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株式会社 日立システムズ

衛星データ活用によるCO2吸収量の可視化と、カーボンクレジット創出量の算出に成功

世界中で異常気象が発生し、大規模な自然災害が増加するなど、ますます深刻さを増す気候変動問題。日本においても、2030年度の温室効果ガス46%削減や2050年カーボンニュートラルの実現といった公約を掲げ、各企業ではさまざまな取り組みが始まっています。そうしたなか、日立システムズは、衛星を活用したGHG(温室効果ガス)排出量の測定技術を持つEverImpact(エバーインパクト)社と連携し、森林のCO2吸収量を可視化するとともに、カーボンクレジット創出量を算出する実証実験を開始しています。

年間2.25万トンのCO2吸収量、最大2.6億円相当のカーボンクレジットの創出可能性を確認

社会への視点

カーボンニュートラル社会の実現に
欠かせないカーボンクレジットの活用促進

2020年10月、日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」をめざすことを宣言し、近年では各企業や個人に温室効果ガスの排出量削減が求められるようになっています。カーボンニュートラルを達成するためには、温室効果ガスの排出・削減量を企業間で売買可能にする「カーボンクレジット」という仕組みの活用が不可欠です。日本でも省エネ・再エネ設備の導入や森林管理などによる温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「カーボンクレジット」として国が認証するJ-クレジット制度を運用し、その数も年々増えています。

J-クレジット制度が認証したCO2量の累積推移

日立システムズ
のアプローチ

CO2吸収量の可視化情報と森林計画を組み合わせ
カーボンクレジット創出量を算出する実証実験に成功

国土の7割を森林が占める日本においては、自然活用によるカーボンクレジット創出の潜在能力があるとされています。しかし、現状は多くの森林が未整備のまま放置されており、活用が進んでいません。そこで、日立システムズは衛星を活用したGHG排出量の測定技術を持つEverImpact社と連携し、宮城県の石巻地区森林組合が管轄している森林を対象に森林のCO2吸収量を可視化し、森林計画と組み合わせることで、カーボンクレジット創出量を算出する実証実験を実施。年間2.25万トンのCO2吸収量、最大2.6億円相当のカーボンクレジットの創出可能性を確認しました。

なお、この実証実験においては、ボランタリークレジット*市場の約70%のシェアを誇るアメリカのNPO(非営利団体)であるVerra(ベラ)社が認定する「ボランタリークレジットVCS(Verified Carbon Standard)」を採用しました。

*1
ボランタリークレジット:NPOや企業、団体など、民間が主導して発行されるカーボンクレジット

将来展望

カーボンクレジット創出から取り引きまでの
トータルな支援サービスの提供に向けて

日立システムズは、今回の実証実験で得られたノウハウや国内では前例の少ない数千haという広大なエリアで行ったボランタリークレジットの創出ナレッジを活用し、衛星データによるCO2吸収量の可視化からクレジット取り引きまでトータルに対応できるサービスを2024年度中に提供開始する予定です。これによってカーボンクレジット創出を計画している自治体や森林組合、企業に対し、全国約300拠点のネットワークを活用し、日本全国への展開をめざします。同時に、森林面積の多い日本における森林に関する課題解決、林業の活性化ひいては地域活性化および脱炭素化を推進し、地域社会への貢献をめざします。また、日本が認証しているカーボンクレジット制度であるJ-クレジット制度でも衛星活用が認められた際は、J-クレジット創出にも取り組んでいく予定です。

日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。