国際ネットワークでお困りだったお客さまへ「NETFORWARD 国際ネットワークサービス」を導入した経緯、その後の効果などについてインタビューを交えてご紹介します。
株式会社トヨテック 本社外観
オプト(光学)、メカ(精密機械)、エレクトロニクス(電子技術)という3つの専門技術を柱として、顧客ニーズに合わせた設計開発から、製品化までを一貫して行っている総合メーカー株式会社トヨテック様(以下、トヨテック様)。関連企業9社によるトーヨーサークルを結成して総合力を高め、オプトメカトロニクス分野を中心としたワンストップソリューションを提供しておられます。
日立システムズでは、トヨテック様の日本本社ー中国工場間における快適な通信環境を実現するため、国際ネットワークの再構築をお手伝いいたしました。
株式会社トヨテック
情報管理グループ
鈴木 明仁氏
1994年7月に香港、1995年12月には中国広東省東莞市に関連会社を設立し、積極的に海外進出を果たしているトヨテック様。特に中国戦略上の拠点である現地工場・東莞東洋豊技制品厰との連絡は、業務上の重要な意味を持っています。しかし、突然日本本社と中国工場との間の通信がプツプツと切れ、スムーズに行えなくなりました。
情報管理グループの鈴木明仁氏は、そのときの状況を次のように語ります。
「原因は日本ー中国間のインターネットバックボーンの根本的な帯域不足でした。このため、情報伝達や精算申請処理、営業情報の共有など、ほとんどの業務で使用していたLotus Notesが使えなくなり、仕事が成り立たない状態になってしまいました。さらに2006年5月にはEメールも使えない状態に陥ってしまったのです。」
取引先とのやり取りもできなくなってしまい、一時的に現地のプロバイダーでメールアドレスを取得して、その場をしのいだというトヨテック様。このままでは、業務に重大な支障をきたす恐れがあるということで急遽、国際ネットワークの見直し・再構築を実施することになりました。
株式会社株式会社トヨテック
ソフト開発グループ
清原 辰時氏
日本ー中国間での通信トラブルを受けて、すぐさまトヨテック様は複数社の提供する回線サービスを検討。いくつかの候補の中から回線品質やコスト面など、さまざまなポイントを踏まえた上で、総合的な判断により「NETFORWARD 国際ネットワークサービス」が選ばれました。
「求められたのは、ちゃんと切れずに通信ができるという安定性でした。また、私たちが使用しているLotus Notesのデータは、非常に回線の負荷が大きいものですから、速度・帯域ということを含めると日立システムズさんから提案していただいたシステムがいいのでは、ということになりました。」(鈴木氏)
また、中国側での手厚いサポート体制も、選定における大切な基準になったと鈴木氏は語ります。
「現地には日立グループの関連会社があるので、運用面のちょっとした相談も迅速に現地側で対応ができる。そして、ネットワーク関連の問題が発生したときには、すぐに駆けつけていただける。そういう現地での助けがあるということも選定のポイントになりました。」
トヨテック様はこれまで、日本ー中国間の通信手段としてインターネットVPNを使用していましたが、前述の回線トラブルを踏まえて、より高速かつ安定した国際ネットワークを希望していました。今回のネットワーク構築では、従来よりトヨテック様のネットワークを担当してきた株式会社中部が日本(本社)側を、国際バックボーンと中国(工場)側を日立システムズが担当するという共同作業で行われました。
完成したネットワークは、日本ー中国間のバックボーンに国際IP-VPN、バックボーンへ接続するアクセス回線にBフレッツ(日本国内)、ADSL(中国国内)という組み合わせで構成。高速かつ安定したネットワークでありながら安価なアクセス回線を選択することによって、コスト抑制も欠かせないというトヨテック様の要件に沿った形態でのご提供となりました。
再構築された高速かつ安定したネットワークの効果について、ソフト開発グループの清原辰時氏はこのように語ります。
「現地の社員からは、知りたいときに情報をすぐに得られるようになったことで、生産性が格段に向上したと聞きます。たとえば、中国工場では毎日出社してから3時間以上かけて、ようやくEメールやLotus Notesのデータを確認するという状況だったのですが、今ではすぐに確認できるようになりました。また、お客さまとのデータのやり取りに活用しているEDIにも遅延が発生していたのですが、導入後はそういった障害はなくなり、コミュニケーションが円滑になりました。」
株式会社トヨテック
情報管理グループ
黒柳 敢夫氏
国際ネットワークの再構築により、通信に関する問い合わせや処理依頼件数が減り、情報管理グループの問い合わせ担当者が本来業務に集中できるようになったことも大きなメリットだったといえます。
このことについて、情報管理グループの黒柳敢夫氏は、次のように語ります。
「たとえばこれまでは大きいデータが停滞してEメールがいつまでも受信できないから、不要なメールをサーバから消してくれといった連絡が頻繁にあったのですが、導入以後は帯域が広がって停滞がなくなったので、現地からの通信に関連する苦情がなくなりました。」
現在はインターネット、Eメール、Lotus Notes、基幹業務に加え、連絡用にSkypeを活用しているというトヨテック様。これらの通信がスムーズに行えるようになったおかげで、日本ー中国間の双方で業務効率が著しく向上し、顧客とのコミュニケーションも円滑に進めることができるようになったといえます。
今後の展開として鈴木氏は、次のように話してくださいました。
「将来的には中国国内の回線を光回線にしたいですね。現在、中国工場の生産規模は順調に拡大していますし、従業員も日本よりも多くなってきています。今後、中国工場と日本側相互のコミュニケーションを今以上に高速化し緊密化する必要に迫られると思います。中国側の回線を光回線にしてさらに品質向上を図ることを次の課題として検討していきたいと思います。」(鈴木氏)
創業 | 1960(昭和35)年11月15日 |
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所在地 | 〒442-0024 愛知県豊川市西豊町2-35 |
URL |
プラスチックレンズ、光学ガラスレンズ
および精密エンジニアリングプラスチック
中国広東省東莞市にある
東莞東洋豊技制品厰
(中央から右へ)
株式会社トヨテック
鈴木氏、清原氏、黒柳氏
(左から)
株式会社中部 山村氏
テクノシステム株式会社 小出氏
日立システムズ 大川
日立システムズ
大川 健
開通後すぐにいただいた喜びの声は忘れられません
「今まで開けなかったファイルが開けるようになった」、「今までメールの送信に1時間かかっていたのに・・・」、「これで休日出勤が減った」など、開通翌日からたくさんの声をいただきました。中国側では開通直前に「ケーブルが切断されて盗まれる」という想定もしていなかったトラブルが発生しましたが、スケジュール通り無事納品することができ、その直後からお客さまの期待に応える結果を出せたことは何よりの喜びです。
工場の拡大、中国側の光回線化などトヨテック様が描くこれからの展開にもぜひ協力させていただき、また今回のような感激が味わえれば最高ですね。「NETFORWARD 国際ネットワークサービス」は世界190以上の国・地域をサポートしていますから、どこへでもついて行きます。
2007年1月掲載
日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。