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戦国武将に学ぶBizスタイル

戦国武将の知恵や創意工夫、意外なエピソードなどをご紹介!

第19回 「宿老となった武将」~本多正信(ほんだ まさのぶ)~

本多正信

古今、歴史の節目には必ずといっていいほど、時代が必要とする人物が、必要とされる時に現れる。そして、その英雄に付き添い、成業を支える傑物(けつぶつ)がいる。徳川家康に随身し、近世封建国家264年間の基を築いた本多正信もその一人である。

正信の人生は家康への反抗と挫折で始まった。永禄6年(1563年)、26歳の血気さかんな正信は、譜代家臣でありながら三河一向一揆に参謀格として加担し、家康(当時松平元康)に敵対した。しかし鎮圧され、妻子を残して出奔(しゅっぽん)。以来7年余り、各地を流浪し、辛酸をなめる。

人は失意のどん底の時に、何を視て、何を学ぶかによって生の価値が決まる。正信は浮浪の日々、地を這う暮らしの中で政治についての思慮を深めたのではないか。大和領主の松永久秀は「徳川の侍は多く武勇の輩であるが、正信は強からず、柔らかならず、また卑(いや)しからず、世の常の人ならず」とその才幹(さいかん)を見抜いている。

家康の元に帰参した正信が行政手腕を発揮するのは天正18年(1590年)、秀吉が小田原合戦で北条氏を討ち、ほぼ百年におよぶ戦国騒乱が終息した年からだ。時代は武断から文治へ。関東六か国を与えられ江戸入りした家康は、人事采配を一変させ、正信を関東総奉行に据えて新領国の経営に着手した。かつて自分に歯向かった男ではあるが、正信の文人(文官)の才を評価し、抜擢したのだ。

正信は、領民の統治と治安維持、江戸城への物資搬入する道三掘の開削、江戸市街の建設と監督指揮、江戸城改築の総指揮さらに行政組織の達成に全精力を注ぐ。大変な労力だ。その功もあって慶長4年(1599年)に宿老(*1)に就いた。

家康の信頼は篤く、正信との関係は「朋友(友人)の如くにて」であり「その謀るところ言葉多からず、一言二言にて尽せるよし」(新井白石「藩翰譜」)と、まさに肝胆相照(かんたんあいて)らすものだった。正信や板倉勝重ら文治派の台頭は、徳川四天王(酒井忠次、本多忠勝、井伊直政、榊原康政)ら武断派の反感と嫉妬を買うが、家康の人事政策は変らなかった。時代は明らかに武から文に転換していたのだ。

正信は徳川将軍家随一の地位を得ながら、終生、相模国甘縄藩(あまなわはん)のわずか2万2千石の禄に満足し、一切の加増を辞退した。物欲や権力欲に関心を寄せず、ひたすら家康の構想実現に挺身(ていしん)する姿勢は、武断派の不平不満をも消滅させた。

晩年は二代将軍秀忠の後見役となり、息子正純とともに幕府組織と近世的職制の整備、さらに武家諸法度(*2)と公家諸法度(*3)の制定発布に尽くし、15代264年におよぶ徳川武家政権の礎石を固めた。

「両御所(家康と秀忠)に奉仕して、乱には軍謀にあずかり、治には国政を司り、君臣の間、相遭(あいあう)こと水魚のごとし」(*4)。元和2年(1616年)6月7日、正信は家康死去の50日後、あたかも49日の忌明け(きあけ)を待っていたかのように、79年の生涯を閉じた。家康と正信、相遭こと、まさに水と魚のごとしであった。

家康への反抗と挫折、徳川四天王からの反感を受けながら、幕府の最高職「宿老となった武将」、本多正信から学ぶものは、今のBizスタイルにおいても多いのではないだろうか。

*1
後に江戸幕府の最高職として制度化された老中職。
*2
武家諸法度(ぶけしょはっと)大名統制のための13カ条の法令。武家の心得、参勤交代、城の修築の制限など規定した。
*3
公家諸法度(くげしょはっと)公家の行動を規制した法令。武家諸法度とともに幕府による身分統制の基本法。
*4
寛政重修諸家譜(かんせいちゅうしゅうしょけふ)国主や領主の事跡を記した系譜集。江戸幕府が編修した。

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