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株式会社 日立システムズ

板橋区様

AI-OCR LGWAN-ASPサービス

板橋区様集合写真

AI-OCRの導入により、年間約1,480時間の作業時間削減を達成する見込み
全庁的なDX推進体制により、1年間で10課11業務の効率化・省力化を実現

日本全国の自治体が「紙」にまつわる事務作業の負担に悩んでいます。そんな中、板橋区様は従来のOCRに変わる新たな技術AI-OCRを導入し、紙帳票の内容をデジタルデータに変換する作業を効率化・省力化する取り組みを推進しています。
板橋区様は日立システムズをパートナーとし、2023年7月より「AI-OCR LGWAN-ASPサービス」※の運用を開始し、1年間で10課11業務の効率化・省力化を実現しました。この取り組みにより、板橋区様は区全体で年間約1,480時間の作業時間削減を達成する見込みです。板橋区様は今後、AI-OCRの適用業務範囲をさらに広げ、積極的にDXを推進することで、区民サービスの向上、および、職員の生産性向上に取り組んでいきます。

※AI-OCR LGWAN-ASPサービスは、AI-OCRソフトウェア「DX Suite」を活用した日立システムズの自治体向けサービスです。

人口57万人を擁する板橋区は、歴史と新しい時代の息吹が調和を奏でる生活都市です。春には地名の由来と言われている橋「板橋」の川沿いに桜が咲き誇ります。

板橋区様 AI-OCR LGWAN-ASPサービス
導入プロジェクト 概要

「紙」にまつわる事務作業を削減するためLGWAN対応のAI-OCRサービスの導入を決断

板橋区様は以前から「紙」に起因する事務作業の負荷に悩んでいました。自治体業務のシステム化・デジタル化が進んだことで、紙帳票の内容をデジタルデータとして処理、保存する機会が増えたためです。全庁的に発生している紙からデジタルへの変換作業を削減するため、帳票の電子化も検討しましたが、システムの導入・改修費用の負担は大きく、全庁的な帳票の電子化を思うように進められずにいました。

そんな中、板橋区様が解決策として注目したのがAI-OCRです。AI-OCRは従来のOCRと比べて、紙帳票の活字や手書き文字を高精度にデータ化することができます。大規模なシステム導入・改修の必要なく、紙帳票にまつわる事務作業負担の軽減が期待できました。

2021年、板橋区様はAI-OCRの導入検討を開始しました。情報提供の依頼を受けた日立システムズは、AI-OCR LGWAN-ASPサービスを中心にソリューション情報を提供しました。本サービスはWebブラウザですぐに利用できるクラウドサービスのため、2022年末には約1カ月間の導入実証実験も行いました。日立システムズが操作レクチャーや試用ライセンスの提供を行うことで実証実験はスムーズに進行し、板橋区様は正式にAI-OCR導入の事業計画を策定しました。2023年5月には入札を行い、2カ月後の2023年7月には本サービスの運用を開始するなど、スピーディーな導入が実現しています。

「ここまでのスピードで事業化が実現するケースはほとんどありません。 AI-OCR LGWAN-ASPサービスが導入しやすい、使いやすいサービスであることに加えて、前年度に日立システムズの協力を得て実証実験を実施していたことが大きかったと思います」(板橋区政策経営部 IT推進課 DX戦略係長)

板橋区の10課11業務でAI-OCRを活用
年間約1,480時間の作業時間削減を見込む

板橋区様は現在10課11業務でAI-OCR LGWAN-ASPサービスを利用しています(2024年5月時点)。保育サービス課の、保育施設入所申請の入力事務を例に本サービスの利用方法を紹介します。

保育サービス課は、毎年4月の認可保育施設への入所申し込みをオンラインおよび紙書類で受け付けています。紙書類での申請は例年4,000件程度発生しており、以前はこれを手作業でシステムに入力していましたが、現在入力作業の大部分はAI-OCRとRPAにより自動化されています。業務改善にあたりIT推進課担当者は、既存の業務フローを図にして可視化し、次に、業務の見直しポイントなどを示したうえでAI-OCR、RPAを組み込んだ新たな業務フロー(右図参照)を保育サービス課に提案しました。IT推進課と所管課が二人三脚で業務改善を進めることにより、業務効率化の効果が高く、なおかつ、所管課が自分たちでも運用できる業務フローが実現しています。

本サービスを活用した業務改善により、保育サービス課では年間743時間の作業時間削減が実現する見込みです。その他に本サービスを利用している業務の作業時間削減効果を合計すると、板橋区全体で年間約1,480時間に達する見込みです(板橋区様調べ)。浮いた時間や労力は区民サービスのさらなる向上に向けた取り組みに充てられます。

AI-OCRの効果を実感した所管課の担当者が、異動先の課でもAI-OCRの利用を啓発するなど、板橋区様では業務改善の取り組みが全庁レベルで進みつつあります。板橋区様は今後もIT推進課を中心に業務改善の範囲をさらに広げることで、区民サービスの向上や職員の生産性向上を実現していく考えです。

ここがPOINT! AI-OCR LGWAN-ASPサービス

板橋区様のAI-OCRを活用した業務フローの例(保育サービス課・保育施設入所申請の入力事務)

※AI-OCR LGWAN-ASPサービスには、RPAの利用ライセンスは含まれておりません。

板橋区様におけるAI-OCR LGWAN-ASPサービスの導入効果

導入効果 1

業務効率化

年間約1,480時間の作業時間削減見込み

導入効果 2

コスト削減

データ入力作業にかかる委託費約82万円削減

職員のモチベーション向上などの定性効果も実現しています。

年間の作業時間削減効果の試算(見込み)

業務名 部署 削減時間
1 医療費助成支給申請書の入力事務 子育て支援課 160
2 保育施設入所申請の入力事務 保育サービス課 743
3 口座振替依頼書の入力事務 国保年金課 136
4 狂犬病予防注射済票交付申請の入力事務 生活衛生課 155
5 人口動態調査統計の入力業務 健康推進課 40
6 小中学校教科用図書についてのアンケートの入力事務 指導室 20
7 区内シニアクラブにおける報告書等の入力事務 長寿社会推進課 25
8 研修アンケートの入力事務 人事課 5
9 集団回収事業者業務報告書の入力事務 資源循環推進課 108
10 介護保険料還付口座の入力事務 介護保険課 55
11 介護保険料口座振替納付届の入力業務 介護保険課 32
合計 1479

各業務の実証実験時に測定した作業時間をベースに、対象業務を1年間運用した場合の作業時間削減効果を試算しています。(板橋区様調べ)

人工知能搭載 AI-OCRソフトウェアDX Suite の特長

紙帳票の「活字文字」「手書き文字」を高精度にデータ化

IT推進課の皆さまにDX Suiteの評価を聞きました

LGWAN対応のクラウド版が提供されているので、日立システムズ協力のもと実証実験を行い、導入効果を事前検証できたことが良かったです。

── IT推進課 DX戦略係長

入札前に調査したAI-OCRソフトウェアの中で文字の認識率が一番高かったです。
板橋区業務での認識精度は98%以上です。

── IT推進課 DX推進係長

マウスとキーボード操作だけで帳票の読み取り設定ができます。
ITに詳しくない職員も安心して扱える点が良いと思います。

── IT推進課 DX戦略係

お客さまインタビュー

職員が「自分たちの力で業務を変えられる」という達成感を得たことに大きな価値があります。
これからも、AI-OCRをはじめ先進ITツールを駆使しながら自治体DXを推進していきます。

── AI-OCRを導入する以前の課題を教えてください。

自治体業務には、申請書、依頼書、納付書など数多くの紙帳票が存在します。紙帳票の手書き文字をデータ化する作業に、職員の 貴重な業務時間が多く割かれている状況を改善したいと考えていました。帳票枚数の多い部署では職員の業務負担だけでなく、残業代などの財政負担も大きくなっており、早急な対応が必要でした。
課題解決のため、帳票の電子化をたびたび検討してきましたが、システム導入には多額の費用がかかることに加え、期待する効果が得られるかは実際に導入しなければ分からない面があり、なかなか思い切った電子化に踏み切れずにいました。

──課題解決に向けてAI-OCRに注目した理由を教えてください。

従来のOCRと比べて文字の認識率が高いことに加えて、LGWAN-ASPで利用できるため、少ない費用、短い期間で導入できる点が魅力でした。オンプレミス型のシステムと違い、サーバー購入やシステム構築などの初期投資が不要なので、板橋区では日立システムズの協力を得てAI-OCR導入の実証実験を行い、事前に効果を検証しています。所管課に協力を依頼し、実際の業務で試験利用を行ったので、期待する効果が十分に得られる手応えがつかめました。実証実験における日立システムズの柔軟でスピーディーな対応にはとても感謝しています。

── 各業務にAI-OCRを導入する際の手順を教えてください。

IT推進課では「よろず相談DX」という事業を行っています。これは、各部署が行う業務に関して、業務フローの可視化からシステムの導入までをIT推進課がコンサルティングする事業です。よろず相談DXを通じてAI-OCRやRPAをはじめとする自動化ツール、ローコードツールなどの活用を促し、全庁的なDX推進に貢献しています。

所管課からAI-OCRの導入依頼を受けると、IT推進課担当者は対象となる業務を実際に現場で体験して業務フローを作成します。 次に、業務フローの中から重複する手順や、AI-OCRで自動化可能な手順を洗い出し、新たな改善業務フローを提案します。業務フローを可視化することで無駄が明らかになり、作業時間の削減効果を検証できるので、よろず相談DXでは毎回業務フローを作成するようにしています。その後、新たな業務フローを叩き台にして所管課と議論を重ねながら、業務改善を一緒に進めていきます。
実際の文字認識を行うAI-OCRソフトウェアのDX Suiteは操作や設定が非常に簡単なので、ITに詳しくない職員もスムーズに取り扱えます。短期間で新たな業務フローの運用を開始することができました。

── AI-OCRに対する職員の皆さまの反応はいかがですか?

自治体は民間企業と比べて、現場の創意工夫で業務を改善していくことが難しい側面があります。しかし、今回AI-OCRで業務改善を経験した職員たちは、「自分たちの力で業務は変えられるんだ」という手応えや達成感を得たように思います。職員がそのような意識を持ってくれたことに非常に大きな価値を感じています。

自治体業務を改革したい、職員のマインドを変えたいと考える自治体にとって、AI-OCRはその取り組みに勢いをつけるエンジンになり得ると思います。これからも、AI-OCRをはじめさまざまな先進ITツールを駆使しながら、全庁的な業務改善を推進していきたいと思います。

お客さまプロフィール

板橋区ロゴ

板橋区

本庁舎
東京都板橋区板橋二丁目66番1号
区長
坂本 健
財政規模
2,530億00百万円(2024年度 一般会計当初予算)
職員数
3,822人(2024年4月1日時点)
住民数
574,768人(2024年4月1日時点)
URL
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/

今回の取材にご協力いただいたお客さま

ご協力ありがとうございました。
*本内容は2024年6月取材時点の情報です。

本事例に記載の情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

本サービスの利用にあたって、以下利用環境をご準備ください。
LGWAN回線(100Mbpsを推奨)、ファイアウォール設定変更(透過設定の追加)、AI-OCRを使用するLGWAN接続端末
OS:Microsoft Windows10、CPU・メモリ・HDD:本OSが動作するもの、ブラウザ:AI-OCR:Edge、Chrome、FireFox、情報共有ポータル機能:Edge

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