。
さらに、運用面においても特長があります。
日立システムズのコンテナ型データセンターでは、自律走行と遠隔操作が可能な業務DXロボットを標準搭載し、コンテナ内の稼働状況の確認や異常の検知を無人で行える体制も整えています。これにより、無人でのデータセンター運用が可能となり、人手不足の解消にもつなげられます。

将来展望
幅広いニーズと社会課題に対応していくために、ラインアップとサービス体制の拡充へ
日立システムズでは現在、コンテナ型データセンターにおいて、生成AI活用に対応した「高負荷サーバーモデル」、研究機関や病院など専用環境向けの「サーバールームモデル」、キャリア基地局向けの「エッジコンピューティングモデル」という3つの標準モデルを提供しています。
今後は、ラック単位で導入できるより小規模なデータセンターや、中古船を改造した浮体式データセンターなど、より幅広いニーズと社会課題に対応するラインアップの拡充を進めていく計画です。また、ITサービス企業としての技術知見と、長年培ってきた建築関連の設備工事の実績を掛け合わせ、設計・構築から、機器の提供、運用・保守までをワンパッケージで担う体制を強化していきます。
顧客の事業成長と、社会課題の解決の両方を担う、新時代の情報インフラ。日立システムズはこのコンテナ型データセンターを、今後も意欲的に進化させていきます。