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戦国武将に学ぶBizスタイル

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第26回 「聖俗の武将」~大友宗麟(おおとも そうりん)~

大友宗麟

日本史がもっとも躍動した戦国期。群雄うごめく争乱の時代に、異彩を放ったのが“豊後の王”大友宗麟である。九州六か国(*1)を制覇しながら武将の野望に血をたぎらすことなく、「神の国」の建設を夢見た切支丹(キリシタン)大名だった。

宗麟の戦国舞台への登場は天文19年(1550年)。門出は凄惨(せいさん)だった。家督相続の混乱、いわゆる「大友の二階崩れ」(*2)である。この事件は宗麟の心に深い傷を与え、生涯の分水嶺となった。宗麟の本質は武人ではなく、書画、能楽、茶道など雅(みやび)を好む文人だ。その感受性の故に、父を弑逆(しぎゃく)し義母と子を抹殺したことの罪悪感に懊悩(おうのう)し、魂の救済を求めてキリスト教に帰依(きえ)していった。

事件から一年後の天文20年(1551年)、ポルトガルの宣教師フランシスコ・ザビエルと運命的な出会いをする。22歳の宗麟は「二階崩れ」で負った心の傷、肉親に嫌われた寂しさを癒すように西欧文化に傾倒し、宗門への憧憬(どうけい)をさらに強めていく。

宣教師が伝える西洋医術に感銘し、弘治3年(1557年)府内(大分市)にわが国初の病院を建て(*3)身分や貧富を問わず無料で診療し、育児院、学校も開いた。府内はわが国での西洋音楽と演劇の発祥の地でもある。宗麟の徳政であろう。

反面、宗麟の人格は複雑だ。開明的な一方で、宗門の倫理道徳に背く蛮行を繰り返す。病的な好色癖がそのひとつ。美貌とみれば実の叔父を殺してまで奪い、家臣の妻さえ奪う。宗麟自身、自責の念も自己嫌悪も強かったに違いない。聖人でありたいと渇望しながらも、破廉恥(はれんち)な所業を制御できない自分自身にイラ立ちを募らせたのではないか。人は誰しも「聖と俗」、「正と邪」、「清と濁」の二値を内包するが、この人物はその振幅が異常なほど激しい。古今、鬼才とは狂気と正気が同棲し、時として凡俗(ぼんぞく)の想像を超えた奇行を演ずるものである。

領国経営の意欲も意思も失せたのか、宗麟は信仰のみに生きることを決意する。永禄5年(1562年)家督を義統(よしむね)に譲り、天正6年(1578年)48歳で正式に洗礼を受け「ドン・フランシスコ」を名乗る。そして日向国(宮崎県)務志賀(延岡市無鹿町)の地に、キリスト教の戒律を規範とする理想郷を建設すべく上陸する。が、ここで神社仏閣、堂塔伽藍(どうとうがらん)を破壊し、仏僧を殺戮(さつりく)するという蛮行を犯す。ここに至ってキリシタンと仏教徒が決定的に対立。薩摩島津氏との耳川の合戦にも大敗し、大友家臣団は崩壊。宗麟の夢、「神の国」の理想はあえなく挫折するのである。

その8年後、島津氏、龍造寺氏との“九州三国志”を勝ち抜き、実力、格式ともに九州随一の勢力を誇った大友氏は、わずか豊後一国に封じられ、さらに7年後、義統は改易され鎌倉期以来390年の名家は滅亡した。

ただ、宗麟には全盛期においても九州平定や中央進出という権力欲はなかった。関心は、戦国の弱肉強食の掟と決別し、新しい精神世界を拓くことだった。その思想と行動において、宗麟は戦国群像に比類ない、まさに異能の武将であった。

この家督相続の混乱、いわゆる「大友の二階崩れ」を門出に「神の国」の建設を夢見た「聖俗の武将」から学ぶものは、今のBizスタイルにおいても多いのではないだろうか。

*1
豊後、豊前、筑前、筑後、肥前、肥後
*2
父義鑑(よしあき)は、後妻の子到明(ゆきあき)を溺愛(できあい)し家督を継がせようとしたが、宗麟擁立派に城中の二階で三人とも斬殺された。
*3
大分県庁前に「日本における西洋外科手術発祥の地」の記念碑がある。ほかに、西洋演劇発祥記念像や西洋音楽発祥記念碑も。

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