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戦国武将に学ぶBizスタイル

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第23回 「酷評された武将」 ~今川義元(いまがわ よしもと)~

今川義元

歴史は常に勝者の側から語られ、敗者は冷たい視線にさらされる。今川義元もそのひとり。毛利元就、武田信玄、上杉謙信、北条氏康、織田信長、豊臣秀吉とともに“戦国七雄”に並び称されながら、桶狭間の敗戦以来「無能な武将」の酷評がつきまとう。しかしこの人物、決して暗愚でも軟弱でもない。事跡(じせき)をたどれば、確かに戦国史に躍った東海の雄である。

義元と信長、ふたりの命運を分けた桶狭間の戦いは永禄3年(1560年)。この時の義元の作戦と布陣は理にかなっていた。兵力は今川2万余、織田はたかだか5千。

勝算の見込みのない信長が緊張と呻吟(しんぎん)の末に案出した作戦は、今川兵の疲労を見極め、温存した精鋭で一気に本陣を突くというもの。地の利は桶狭間山。針の穴ほどに危いが、勝機はこの一点のみ。意を決しての乾坤一擲(けんこんいってき)、「事を計るは人に在り、事を成すは天に在り」、織田兵は生死を天意に委ね、義元の首に殺到した。

勝敗には人智の及ばぬ“時の運”というものがある。義元は不意を突かれ、陣は混乱。油断はなかったはず。まして戦勝気分の酒宴や謡(うた)いに酔っていたのでもない。それは義元の凡庸(ぼんよう)を強調したいがための講談話。信長の神速が義元の采配を凌駕した、としか言いようがない。生死の境、その差はまさに紙一重だったのだ。

信長は義元の銘刀に「永禄三年五月十九日義元討捕刻彼所持刀」と刻んで会心の勝利を誇示したが、それは今川氏の命脈に対する表敬、武士としての礼儀でもあろう。義元が愚将ではないことの証しである。

今川氏は、足利氏の傍流(ぼうりゅう)吉良氏の分家に当り「御所(将軍家)が絶えれば吉良が継ぎ、吉良が絶えれば今川が継ぐ」という武家の名門。義元は九代目当主。内政と外征に優れ、領国経営では父氏親が制定した分国法(*1)「今川仮名目録三十三条」に、修正を含めた二十一条を天文22年(1553年)に追加した。主従関係が不安定な戦国期、領主によほど力量がなければ成文化できるものではない。

また、京風公家文化を採り入れた今川文化は、越前の朝倉、周防(すおう)の大内と並び戦国三大文化といわれる。天文23年(1554年)には隣国の武田信玄(甲斐)と北条氏康(相模)との間で、当時として画期的な甲相駿の三国軍事同盟を成立させた。

それら手腕は武将としても文化人大名としても一流で、「国持ち、人つかいの上手。よき手本と申すべく人」(越前の武将朝倉宗滴)であった。“海道一の弓取り”(*2)とも呼ばれた義元の構想は、領国(駿河・遠江(とおとうみ)・三河)の民生を安定させ、三国同盟によって後顧の憂いなく上洛して衰退する足利将軍家を再建することにあった。

桶狭間の挫折がなく、中央の為政に参画していたならば戦国史はその様相を異にしていたであろう。歴史は滔々(とうとう)として、幾千万の生死を平然と呑み込み、時に残酷であり非情でもある。が、義元の42年の生涯と為政は徳川家康が受け継ぎ、今日の静岡(駿河)浜松(遠江)岡崎(三河)に脈々と息づいている。

“戦国七雄”に並び称されながら、桶狭間の敗戦以来「無能な武将」の酷評がつきまとう、この「酷評された武将」今川義元から学ぶものは、今のBizスタイルにおいても多いのではないだろうか。

*1
分国法(ぶんこくほう)とは戦国大名による領国統治策の基本法。軍役、検地徴税、商業振興、訴訟など国統治の最高法規。分国法を制定した戦国大名は今川氏ほか大内、伊達、武田、長宗我部ら八家にすぎない。
*2
東海地方で一番の武将という呼び名。「東海の巨人」ともいう。

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