

グローバル22拠点を横断する基盤の刷新を最小の停止時間で成し遂げたOCI移行の実例
Astemo株式会社様(以下、Astemo様)は、既存のオンプレミス環境で稼働していた基幹システムを刷新し、Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)への移行を実現しました。世界7カ国22拠点を対象とするグローバル基盤を、保守期限を迎えるにあたりクラウドへと切り替え、拡張性と安定性を兼ね備えた次世代のシステム環境を整備してきました。移行にあたっては、海外拠点ごとに異なるスケジュール調整や膨大なデータ移行など、多くの課題が存在しましたが、それらを着実に乗り越えられた背景には日立システムズが寄り添いながらサポートする「伴走支援」がありました。OCIとOracle製品に精通した知見を基に、導入から運用までを見据えた提案とサポートを提供。プロジェクトチームと一体となって推進することで、安全かつ確実な移行を支援。現在はOCI基盤を起点にさらなる活用を進め、マルチクラウド運用や新たな取り組みへと展開を見据えており、全社的な基盤強化にもつなげています。
Astemo様では、世界7カ国22拠点で稼働する基幹システムの刷新に取り組みました。長年運用してきたオンプレミス環境はハードウェア保守切れが迫り、延長も不可能。更新の先送りは業務継続に直結するリスクであり、将来を見据えた基盤刷新が避けられない状況でした。検討の結果、選ばれたのはOCI。既存のOracle製品やExadataとの高い親和性に加え、性能・拡張性・柔軟性が評価されました。単なる延命措置ではなく、次の成長を支える基盤として位置づけられたのです。
ただし、OCI導入はAstemo様にとって未知の領域でもありました。だからこそ、信頼できるパートナーの存在が不可欠でした。複数社の提案を比較する中で選ばれたのが日立システムズです。OCIとOracle製品の双方に精通し、導入から運用まで一貫して伴走支援できる点が評価されました。将来を見据えた提案や、課題発生時の柔軟な対応は「困ったときの日立システムズ」ということばが自然に出るほどの信頼につながりました。
移行プロジェクトでは、世界拠点をまたぐ移行による停止時間の制約や膨大なデータ転送といった大きな課題もありました。欧州・北米・アジアで休日体系が異なり、拠点によっては最大10時間しかシステムを止められない条件の中、日立システムズはマルチクラウド接続サービス(以下、専用線)の活用やリハーサルを徹底して対応しました。事前準備を重ねたことで現場の不安も払拭され、結果として切り替えは大きなトラブルもなく完了。限られた時間内でスムーズに移行を実現できました。今回の刷新は、全社的な基盤強化と次の成長を支えるための重要な一歩となっています。
「オンプレミス環境のハードウェア保守契約期限が迫っていたことが、システム移行の大きな要因でした。撤去日程は延長できず、失敗が許されないプレッシャーがありました」。今回のOCI移行プロジェクトに携わった麻生様は当時をこう振り返ります。世界7カ国22拠点で稼働する基幹システムでは、更新の先送りは業務継続に直結するリスクとなり、選択肢は限られていました。延長が不可能な以上、システムの移行は避けられず、迅速かつ確実な対応が強く求められていました。
そこで検討の中心となったのがクラウド基盤であり、その中で選ばれたのがOCIです。既存で長年利用してきたOracle製品との互換性が高く、従来のExadataとも親和性が確認できました。「OCIは性能面でも遜色がなく、大きな違和感なく利用できると感じました」と麻生様は語ります。これまで培ってきた運用ノウハウをそのまま生かせる点も、安心して移行に踏み切れた理由のひとつでした。さらに、OCIはクラウドならではの柔軟性や拡張性を備えており、将来の事業拡大や新たな取り組みにも十分対応できる点が評価されました。単なる延命措置ではなく、次の成長を支えるための基盤を築くことができる。それがOCIを選んだ最大の理由でした。こうしてハードウェアの保守期限が迫る中で下された決断は、全社的な基盤強化を進めるための大きな一歩となり、今後のさらなる活用へと確実に結び付いています。
OCI導入はAstemo様にとって未知の領域でした。だからこそ、移行を成功させるには信頼できるパートナーが不可欠。複数社から提案を受ける中で日立システムズが選ばれた理由は、OCIとOracle製品の双方に精通し、導入から運用まで一貫して任せられる「Oracleトータルソリューションサービス」の存在にありました。「OCIやOracle製品全体に深い理解があるだけでなく、導入後の運用まで見据えた提案があり、他社にはない安心感がありました」。プロジェクトメンバーはそう振り返ります。単なるシステム移行にとどまらず、将来の拡張や運用効率化までを考慮した提案。それこそが選定の決め手でした。実際にプロジェクトを進めていく中でもその提案力は発揮され、想定外の課題が発生した場面での迅速な対応は、いつしか「困ったときの日立システムズ」ということばが自然に出るほど。現場からの相談に真摯に応える姿勢も心強い支えでした。
また、詳細な手順書やチェックリストを整備し、リハーサルを重ねて移行を支援。多数の関係者を支える取り組みにより、本番の切り替えは大きなトラブルもなく完了し、スムーズで安全にOCIへ移行できました。「導入から運用まで任せられる一貫性と、課題が起きても柔軟に対応してくれる安心感がありました。それが日立システムズを選んだ理由です」。とプロジェクトからのことばどおり、Astemo様にとって日立システムズは単なるベンダーではなく、ともに未来を描くパートナーとなりました。

OCIへの移行プロジェクトで最大の課題は、世界各地の拠点をまたいでシステムを止めなければならないという時間的制約でした。欧州では週末、北米では祝日、アジアでは独自の休日といった具合に、拠点ごとに許容停止時間が異なります。ある拠点は10時間しか止められず、膨大なデータを転送しながら切り替えるのは容易ではありません。しかもシステムは日々の事業を支える基盤であり、失敗すればグローバル全体に影響が及ぶ危険性も。こうした条件は、移行を進めるうえで常に大きな重圧となっていました。
この課題に対応するため、日立システムズはデータ移行用に専用線も提供し、転送速度の問題を解消しました。従来は数日規模と見込んだ工程を短縮し、制約下の負担を軽減。大容量データ拠点では転送効率の改善が効果を発揮し、停止時間を最小限に抑えることにつながりました。同専用線サービスによる高速転送は時間短縮だけにとどまらず、事前検証やリハーサル効率化にもつながり、計画修正の速度を高める効果もありました。結果として、プロジェクト全体の進行が大きく後押しされたのです。
さらに計画を精査し、移行手順を繰り返し見直して無駄を排除しました。どの工程をどの順序で実行するかを明確化し、時差や調整負担も抑制。「海外拠点の調整は本当に複雑でした。制約が重くのしかかりましたが、データ移行用に準備した専用線で不安を払拭できました」と麻生様。現場からも「繰り返し調整があったから当日は迷いなく動けた」との声がありました。周到な準備と柔軟な対応があったからこそ難しい条件下でも移行に踏み切れたのです。この課題克服の経験とノウハウは、Astemo様にとって今後の刷新に応用できる貴重な財産であり、次の成長を支える確かな基盤となりました。
OCIへの移行を成功させるために、Astemo様が最も重視したのは「事前準備の徹底」でした。海外拠点を含む大規模な移行では、限られた停止時間内で切り替えを行うため、あらゆるリスクを洗い出し、対応策を準備しておくことが不可欠でした。この準備を支えたのが日立システムズの伴走支援です。多くの関係者が参加する体制のもと、詳細な手順書とチェックリストを整備し、抜け漏れを防ぐ仕組みを構築。こうした準備により現場は迷うことなく工程に取り組めました。「リハーサルを繰り返し、作業の無駄を排除した積み重ねが本番成功につながりました」。そうメンバーが語るように、実作業を想定したリハーサルを何度も実施。どの工程に時間がかかるか、どこにリスクが潜むかを把握し、改善を重ねたことで想定外の事態にも柔軟に対応できる体制が整いました。切り替え当日はその努力が成果となり、大きなトラブルもなく終了。予定どおりの時間内でシステムを稼働できました。「スムーズなOCI移行を実現できたのは、綿密な準備と日立システムズの支援があったからです」。そうした声も多く寄せられています。
さらに評価されたのは、単なる作業支援にとどまらない姿勢。日立システムズはトラブルがあれば即座に対応し、その伴走姿勢はプロジェクトチームの一体感を高め、士気を維持する大きな要因となったのです。安心感のある環境があったからこそ、現場は自信を持って作業を進められました。
綿密な準備と支援の積み重ね。それこそが、スムーズなOCI移行の原動力となり、この経験はAstemo様が今後さらにグローバルに事業を展開するうえで、確かな自信と財産となるでしょう。今回の成功は単なる移行にとどまらず、将来を見据えた基盤づくりに向けた重要なステップと位置づけられています。




オンプレミス環境で長年Oracle製品を利用しており、その延長線上でOCIは最も適した選択肢だったと思います。既存システムとの互換性が高く、性能面でも遜色がないことを確認できた点も大きな要因と言えます。また、従来から利用していたExadataとの親和性があり、移行後も大きな違和感なく使えることが安心材料となりました。さらに、OCIはクラウドならではの柔軟性や拡張性を備えており、今後のシステム拡張や事業成長にも十分対応できると考えています。セキュリティや可用性の面でも安心感があり、移行を単なる延命措置にせず、将来の活用を見据えてOCIを選んだことには大きな意義がありました。OCIを基盤とすることで、今後の最適化や新たな取り組みにもつなげられると期待しています。
本プロジェクト最大の課題は、データ転送と各拠点における停止時間の調整でした。海外拠点は地域ごとに休日体系が異なり、スケジュール調整は非常に複雑なものでした。ある拠点では最大10時間しかシステムを止められず、日本側の作業は時差に配慮したスケジュール調整が必要になる場面もありました。また、大きな懸念点として膨大なデータ転送がありましたが、専用線を活用することで速度面の問題を解消し、移行工数の大幅削減にもつながりました。さらに、手順の見直しやリハーサルを繰り返し実施することで無駄を排除し、切り替え時は大きなトラブルなく無事に完了しました。こうした経験を通じて得られた知見やノウハウは、今後のグローバル規模のシステム刷新にも確実に生かせると考えており、組織全体の大きな財産となっています。
当社の基幹システムは、世界7カ国22拠点で利用される非常に重要な基盤であり、グローバル全体の事業活動を支えています。従来のオンプレミス環境は、ハードウェア保守の期限が迫っていたこともあって、更新を先送りすれば業務継続に直結するリスクとなるため、失敗が許されない状況でした。こうした背景から、単なる更新ではなく、将来を見据えた基盤刷新に踏み切る判断を下しました。新たなシステムは事業環境の変化に柔軟に対応できるクラウド基盤への移行によって拡張性や安定性を確保し、将来的な業務の多様化や変化にも十分対応できるように設計し、次の成長を支える土台をめざしました。この刷新は全社的にも将来を見据え、事業環境の変化に備えるための重要なプロジェクトになったと考えています。
OCI導入は当社にとって未知の領域であり、信頼できるパートナー選びが重要でした。複数社から提案を受ける中で、日立システムズはOracle製品とOCIの双方に豊富な知見を持ち、導入から運用まで一貫して対応できる点が大きな強みと感じました。プロジェクトの進行中も、想定外の課題が発生した際に迅速かつ柔軟に対応いただき、安心して任せられました。ただ単純に導入を支援するだけでなく、運用後を見据えた提案をいただけたのも大きな評価ポイントと言えるでしょう。その姿勢は「困ったときの日立システムズ」と自然に口に出るほど、伴走者としての信頼感を強く実感しています。常に現場目線で寄り添い続けてくれた姿勢が印象的で、導入から運用まで、非常に満足度の高いプロジェクトになったと考えています。
専用線を活用したことでデータ転送速度の課題が解消でき、移行工数は従来の半分に短縮されました。また、運用コストも約40%削減できたのは大きな成果です。OCIが標準で備えるデータ暗号化や多重化による冗長構成の仕組みを通じて、情報保護と障害耐性が強化され、物理的な保守作業から解放されたことで運用効率が大幅に改善しました。さらに、OCIを軸としたクラウド基盤が整備されたことで、将来的なシステム統合や新たな活用領域への展開に向けた土台が築かれ、持続的な成長への道筋も見えてきました。今後はOCI基盤を他部門のシステムにも展開し、全社的な活用へと広げる予定です。また、既存のAWS環境と併用することでマルチクラウド運用の柔軟性を高め、将来的にはデータ活用や自動化といった新たな取り組みにもつなげていきたいと考えています。

Astemo株式会社
自動車部分品および輸送用ならびに産業用機械器具・システムの開発、製造、販売およびサービスを行なっています。Astemoグループは世界をリードする先進的なモビリティソリューションの提供を通じて、持続可能な社会と人々の豊かな生活の実現に貢献します。
このたびは、基幹業務システムのインフラモダナイゼーションにあたり、OCI(Oracle Cloud Infrastructure)を活用したクラウド環境の構築パートナーとして、日立システムズを選択いただき、まことにありがとうございました。
本プロジェクトでは、Astemo様の「グローバル水準での安定性・可用性の確保」と「ITインフラの運用効率化」を実現するため、オンプレミスで稼働していたシステム群をOCI上へ移行いたしました。高可用性構成や運用の自動化に加え、コストの最適化も実現、OCIの特長を最大限に引き出すアーキテクチャーを提案・実装しております。
当社は、長年にわたるOracle製品およびインフラ領域での実績を有しており、OCI環境における設計・構築・運用までの支援が可能です。今回の取り組みを通じ、Astemo様のグローバル競争力強化の一助となれたことを、まことに光栄に思います。
今後も、OCIをはじめとするクラウド基盤の利活用を通じて、Astemo様のDX推進とIT基盤の強じん化を支える、信頼できるパートナーであり続けられるよう、引き続き尽力してまいります。



今回の取材にご協力いただいたお客さま

ご協力ありがとうございました。
*本内容は2025年8月時点の情報です。
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