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株式会社 日立システムズ

浄水場における設備機器の稼働監視や保全業務を効率化する無線型センサーを用いた遠隔監視システムを開発し、実証実験を実施

無線型センサーとIoTを活用し、電動機や減速機など回転機器の稼働監視や点検作業を効率化

このニュースリリースに記載されている情報(価格、仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URLなど)は、発表時点のものです。最新の情報につきましては、こちらのお問い合わせ先にご確認ください。

2017年11月28日
株式会社日立システムズ
株式会社日立プラントサービス

回転機器を有する攪拌機の写真
回転機器を有する攪拌機

無線型センサーの写真(赤い丸印部分:上下2箇所がセンサー部分)
無線型センサー(丸印部分)

株式会社日立システムズ(代表取締役 取締役社長:北野 昌宏、本社:東京都品川区/以下、日立システムズ)と株式会社日立プラントサービス(取締役社長:中津 英司、本社:東京都豊島区/以下、日立プラントサービス)は、浄水場で利用する電動機や減速機など回転機器の稼働監視や保全業務を効率化する遠隔監視システムを開発しました。本遠隔監視システムは、日立グループが培ったネットワークやクラウド、IoTに関する技術・サービスや設備保全業務に関する技術・ノウハウと、汎用的で安価な無線型センサーを活用して開発したもので、日立プラントサービスが包括維持管理業務を受託している浄水場において、約1年間、実証実験として利用されました。
実証実験の結果、安価な無線型センサーを用いても、従来目視によって評価していた設備機器の状態を定量的に把握できることが分かり、設備機器を遠隔監視するシステムを比較的安価に実現できる見通しを得ることができました。本システムを活用することで、人手による巡回目視点検を自動化して点検業務を効率化できるほか、設備の稼働状況を確認しながら設備延命化や最適な修繕時期を見極めることなどが可能になり、保全業務に関わるコストの低減に貢献できると見込んでいます。

浄水場では、管轄地域の利用者に対し、安定した水質・水量の水を供給することが求められていますが、近年、管轄地域の人口減少による減収、各種設備の老朽化に伴う投資、浄水場内の設備機器を保全する技術者の高齢化に伴う人手不足など、さまざまな課題を抱えています。これらの課題を解決するために、各浄水場が連携し、広域化して浄水場を管理することで、人手不足や設備の維持コストを削減するなど、浄水場の効率的な運営・運用に向けた取り組みが進展しています。
そうした中、取水ポンプ、配水ポンプなどの主要な設備機器に対しては、中央監視システムにより稼働状況を常に管理し、計画修繕を実施していますが、小型・中型の設備機器(攪拌機、ポンプ、フロキュレーターなど)については、技術者による目視点検と定期点検で稼働状況を管理しているため、安全性を保ちつつも、人手をかけずに低コストで保全を行う仕組みが求められています。

そこで、ネットワークやクラウド、IoT技術を保有する日立システムズと、浄水場の設備保守に関するOT(Operational Technology)・ノウハウを保有し、包括維持管理サービスを提供している日立プラントサービスは、浄水場内の設備機器の稼働状況を遠隔監視できるシステムを共同で開発し、日立プラントサービスが包括維持管理業務を受託している浄水場内の設備で実証実験を行いました。
具体的には、撹拌機などの中に含まれている電動機の高速回転部付近と減速機の低速回転部付近に、後付けや取り外しが可能で配線も不要な無線型センサーを設置し、センサーから取得した機器の振動と温度に関するデータを、IoTゲートウェイ経由で株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭)のクラウド型機器保守・設備管理サービス「Doctor Cloud」へ蓄積しました。その後1年にわたり「Doctor Cloud」に蓄積した設備機器の振動や温度に関する時系列データをグラフ化し、従来の点検業務で行ったハンディー計測計による測定結果と比較分析しました。その結果、振動データに相関的な傾向を確認できたことから、無線型センサーを用いた遠隔監視システムについて実現性の見通しを得ることができました。今後も、日立プラントサービスが包括維持管理業務を受託している浄水場において、将来の実運用を見据えた実証実験を継続的に実施していく予定です。

本システムを導入することで、これまで、定期的に修繕していた小型・中型の設備機器についても、無線型センサーを活用した常時監視により、人手をかけずに設備機器の状態を適正に評価でき、設備機器の状況に合わせて適切な時期に修繕を実施することが可能となります。これにより、設備の過剰修繕の削減や、安全性を保った状態での標準耐用年数を超えた設備利用などが可能になり、設備の導入・保全コスト削減を実現できる見込みです。例えば、日立プラントサービスが包括維持管理を行う浄水場内には、施設全体で約50台の回転機器があります。現在、高速回転部と低速回転部の部品交換を2年ごとに実施していますが、本システムを導入した場合、常時監視により状態基準保全(CBM)が可能となり、設備によっては、高速回転部と比較して回転数が少ない低速回転部の部品交換を、最大で2倍の4年の延命化を計画できます。

日立プラントサービスは、今後も先進のIoT技術を利活用し、水処理プラントをはじめ、各種プラント設備の設計、施工、維持管理サービスなどを一貫して提供することにより、お客さまの事業ライフサイクルを通じて設備の最適運用に貢献していきます。
日立システムズは、今後も浄水場内の設備をはじめ、他業種の設備機器に対する遠隔監視の実証実験を推進し、さまざまな設備機器の監視・保守を効率化するシステムの実現を検討していきます。また、日立プラントサービスをはじめとした企業のOTと日立システムズのITを融合し、デジタライゼーション事業を推進していきます。

今回の実証実験における全体構成図

今回の実証実験における全体構成図:浄水場でセンサーから取得したデータを、IoTゲートウェイ経由で日立システムズデータセンターの「Doctor Cloud」に蓄積。BIツールにて可視化(グラフ化)。作業員はSSL-VPNで可視化されたデータを閲覧。

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商品お問い合わせ窓口:TEL 0120-346-401(受付時間:9時~17時/土・日・祝日は除く)

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E-mail:press.we@ml.hitachi-systems.com

株式会社日立プラントサービス 経営戦略本部 経営企画部 佐藤
〒170-6034 東京都豊島区東池袋三丁目1番1号 サンシャイン60 34F
電話:03-6386-3434(直通)

以上

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「Doctor Cloud」は、株式会社日立製作所の登録商標です。
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