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株式会社 日立システムズ

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2012年6月20日
株式会社日立システムズ

株式会社日立システムズ(代表取締役 取締役社長:髙橋 直也、本社:東京都品川区/以下、日立システムズ)は、「第70期 決算公告」を当社Webサイト上にて電子公告するとともに、2011年度業績および今後の取り組みについて、以下の通りお知らせいたします。

2011年度の事業の経過及びその成果

当年度におけるわが国経済は、東日本大震災による生産設備の毀損やサプライチェーンの寸断、電力供給の制限などから一部の生産・消費活動が低下しました。さらに、タイの洪水被害やヨーロッパの通貨危機を引き金とする世界的な金融不安・景気低迷、歴史的な円高の進行により、厳しい状況が継続しました。
このような経済動向を背景として、ITサービス産業においてはIT投資に対する手控え感が継続しており、厳しい事業環境が続いています。

こうした状況のなか、当社は2011年10月1日に(株)日立情報システムズと合併し、(株)日立システムズとして新たにスタートしました。経営ビジョンとして「世界につながる人財と先進の情報技術を組み合わせた独自のサービスを創造し、お客さまからすべてを任せていただけるグローバルサービスカンパニーになる」を掲げ、事業ブランド「Human⚹IT」の下、日立グループにおける情報・通信システム事業の中核企業として、幅広い業種・規模のお客さまに、ITのライフサイクルすべてを安心してお任せいただける真のワンストップサービスを提供しています。
合併後は、全国の事業拠点の統廃合や製品・サービスの融合、クロスセルによる基盤事業の強化・拡大を行うとともに、日立グループが進めるコスト構造改革運動「Hitachi Smart Transformation Project」との連携など、事業構造改革の推進による経営基盤強化を進めました。同時に、グループ会社においては、これまで以上にお客さまに密着した事業展開、経営スピード向上、事業運営の効率化を図るため、2012年1月に北海道、四国、九州の各地域におけるグループ会社を合併、2012年4月にシステム系、サポート系グループ会社を再編し、連結経営基盤を強化しました。

事業面では、クラウド事業の立ち上げと事業のグローバル化に注力しました。
クラウド事業では、クラウド型の電子自治体ソリューション(e-ADWORLD2/SaaS)を積極的に展開。特に関西地区での事業強化のため、2011年10月当社データセンタ内に「関西自治体クラウドセンター」を開設しました。また、セキュアなプライベートクラウドと、コストパフォーマンスに優れたパブリッククラウドサービスを組み合わせた当社ならではの「仮想プライベートクラウド事業」を積極的に展開しました。さらに、クラウド時代に不可欠なコンタクトセンタに関しては、川崎市に新たな拠点を設け、最新の設備、技術と1000人規模の体制を整え、クラウド事業を支える体制を強化しました。

グローバル事業においては、2011年5月に中国・広東省広州市において、高品質なシステム運用サービスをBPO[Business Process Outsourcing]サービスとして中国市場に展開することを目的に、広東華智科技有限公司と共同で合弁会社「広東華智立信軟件有限公司」を設立しました。2011年8月には、遼寧省大連市金州新区において、大連創盛科技有限公司や(株)日立製作所などと共同で「日創信息技術(大連)有限公司」を設立し、同年10月には同合弁会社がクラウドサービスなどを提供するための基盤として大規模データセンタの建設に着手しました。また、日本企業のグローバル化に対応するため、お客さまの海外進出や海外事業拡大に伴うさまざまな経営課題をワンストップで支援するグローバルITサービス「GNEXT」を立ち上げ、中国、アジア市場に向け積極的にグローバル事業を推進しました。

また、復興支援も積極的に取り組みました。東日本大震災の復興支援としては、震災発生後から、お客さまの被害状況の把握や迅速な業務再開のため、全国各地の営業員やカスタマエンジニアが被災地に駆け付け、復旧に尽力しました。さらに、企業・自治体向けに短期間でITを利用できる災害復興支援サービスやSaaS型データバックアップ支援サービス、コンテナ型データセンタなどを無償で提供したほか、雇用創出とクラウド事業の基盤強化を目的として、福島県郡山市にコンタクトセンタを新設し、要員21名を地元採用して、2012年4月2日より業務を開始しました。
タイ洪水被害においても、東日本大震災の経験を生かし、緊急支援サービスとして、国際電話会議サービスやTV会議ソフトなどを無償提供するなど、さまざまな形で被災地の復旧・復興を支援しました。
一方で、顧客満足度のさらなる向上に向けた取り組み、品質保証・プロジェクトマネジメント強化、オフショア開発の拡充、データセンタの運用効率向上などにより、CS・品質・納期・原価意識の徹底を図りました。

こうした経営諸施策を講じて、当社は事業の拡大と経営基盤の強化・拡充に努めましたが、景気の先行き不安を背景とした案件の中断、先送り、小口化、価格引下げ要請等に伴う競争激化などの影響により、厳しい経営状況が続きました。
この結果、当年度の業績は、合併により、売上高については、259,771百万円(前年度比47%増)と増収となり、収益面では、営業利益は14,281百万円(前年度比55%増)、経常利益は15,078百万円(前年度比57%増)と増益となりました。また、事業構造改革費用として1,128百万円を特別損失として計上しましたが、当期純利益は、6,078百万円(前年度比14%増)と増益となりました。

当年度の業績

当年度の実績
区分 2010年度
(百万円)
2011年度(当年度)
(百万円)
前年度比
(%)
受注高 244,187 313,496 128
売上高 176,419 259,771 147
システム構築事業 67,544
システム運用事業 73,646
ファシリティサービス事業 18,391
保守事業 88,931
DS・サプライ事業 14,156
相殺ほか △2,897
営業利益 9,200 14,281 155
経常利益 9,549 15,078 157
特別損益 △343 △1,128
税引前損益 9,206 13,950 151
当期純利益 5,329 6,078 114
2011年度の業績は、2011年10月1日付で(株)日立情報システムズを吸収合併したため、前年度と比べ大幅に増加しています。(2011年4月1日~9月30日までの(株)日立情報システムズの業績実績は含みません)

〔参考値〕 連結ベースの日立電子サービス(株)と(株)日立情報システムズの2011年度合算実績

〔参考値〕 連結ベースの日立電子サービス(株)と(株)日立情報システムズの2011年度合算実績
区分 2011年度(当年度)
(百万円)
前年度比
(%)
受注高 408,973 98
売上高 355,838 101
営業利益(SEC基準) 18,900 (百万円)
△2,702
税引前損益 19,270 (百万円)
△3,584
*
上記連結ベースの業績数値については、公認会計士の監査を受けておりません。

〔参考値〕 日立電子サービス(株)と(株)日立情報システムズの2011年度合算実績

〔参考値〕 日立電子サービス(株)と(株)日立情報システムズの2011年度合算実績
区分 2011年度(当年度)
(百万円)
前年度比
(%)
受注高 388,285 97
売上高 335,299 101
システム構築事業 99,157 101
システム運用事業 111,875 100
ファシリティサービス事業 18,391 109
保守事業 88,931 95
DS・サプライ事業 22,973 128
相殺ほか △6,026
営業利益(SEC基準) 16,254 (百万円)
△2,574
税引前損益 17,369 (百万円)
△3,193

当社が提供するITサービスの事業品目別の営業状況は次のとおりです。(以下の売上高は、「〔参考値〕日立電子サービス(株)と(株)日立情報システムズの2011年度合算実績」の値です)

システム構築事業

価格競争の激化や景気低迷に伴う案件中断などの影響があったものの、クラウドベースのシステムインテグレーションや、主力の電子自治体ソリューション(e-ADWORLD2)などのパッケージを活用したシステムインテグレーションが堅調に推移したことで、前年並みとなりました。
以上の結果、システム構築事業の売上高は、99,157百万円(前年度比101%)となりました。

システム運用事業

価格下落の影響があったものの、全国のデータセンタを活用したアウトソーシングサービスに加え、クラウド基盤を活用したリソースオンデマンドサービス「BusinessStage ROD」やヘルプデスクを中心としたコンタクトセンタ事業などを注力サービスとして展開したことで、前年並みとなりました。
以上の結果、システム運用事業の売上高は、111,875百万円(前年度比100%)となりました。

ファシリティサービス事業

震災に伴う節電対策やBCP(事業継続計画)対策などの顧客ニーズを的確に捉え、省電力ソリューションなどの融合サービスを立ち上げ、展開したことで、ネットワーク構築、ファシリティ工事などが好調に推移し、増収となりました。
以上の結果、ファシリティサービス事業の売上高は、18,391百万円(前年度比109%)となりました。

保守事業

さまざまなベンダのIT機器の調達から保守まで一括支援するマルチベンダワンストップソリューション「Make IT Simple® Premium」を立ち上げ、拡販に注力したものの、保守対象機器の減少や値引き要請への対応などにより、減収となりました。
以上の結果、保守事業の売上高は、88,931百万円(前年度比95%)となりました。

DS・サプライ事業

景気の先行き不安に伴う投資抑制などの影響があったものの、システム構築事業などにあわせてワンストップソリューションとして提供するハードウェア・ソフトウェアなどの商品ラインアップの充実を図るとともに、新規顧客の開拓、ビジネスパートナーの拡大を積極的に推進したことで、増収となりました。
以上の結果、DS・サプライ事業の売上高は、22,973百万円(前年度比128%)となりました。

対処すべき課題と中期経営計画について

当社は日立グループにおける情報・通信システム事業の中核企業として、豊かな社会の実現に貢献するグローバルサービスカンパニーを目指して事業に取り組んでいます。
(株)日立情報システムズと合併した2011年度は、合併シナジーの発揮と社内一体化に注力してきましたが、2012年度からは、新しい中期経営計画(以下、中計)がスタートし、2015年度における連結売上高5,000億円、海外売上高比率10%、クラウド事業売上高比率20%、営業利益率8%の達成に向けて各種施策を展開します。

一方、国内市場の停滞やサービス価格の下落、「所有から利用へ」というITビジネスのパラダイムシフト、保守事業の売上減少、そして、グローバル化が一段と加速している現況に鑑みますと、事業構造変革を加速させ、新たな価値を創造して事業化することが喫緊の課題であり、中計の初年度である2012年度は、今後の成長の礎となる大切な年度です。
こうした状況を踏まえ、2012年度を「新たな価値創造元年」と位置付け、以下5点の重点施策に取り組んで参ります。

基盤事業の強化・拡大

合併シナジーを最大限に発揮し、監視・運用・工事の強みを生かした高付加価値サービスを提供していきます。マルチベンダサポートの拡大、パッケージ製品の選択と集中によるシェアの拡大などを実現し、利益拡大につなげていきます。

新規事業の創生

クラウドインテグレーションの徹底的な強化など、IT分野での新しい潮流を的確にキャッチアップするとともに、ITサービスの枠を超え、ビジネスサービスという新たな市場に積極的にチャレンジします。コンタクトセンタとフィールド体制を生かしたビジネスサービスの立ち上げや、ITとファシリティを融合した運用管理サービスの展開、さらに、社会インフラの分野での新規事業立ち上げも検討していきます。

グローバル事業の拡大

中国や東南アジアを中心に、現地ビジネスのノウハウや実績・顧客基盤を保有する有力企業とパートナーシップを組み、クラウドやデータセンタ事業を強化していきます。また、昨年中国に設立したジョイントベンチャーの運用事業を軌道に乗せ、横展開を図ります。

経営基盤の強化

事業構造やコスト構造を改革し、グローバルレベルで競争に勝てる強い企業体質を備えます。日立グループが進めるコスト構造改革運動「Hitachi Smart Transformation Project」とも連携し、あらゆる側面からコストの低減策に取り組みます。

企業ブランド価値向上の取り組み

従業員基点の経営モデル「日立システムズWay」を推進し、従業員が主体的な行動を積み重ねることによって、継続的な企業ブランド価値の向上を図ります。また、「組織の社会的責任」に関する国際規格「ISO26000」に準拠したCSR活動を推進し、サステナブルな社会の実現に貢献します。
また、「基本と正道」に則った企業倫理と法令遵守に根ざした事業活動を展開し、コンプライアンス違反による社会的信用の失墜を防止するために、グループ会社を含む全従業員に対する教育・啓発活動を継続して実施します。

経済情勢や競争環境が厳しい状況ではありますが、これら重点諸施策の推進と、多彩な人財と先進の情報技術を組み合わせた独自のサービスの提供を通じて、中計達成を目指します。

財産及び損益の状況の推移

区分 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度
(当年度)
売上高(百万円) 175,826 174,413 171,037 176,419 259,771
経常利益(百万円) 14,034 13,856 10,180 9,549 15,078
当期純利益(百万円) 8,420 8,790 5,386 5,329 6,078
期末総資産(百万円) 146,633 140,976 111,335 105,955 226,964
2011年度の売上高、経常利益、当期純利益及び期末総資産は、2011年10月1日付で(株)日立情報システムズを吸収合併したため、前期より大幅に増加しております。

関連Webサイト

電子公告Webサイト

報道機関のお問い合わせ先

株式会社日立システムズ
CSR本部コーポレート・コミュニケーション部 松林、杉山
〒141-8672 東京都品川区大崎一丁目2番1号
TEL:03-5435-5002(直通)
E-mail:press.we@hitachi-systems.com

*
e-ADWORLD2、BusinessStage、Make IT Simpleは、株式会社日立システムズの登録商標です。
*
記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。

以上

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