

長期経営ビジョンの実現に向けて3カ年のDX戦略を日立システムズとともに推進
クラウド・ネットワーク・PC端末の刷新で守りから“攻めのDX部門”へと変革
大成温調株式会社様(以下、大成温調様)は、建物の空調・換気設備、給排水衛生設備、電気設備などを手がける専門設備工事会社です。
同社は創業80周年を迎えた2021年に長期経営ビジョンを策定し、「総合たてものサービス企業」への転換を目指してDX戦略の推進に注力してきました。40年来のビジネスパートナーである日立システムズは、その実現に向けてクラウド、ネットワーク、PC端末の3分野でIT基盤の刷新を支援。スマートでモダンなIT基盤の構築を通じて、大成温調様のDX推進と経営戦略の実現を支えています。

大成温調様のブランド「LIVZON」は、人々の暮らしを表す「LIVE」に、未知を表す「Z」と、物事を活性化させるという意味の「ON」を組み合わせたネーミングです。未知の領域に絶えず挑戦し、人々の暮らしを豊かにしていくというLIVZONの意思と約束を表現しています。
大成温調様は、不透明さを増す経営環境下でも持続的な成長を実現するため、2021年に長期経営ビジョン「LIVZON DREAM 2030」を策定しました。本ビジョンでは、将来を見据えた事業モデルの変革を掲げ、実行手段の一つにDX戦略(経営のデジタル化およびビジネストランスフォーメーション)の推進を位置付けました。具体的には、ERPやSFAの導入、ペーパーレス化、対外取引の電子化などを通じた業務フローの再構築を進める方針でした。
しかし、その推進には課題がありました。実行役を担うシステム統括部は、既存のIT基盤の運用・保守に多くの人手が割かれ、新たな施策に十分なリソースが割けない状況が続いていました。経営層からはスピーディーなDX推進が求められており、同部門は「守りの情報システム部門」から「攻めのDX部門」への変革を迫られていました。
こうした課題の解決を支援したのが、40年来のパートナーである日立システムズでした。両社はIT基盤の運用・保守業務の効率化を軸に、クラウド、ネットワーク、PC端末の3領域を対象とした改革を年度ごとに段階的に進めていきました。
約30台のオンプレミスサーバーをMicrosoft Azureへ全面的にクラウドリフトし、インフラ運用の効率化と可用性向上を実現しました。あわせて、業務システムは複数のSaaSを標準機能のまま活用し、疎結合させる方針へと転換。
各SaaSのデータを統合データベースに集約することで、BIツールやAIによる横断的なデータ活用を可能にしました。これにより、運用負荷の軽減と将来の拡張に柔軟に対応できるIT基盤を確立しました。
増え続ける通信帯域需要や多様な働き方に対応するため、社内外を問わず安全に利用できるクラウド型のネットワーク基盤を採用しました。あわせて、Microsoft Entra IDを導入し、個人認証を起点とした強固なアクセス制御を実現。さらに、従来のウイルス対策中心の防御から、端末の挙動を常時監視し専門チームが対応する体制へ移行し、脅威の早期検知と迅速な対応を可能にしました。
同社は約1,000台のPC端末をリース契約で調達し、自社で運用していましたが、これを日立システムズのPC-LCMサービスへと切り替え、キッティング、デリバリー、ヘルプデスクといった一連の運用業務を全面的にアウトソースしました。さらに、Microsoft Autopilotによる自動キッティングを採用したことで作業量が減少し、運用委託コストの抑制にも成功しています。PC-LCMへの全面移行が完了すれば、自社運用で必要としていた約10人分のリソース削減と、DX施策への人員シフトが実現する見込みです。
3カ年にわたる取り組みでは、広範囲におよぶIT基盤の見直しと、それにともなう業務フローの再設計が必要となり、システム統括部はこれまでの常識や価値観を含む仕事のあり方を根本的に見直す覚悟が求められました。実際の作業においても、複数のSaaS間のデータ連携では想定外の課題に直面しましたが、連携方式やデータ設計を見直しながら改善を行うなど、試行錯誤を重ねることで、安定したデータ連携基盤を確立することに成功しました。
変革にともなうさまざまな困難を乗り越え、経営層が期待する「攻めのDX部門」への進化を着実に進める大成温調様。日立システムズは今後もDX推進のパートナーとして、変わらぬ伴走支援の提供を通じて大成温調様の経営戦略の実現に貢献してまいります。
日立システムズは、大成温調様のDX推進を支援するため、IT基盤の刷新を中心とした取り組みを3カ年にわたりサポートしました。
クラウド、ネットワーク、PC端末に至るまで、幅広い領域をカバーする伴走支援を通じて、大成温調様との強固な信頼関係のもとでプロジェクトを推進しました。




── 以前の課題を教えてください。
経営層が私たちシステム統括部に期待している役割は、DX施策の企画立案やその実行です。しかし、以前のシステム統括部は、IT基盤の運用・保守業務に多くの工数を取られ、企画業務に十分に取り組めていない状況が続いていました。このままでは求められる役割を果たせないという強い課題意識から、運用・保守など外部委託が可能な業務は積極的にアウトソースする方針としました。その結果生み出されたリソースを、経営に資するITの導入に向けて振り向けられるよう、体制を大きく変えていきたいと考えていました。
── 日立システムズをお選びいただいた理由を教えてください。
今回の取り組みにあたっては複数社を比較検討しましたが、決め手となったのは未知の分野にも積極的に挑戦する姿勢と「最後までやり遂げる」という強いコミットメントでした。当社にとって前例のない変革であったからこそ、技術力や提案力に加え、伴走しながら確実にやり遂げてくれるパートナーであることを重視しました。また、当社が採用を予定していた複数のSaaSについて、日立システムズを介して契約・導入できたことも大きなポイントです。これによりマルチベンダー化による調整の負担を抑え、円滑にプロジェクトを推進できると判断しました。
実際にプロジェクトが始まってからは、個別課題への対処にとどまらず、当社の中長期的なIT戦略を踏まえた全体最適の視点で提案いただけたことを高く評価しています。IT基盤全体をふかんし、将来像を共有しながら具体策を示していただける包括的な支援体制、技術力を高く評価しています。
── IT基盤の刷新により、どのような効果が得られましたか。
以前は約30台のオンプレミスサーバーの運用・保守に大変な負荷がかかっていましたが、クラウドリフトによって負荷が大幅に軽減されました。PC端末の運用についても、以前はキッティングやデリバリー、ヘルプデスク対応をすべて自社で対応していましたが、現在は日立システムズに一括してお任せしています。現在リース会社から調達しているPCの切り替えがすべて完了すれば、PC端末運用だけでも約10人相当のリソー ス削減効果が見込めると期待しています。
これらの効果の積み重ねによって、これまで運用・保守業務を担っていた担当者をDX推進を担うポジションへと異動させることができました。
外部からの人材採用が難しい状況の中で、社内リソースを再配置してDX推進体制を強化できたことは非常に良かったです。その他にも、ERPをはじめとした基幹システムの運用定着、BIツールによる経営分析の高度化、以前から構想していた生成AIの導入検証など、これまで着手できていなかった新たな施策に取り組めるようになりました。経営に資するITの導入に着手できるようになった点は、今回のIT基盤刷新の中でも特に高く評価しています。
── 日立システムズへのご評価をお聞かせください。
専門性を持った人材を豊富に擁している点を高く評価しています。他社の場合、別分野の相談をしても同じ担当者がそのまま対応にあたるケースがありますが、日立システムズの場合は分野ごとに専門家・専門チームがアサインされるので、幅広い領域を任せられる安心感があります。また、日立グループのルーツは製造業にありますから、現場業務の特性やその大変さに対する理解が優れていると感じています。この点はコンサルティング会社との大きな違いだと思います。
日立システムズとはもう40年近いお付き合いになりますが、どんなに複雑で困難なトラブルが起きても決して逃げない会社です。最後まで寄り添い、一緒に解決策を考えてくれる安心感が、パートナーとして長く付き合える最大の理由だと感じています。

大成温調株式会社
今回の取材にご協力いただいたお客さま

ご協力ありがとうございました。
*本内容は2026年1月時点の情報です。
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