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日立システムズ初のAIアンバサダーが語る。
生成AIが拓く未来と、日立システムズが“伴走者”として選ばれる理由

日立システムズ初のAIアンバサダーが語る。生成AIが拓く未来と、日立システムズが“伴走者”として選ばれる理由

労働人口の減少をはじめとする社会構造の変化が目前に迫る中、その解決策として生成AIに大きな期待が寄せられています。しかし、多くの企業がその導入や定着化に課題を抱えているのも事実です。
本記事では、日立グループの生成AIエキスパート「AIアンバサダー」に日立システムズから初めて就任した菊池 一也にインタビュー。生成AIの未来と日立システムズならではの強み、そしてAI活用の成功の鍵をご紹介します。

profile

  • 菊池 一也

    菊池 一也

    株式会社 日立システムズ
    ビジネスイノベーション統括本部
    AI活用推進エンジニアリング本部長

    2006年から仮想化技術に携わり、2012年にはクラウド関連サービスの研究開発を推進。日立システムズの仮想化事業やクラウド事業の立ち上げにも貢献。
    2022年11月にChatGPTが登場したことで大きな変革が起こると考え、2023年に若手社員を中心とした製販一体の生成AI関連プロジェクトを立ち上げ推進。
    2024年4月には新設された生成AI関連ビジネスの統括本部で、サービス開発や事業展開を指揮する。2025年1月より日立ならではの技術・ナレッジを発信し、社会課題の解決をめざすAIアンバサダーに就任。

日立グループのAI戦略を担うエキスパート集団
“AIアンバサダー”に日立システムズから初就任

――日立グループでは2025年1月にAIアンバサダーを設置されました。まずはAIアンバサダーについて教えて下さい。

AIアンバサダーは、企業のAIトランスフォーメーションを牽引する日立グループのエキスパート集団です。私たちの最大の強みは、1000件以上のユースケースから得た課題解決に直結する実践的な技術とナレッジです。これを基盤に、社内外へ向けて生成AIの真の価値と可能性を発信しています。

現在は、日立グループの多様なバックグラウンドを持つ37名のメンバーが在籍。イベント登壇やメディアでの情報発信、社内ワークショップの開催といった多彩なアプローチで、AI活用の最前線を伝えています。

――日立システムズ初のAIアンバサダーに就任された経緯を教えてください。

これまで私は、若手社員を中心とした製販一体の生成AIプロジェクトの立ち上げを推進してきました。2024年4月からは、新設された生成AIビジネスの統括本部でサービス開発や事業展開を指揮しています。

こうした社内での活動実績から、生成AIの成功シナリオをお客さまにお届けする役割を担うべくAIアンバサダーに選任されたものと認識しています。

ちなみに、AIアンバサダーの公式サイトでは「操縦士」というキャッチコピーが付いています。これは私のプロフィールを基に生成AIが提案してくれたものです。「時代の風を読み、次々と新技術を事業化してきた」という経験をうまく表現してくれていると感じていますね。

――AIアンバサダーとして具体的にどのような活動をされていますでしょうか。

主な活動は、お客さまへのご提案、SNSでの情報発信、イベントでの講演です。お客さまへのご提案では日立システムズが培ってきた実績や活用事例を基に、お客さまひとりひとりの課題に合わせたAIの活用方法をご提案しています。

また、LinkedInでも定期的に情報を発信しており、AIに関する日々の所感を書いたりイベント告知をしたり、注目記事の紹介などをタイムリーに投稿したりしています。

AI関連のイベントやセミナーは、これまでは既存のお客さま向けのものが中心でしたが、今後は中小企業の経営者の皆さまなどにも広く情報をお届けできるよう、さらに力を入れてまいります。

――AIアンバサダーとしての今後のビジョンをお聞かせください。

引き続きこれまでの活動で得た知見をさらに広く発信することに注力していきます。そのためにも、まずは社内で誰もがAIを使いこなせる仕組みや成功事例を確立し、その価値を皆さまにお届けしていきたいと考えています。7月に、日立システムズからもアンバサダーの仲間が増えましたので、チーム一丸となってこの動きを加速させていきたいです。

また、匠の技術を継承していくことも私たちが取り組むべき重要な課題です。高度経済成長期を支えてこられた熟練技術者が持つ技術を、AIを活用して若い世代へ継承していけるよう全力で取り組んでまいります。

日立グループのAI戦略を担うエキスパート集団“AIアンバサダー”に日立システムズから初就任

「人手不足」という日本の未来に、
生成AIはどう貢献していくのか

――AIアンバサダーが設立され、今後生成AI市場はさらに注目されると思いますが、その主要な理由としてどのような社会課題が挙げられるでしょうか?

AIアンバサダーが設立された背景には、日本が直面する深刻な「人手不足」という社会課題があります。2040年には建設から50年以上が経過する施設が増加し、その維持管理に1100万人の人手が不足します。また、2050年には日本の生産年齢人口が現在より約3割も減少すると予測されています。このような状況下で社会機能を維持し、経済成長を続けるためには働き方そのものを変革する必要があるのです。

その鍵となるのが生成AIの活用です。例えば、コンタクトセンター業務の自動化やシステム開発におけるコーディング支援など、さまざまな領域でAIが人の業務をサポートすることで、ひとりひとりの生産性を飛躍的に高めることができるのです。

――社会問題に対して、生成AIはどのように貢献していくのでしょうか?

今後は、生成AIによって“人が”業務をこなす時代から、“AIエージェントが”業務をこなす時代へと進化していくでしょう。

2023年は「生成AI元年」として文書要約などで活用が始まり、2024年には設計書のチェックなど、より業務に深く組み込まれるようになりました。そして今年2025年は「AIエージェント元年」と位置づけられ、AIが与えられたゴールに向かって自律的にタスクを進める段階に入っています。

さらに来年度以降は、「マルチAIエージェント」の時代が到来すると考えられます。これにより、業務プロセス全体で人とAIが共存しながら作業を進める、より高度な協業が実現すると考えています。

――生成AIを活用していく中での課題はあるのでしょうか。

組織や人に起因する課題があると感じています。例えば、生成AIを導入しようとしても、長年その業務を担ってきた従業員の方々から「自分の仕事が奪われるのではないか」という不安が生まれるのは自然なことです。こうした壁を乗り越えるには、AIとの共存を前提とした会社の制度設計が不可欠となります。

組織・制度の変革にもメスを入れていかない限り、生成AIが浸透することは難しいと感じています。結果として労働力不足という課題も解決できないため、今後はこの領域の支援にも注力していきたいと考えています。

――企業の中には既に生成AIを導入しているものの、使用率が上がらない、定着化が進まないという声も見られます。

そのとおり、リリース直後はとりあえず触ってみる社員が多いですが、数回アクセスして終わってしまう場合が多いです。AIの利用を組織に根付かせるためには、例えば社員へインセンティブを与える仕組みを作ったり、AI活用を評価する新しいKPIを設定したりして、組織風土を含めた変革が必要でしょう。また、企画、設計、調達、製造、販売、保守などの各業務プロセスやシステムに生成AIを組み込んでいくことが必要です。

「人手不足」という日本の未来に、生成AIはどう貢献していくのか

日立システムズの強みである
ドメインナレッジ×生成AIでカスタマーサクセスへ

――日立システムズはSIerやハードウェア保守のイメージがある方もいるかと思います。今後の社会課題を見据え、生成AIの活用支援にどのような強みを発揮できるのか、サポートを受けることのメリットを教えて下さい。

強みは大きく3つあります。まず、日立システムズは既存事業で培った産業・流通・金融・公共・社会など多岐にわたるドメインナレッジを持っています。また、保守やコンタクトセンターなどのマネージドサービスも強みです。そのナレッジに生成AIを掛け合わせることで、お客さまに真の価値を提供します。

次に、直接業務での活用支援です。お客さまの専門性の高い業務で生成AIを活用する場合、多くは基幹システムに格納された機密情報の利用が不可欠となります。これには、RAG(検索拡張生成)という技術を用い、基幹システムと生成AI環境をつなぐためのAPI開発などが必要です。このような企業の心臓部ともいえるシステム開発は、ドメインナレッジを持つ信頼できるSIerでなければ安心して任すことが難しいでしょう。ここに私たちの大きな強みがあります。

最後に挙げる強みは、伴走力です。生成AIは常に変化・成長する“生き物”のような存在です。従来の、パッケージを納品して保守するというモデルではなく、導入後もお客さまと共に改善を続ける伴走力が求められます。また、伴走していくことはもちろん常にお客さまの半歩先を読み、提案していくことも大切だと考えています。

――生成AIの活用において、具体的な事例はありますか?

日立システムズでは社内での生成AI利活用も進んでいます。代表的な事例として、私たち自身の関西の営業部門を変革した「営業AX(AIトランスフォーメーション)」の取り組みがあります。これは、まず自社をテストベッドとして活用し、その成功実績をお客さまへのサービスとして提供するものです。

当時、生成AIを週に1回以上利用する社員はわずか15%でした。そこで私たちは、業務プロセスそのものに生成AIを組み込むことで、活用の必然性を生み出すことが重要だと考えました。そこでまず、約120の業務を棚卸しし、そこから生成AIを適用できる領域を特定。それを業務フローに組み込んだ仕組みを構築・展開しました。

結果、利用率や業務削減効果に関する数値的な結果が出ており一定の成果を得られました。この社内実践で得た知見と成功モデルを、今後は関西から全国へ、そしてお客さまへと展開していきたいと考えています。

――中には生成AIを導入しようとしても、主にPOCの段階などで疲弊してしまうケースもあります。そのような場合でも日立システムズはどのような支援ができますか?

PoC段階で疲弊してしまう企業様が少なくないからこそ、私たちは業務選定支援というサービスを提供しています。まずお客さまの業務全体を可視化し、最も効果が見込める領域を選び出すことから始めます。そして、そこからスモールスタートで着実に成果を積み上げていくというステップを踏むことが成功の鍵です。

同時に、経営層へのアプローチも欠かせません。経営者が重視していることの1つに投資対効果がありますので、私たちは「この取り組みによって、全体でこれだけの削減効果が見込めます」といった具体的な資料の作成までお手伝いするなどして、経営陣の意識改革を先導し、現場の背中を押していきたいと考えています。

――お客さまの生成AI導入をサポートしていく中で、日立システムズがめざす姿を教えて下さい。

私たちがめざすのは、ただ単に製品を売るのではなくお客さまの課題に寄り添い解決していくことです。まずはお客さまの課題を理解することから始め、その解決策として適したご提案をしていきます。

そして、生成AIの導入はゴールではなく、DX、さらにはデータドリブン経営をめざしていくことです。勘や経験だけに頼らない、データに基づいた強い経営体制を築き上げるまで、長期的な視点でサポートし続けること。それが日立システムズがお客さまに提供する価値だと考えます。

日立システムズの強みであるドメインナレッジ×生成AIでカスタマーサクセスへ

※記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。