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株式会社 日立システムズ

株式会社マクニカ様

SAP S/4HANAマイグレーションサービス

株式会社マクニカ様集合写真

「次世代システム」で未来を描く

さらなる成長に向けて経営システム基盤を刷新 マクニカ様の成長戦略を支えるSAP S/4HANA

最先端の半導体、ネットワーク商品に技術的付加価値を加えて提供してきた株式会社マクニカ様(以下、マクニカ様)は、成長戦略の実現に向けて、新たな経営システム基盤「次世代システム」を構築しました。
旧システム基盤はSAP ERPと周辺システムで構成されていましたが、システム間の連携性は低く、独立した個別システムの集合体と言えるものでした。「次世代システム」は統合されたマスターデータを持ち、SAP S/4HANAを中心に周辺システムがシームレスに連携することで、経営情報の高度な分析や、業務プロセスの標準化、劇的な業務効率化が可能になりました。
本プロジェクトにおいて、日立システムズはSAPシステムの改修、SAP S/4HANAへのマイグレーション、クラウドへの移行などの中核業務を担当しました。 SAPの豊富な知見・経験を生かし、「次世代システム」構築プロジェクトの成功に大きく貢献しました。


1972年の創業以来、マクニカ様は最先端の半導体、ネットワーク商品に独自の付加価値を与え、国内外のものづくりを支援してきました。

マクニカ様 「次世代システム」 構築プロジェクト 概要

「次世代システム」構築プロジェクトのゴール(2018年当時)

2025年、取り扱い量が2倍以上に成長しても、生産性を向上させて業務が回せる仕組みを構築する

背景にあった課題

部門最適を推進した結果、全社視点での業務効率が低下
表計算ソフトを使った手作業が多く、非効率が発生している

ビジネス規模の拡大に耐えられる業務プロセスを確立したい

2025年のSAP ERPのサポート終了に備えてマイグレーションが必要
しかし、アドオンが多いため、業務への影響が懸念される

迅速かつ確実にSAP S/4HANAマイグレーションを実現したい

システム基盤がオンプレミスのため、柔軟性・拡張性が低くビジネス環境の変化に素早く対応することができない

クラウドに移行し、環境変化に即応できるシステム基盤にしたい

課題解決に向けた 日立システムズのSAPソリューションコンセプト

1

マイグレーションに先駆けて、業務改善を実施。 2段階工程で業務メリットの早期実現をめざす

SAP S/4HANAへのマイグレーションに先駆けて、現行SAP ERPの改修を行い、業務プロセスの改善によるメリットの早期実現をめざしました。また、現行システム改修とマイグレーションを別工程に分け、一つ一つ着実に完了させることで、プロジェクト全体のリスク低減を図りました。

2

システム基盤のクラウド全面移行をスムーズに実現するため、Microsoft Azureを採用

「次世代システム」は、SAPを含む既存システムの大部分を、オンプレミスからクラウドに移行した意欲的なシステムです。既存システムとの親和性を重視し、クラウド基盤にはMicrosoft Azureを採用しました。パブリッククラウドを採用することで柔軟かつ拡張性の高いシステム構築が可能となりました。

3

連携性・拡張性に優れたワークフローAgileWorksを採用し、SAPシステムとの連携を強化

本プロジェクトでは、既存システムで構築された旧ワークフローの刷新と、紙の申請書もシステム化しました。SAPなどシステムとの連携性が高く、優れた拡張性を持つワークフローシステム「AgileWorks」を採用し、システム基盤や組織体制の変化に柔軟に対応できるワークフローを構築しました。

マクニカ様 「次世代システム」構築プロジェクト ここがPOINT!

SAPシステムの改修

ドメインナレッジ*と技術力を生かし、300におよぶ業務課題を解決

現行SAP ERPには、解決すべき300項目の業務課題がありました。
中には「新収益認識基準への対応」など、対応期限が迫るものもあったため、SAP S/4HANAへのマイグレーションに先駆けて、早期に効果を感じられる、優先順位の高い業務課題への対応を行いました。

日立システムズは、商社・販社ビジネスに関する豊富なドメインナレッジと、数多くの課題対応実績を生かし、300項目の業務課題を解決に導く提案を行いました。「受発注業務の引き当て」プロセスの改善では、月400時間の工数削減を実現するなど、システム改修による業務メリットをいち早くユーザーに提供しました。

「受発注業務の引き当て」とは

マクニカ様は得意先ごとに商品の在庫管理をしているため、各得意先からの受注とそれに対応する仕入先への発注および在庫引当を紐づける作業が必要でした。
以前は1日約5,000件の受注を手作業で処理していましたが、現在は作業の大部分がシステムにより自動化されています。

*ドメインナレッジ:特定の分野や業種・業界についての専門的な知識、知見のこと。

SAP S/4HANAマイグレーション

入念なアセスメント&リハーサルで、スムーズで確実なマイグレーションを実現

稼働から10年以上経過していた現行SAP ERPには、多数のアドオン開発が行われていました。アドオンがSAP S/4HANAに移行できるかを調査するため、すべての機能にアセスメント(アドオン診断)を行い、不明確な事項を解消しました。

マクニカ様は今回のマイグレーションを機に、マスターデータの統合およびコード体系の変更を行っています。マスターデータ変更後も過去データの参照ができるよう、日立システムズは詳細なデータ設計を行い、データ移行前には4回のリハーサルを実施しました。入念な準備を経て、スムーズで確実なマイグレーションを実現しました。

S/4HANAアセスメント

  • どのような業務影響が出るか?
  • 現行アドオンは使用可能か?
  • コストや工期はどのくらいかかるか?
    など

オンプレミス→クラウドへの移行

数週間→3~4日でリソース増強が可能に
急増する受注にも余裕を持って対応

半導体需要の高まりにより、マクニカ様の受注残は「次世代システム」構築以前の5倍程度に急増しています。システム基盤をクラウドに移行したことで、リソース増強を3~4営業日で完了できるようになるなど、変化の激しいビジネスニーズへの即応が可能になりました。

新たなテクノロジーも容易に取り込める情報基盤が完成

高品質なプロジェクトマネジメント

豊富な経験・スキル・人財を生かし2年にわたる大規模案件を遅滞なく完遂

ベンダー6社が参加し、2年以上の長期間にわたった本プロジェクト。日立システムズは「次世代システム」の中核を担うSAP担当ベンダーとして、マクニカ様への助言や、各ベンダー間の調整を積極的に行うことで、プロジェクトの完遂に大きく貢献しました。

2年間のプロジェクトは全工程フルリモートで進行しました

お客さまインタビュー

経営・マネジメント

マクニカの成長戦略を支える、拡張性の高いITプラットフォームが完成しました。

長期間にわたる、複雑かつ大規模なプロジェクトでしたが、大きなトラブルもなく予定通りに稼働を迎えられたことを経営・マネジメント層は高く評価しています。マクニカの業務に対する知見はもちろん、SAPについても豊富な技術・ノウハウをお持ちの日立システムズには、プロジェクト全体を通して非常に助けていただきました。

SAPを中心に複数システムを統合し、1つの大きなITプラットフォームを構築するのが今回のプロジェクトでした。日々の業務生産性の向上はもちろん、今後新たな事業を展開する際に関連システムを迅速に展開できるようになりました。マクニカの事業拡大を支える、拡張性の高いシステム基盤が構築できたと考えています。

ユーザー部門

豊富なドメインナレッジは、プロジェクトの成功を担保する一番の要素でした。

日立システムズの提案は、「Step1で業務改善」「Step2で業務改善+SAP S/4HANAへのマイグレーション」を行うというもので、システム刷新によるリスクを抑えた、実現可能性の高い確実な提案でした。ユーザーの立場としても、優先順位の高い業務改善を先行することで、具体的なメリットをいち早く享受できる提案は受け入れやすかったと思います。

日立システムズは、私たちの業種・業界への深い理解があるので、業界ならではの特殊性や商慣行などの前提を理解したうえで、課題解決に向けた本質的な打合せをすぐに進めることができました。一番最初に打ち合わせをした時に、「日立システムズのこのメンバーとだったら、プロジェクトをうまく進められる」と感じたことを覚えています。日立システムズが豊富なドメインナレッジを有していることは、プロジェクトの成功を担保する一番の要素だったと思います。

IT・システム部門

全業務システムが対象で、多くのパートナー企業が参画した大規模プロジェクト。
2年間のフルリモートでも、全員が協力したことで計画通りに完遂できました。

今回、SAPシステムの仕様変更が数多く発生しましたが、認識の齟齬が無いよう、修正箇所の項目名を一つひとつ確認するなど、日立システムズには非常に細やかに動いていただきました。事業部間で異なる要望が出てきた時には、どのように解決するか相談にのってもらいましたし、マイグレーションではすべてのアドオンにアセスメントをかけて、改修の必要性を確認していただきました。SAPが関わる工程に関して、技術面の不安や懸念はほとんどなかったと記憶しています。

基幹システムのクラウド移行は思い切った判断でしたが、半導体市場の激しい変化についていくためには、クラウドが持つ柔軟性・拡張性をシステム基盤に取り込む必要がありました。パブリッククラウドを採用したことで「明後日までにリソースを4倍増強」といったことが可能になりましたし、ちょっとした技術検証も時間をかけずに行えるようになりました。今後のビジネスニーズや、新たなテクノロジーへの対応が非常にしやすいシステム基盤が完成しています。

当初は、「2025年に取扱量2倍」を想定していましたが、2022年時点で早くも取扱量は2倍近くになっていました。結果論ですが、2段階の工程を組み、いち早く業務改善を実現することで急増するニーズに対応することができました。コロナ禍のため、2年間フルリモートで進行する異例のプロジェクトでしたが、日立システムズをはじめ、プロジェクトメンバー全員の努力により、無事にプロジェクトを完遂することができました。胸を張って誇れる仕事になったと思います。

お客さまプロフィール

株式会社アダストリアロゴ

株式会社マクニカ

設立
1972年10月30日
資本金
111億9,426万8千円(2022年3月31日現在)
従業員数
3,910名(2022年3月31日現在)
代表者
代表取締役社長 原 一将
事業内容
半導体・集積回路などの電子部品の輸出入、販売、開発、加工、電子機器並びにそれらの周辺機器及び付属品の開発、輸出入、販売、そのほか
URL
https://www.macnica.co.jp/

今回の取材にご協力いただいたお客さま

ご協力ありがとうございました。
*本内容は2023年1月時点の情報です。

本事例に記載の情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

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