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情シスに求められるミッションの変化

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情シスに求められるミッションの変化

近年、企業の情報システム部門に求められる役割、ミッションに、ある大きな変化が見られるようになりました。今回のコラムでは、この「情シス部門に求められるミッションの変化」について考えてみたいと思います。

「業務のOA化」からスタートした情シス

まずは情シス部門の成立過程について振り返ってみましょう。

1970年代、ファクシミリやコピー機、ワープロなどの電子機器の登場により、これまで机の上、紙の上で、手作業により行われていた業務を電子化しようとするオフィスオートメーション(OA)の概念が生まれました。

1980年代になり、これらの機器が一般的に利用されるようになると、業務のOA化を推進する部門として、企業内に情シス部門が成立しはじめます。やがて1990年代に入ると、OA化はIT化という言葉に置き換わりますが、情シスに求められる業務の本質は大きく変わることなく、その後もしばらく継続していました。

しかし近年では、情シスに求められるミッションに、ある大きな変化が見られるようになります。JUAS(一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会)が1994年以降毎年実施している「企業IT動向調査」の2015年版には、情シスに求められる役割の変化を示唆する、興味深い調査結果があります。

情シスのミッションは、「業務プロセスの変革」へ

調査では、対象企業に対し、IT部門に「ITを活用したビジネスイノベーション」をミッションとして明示しているかどうかを問いました。すると、およそ7割以上の企業が、「業務プロセスの変革」、「現場改善」、「組織の改革を支える基盤の確立」など、「業務プロセスの変革」をIT部門のミッションとして明示していると回答したのです。

情シス部門は「業務のOA化」からスタートしました。しかし現在では、OA化、IT化による作業の効率化はすでに当たり前のことであり、業務プロセス全体の改善や、ビジネスフレームワーク自体の変革へと、求められるミッションが変化しつつあるのです。

情シスのミッションは、「業務プロセスの変革」へ

情シスの力量が、企業の競争力を左右する時代

もちろん、ITシステムの保守・運用などの定型業務も、引き続き情シス部門の重要な業務であることは間違いありません。しかし、こういった業務をアウトソーシングの形で担う企業が一般的となりつつある今、定型業務だけに注力する情シス部門は、その存在意義を問われることになるでしょう。

2000年以降の情シスには、ITを活用し既存の業務プロセスを変革する、さらには、IT活用によるビジネスモデルの変革や、顧客確保・拡大といったビジネスイノベーションを生み出すアクションが求められているのです。そして、その変化に対応するためには、ユーザー部門の抱える課題、ビジネス環境の変化を自ら察知し、新しい方法を自ら提案していけるような、「攻めの情シス」へのマインドチェンジが必要となります。

「オペレーショナル・エクセレンス」という言葉があります。これは、業務改善プロセスが現場に定着し、洗練された業務オペレーションが競争上の優位性にまでなっている状態のことを指します。

業務プロセスの洗練が企業の競争力を左右しつつある現代において、その役割の大部分を担う情シス部門には、まさに大きな変革が求められているのです。

変化に対応するためのITツールが充実しつつある

このように、情シスに期待される役割は大きく変わりつつありますが、IT技術の進展にともない、情シスの活動を支援するためのツールも、数年前とは比較にならないほど充実しつつあります。

以前であれば、IT活用による業務効率化を行う場合、多額の費用をかけて自前でシステムを構築するか、あるいは、低コストながら拡張性には限界があるExcelやAccessなど市販のソフトウェアで、業務運用を続けていくしかありませんでした。

しかし現在では、細分化された業務ニーズに対応するクラウド型のソフトウェアが充実しており、また、Microsoft Azure、Amazon Web Services、Google Cloud Platformなど、低コストながら拡張性の高い開発プラットフォームも登場しています。本Webサイトでご紹介している、サイボウズ社「kintone」もそんなクラウド型の開発プラットフォームのひとつに数えられます。

もっとクリエイティブな情シスへ

これらの開発プラットフォームを利用すれば、課題解決に向けたひらめきやアイデアを、すぐに形にすることができます。情シスに求められるミッションが大きく変わりつつある今、情シスはこれらのツールを最大限に活用し、もっとクリエイティブで、もっとアクティブな組織へと生まれ変わる必要を迫られているのです。

「もっとクリエイティブな情シスへ

経営環境の変化や、IT技術の進化に対する鋭いアンテナを持ち、ユーザーの課題を積極的に解決しようと試みる提案型、課題解決型の組織。それが、今後の情シスのあるべき姿だといえます。

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