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昨今、テレビやWebなどのメディアで毎日のように報じられている言葉があります。IT関連のトレンドの中でも、代表的なのが「RPA」「チャットボット」「AI」。どれもよく見聞きするものではありますが、これらが仕事の効率化に役立つと言われても、いま一つ「ピンとこない」という方も多いのではないでしょうか? しかし、いずれもこれからのビジネスになくてはならないテクノロジーであり、上手く活用することで大きな価値を生み出すものなのです。そこで、本コラムでは、この3つのテクノロジーの概要を分かりやすく解説します。

ここ数年でビジネス活用が進んだきっかけは?

ビジネス活用の例

「AI」とは人工知能(Artificial Intelligence)の略語です。簡単に言えば「人の知的行動をコンピューターで行うこと」。私たちが日常的に行っている認識・分析・予測といった知的な作業をコンピューターに代わって担当させようというものです。AIという言葉が初めて使われたのは1950年代で、半世紀以上にわたる歴史を持つ技術なのですが、ここ数年の盛り上がりは「三回目のブーム」と言われ、社会全体を巻き込む一大ムーブメントになっています。

AIと聞いて、SF映画やアニメを思い浮かべる方も多いでしょう。確かに過去のAIブームでは、人と同じように物事を考えるコンピューターは未来の夢のように扱われていました。ところが、2000年代に入って状況が一変します。それは、コンピューターに大量のデータを読み込ませて判断のルールを教える「機械学習」の技術が飛躍的に向上したことにあります。中でも、人の脳に似せた仕組みで学ぶ「ディープラーニング」の手法が実用化されたことで、これまで「人ならでは」とされてきた仕事がコンピューターで可能になるケースが見られるようになりました。

最近メディアでよく報じられているのは「AIが囲碁でプロ棋士に勝利」であるとか「AIで自動運転が進歩」といったニュースですが、AIは一般的なビジネスシーンでも着々と活用が進められています。たとえば、製造業で重要な製品検査では、ライン上に設置したカメラで撮影した画像をAIで認識し、不良品を見分ける仕組みが登場しています。防犯カメラの映像をAIで解析し、万引き犯を捕まえたというニュースは記憶に新しいのではないでしょうか。また、顧客からの問い合わせに対応するコールセンターでは、AIの音声認識を使って質問のキーワードを自動検索する事例が増えてきました。他にも各業種で導入が進められているのが現状です。

認識、分析……AIが得意な仕事とは?

人の知的行動には、各種の領域があります。もちろん「AIなら何でもできる」ということではありませんが、仕事の内容によっては人と同等、もしくはそれ以上の能力を発揮するケースが出てきました。

AIの得意領域としてまず挙げられるのが「画像認識」です。たとえば自動運転では、ドライバー(AI)は運転中、車両の周囲にある物体(自転車・歩行者・障害物など)を常に認識しなければならず、じっくり考える余裕はありません。これは自動運転を実現するためのネックになっていましたが、AIの認識力が高まったことから、高速道路など一部の環境では人のアシストを使わない運転が可能になりました。

「音声認識」もAIの得意な領域です。身近なところでは、スマートフォンやスマートスピーカーに話しかけて操作する仕組みがあります。人の声は千差万別で、使う言葉もさまざま。AIはその違いを聞き分けて認識し、自然言語処理によってコンピューターに理解させます。音声認識を使った機器やサービスは今後一層増えていくと思われ、キーボードに代わる一般的な入力方法になりそうです。

そして、ビジネスの分野で注目されているのがAIを活用した「分析」です。多くの企業では製品売上や販売状況、顧客情報などの膨大なデータをコンピューターに蓄積していますが、その分析は人(担当者)に委ねられていました。ここでAIを用いた詳細な分析を行い、現状把握や将来の予測に役立てる動きが活発になっています。これはディープラーニングでAIが自ら学ぶという技術の進歩が可能にしたものですが、予測精度が非常に高い事例も見られ、期待が高まっています。

実際どのように活用されているのか? AI導入事例

AIの持つ能力とテクノロジーを組み合わせた新しいサービス・ソリューションの開発も進んでいます。日立システムズの「日立ドローンプラットフォーム」は、建物や設備など各種インフラの点検作業を行うドローンに、AIを活用した業務効率化を提案しています。具体的には、過去の障害事例データベースから劣化している可能性の高い箇所を推定したり、劣化と汚れなどの違いを自動的に識別することで、より精度の高い点検を可能にしています。

一方、AIと農業というユニークな連携も話題になっています。PSソリューションが提供する「e-kakashi」は、農地内に設置したセンサーから収集した温湿度や日射量、水分量などの生育データをAIで分析し、現在行うべき作業を自動的に判断・制御します。これまで経験と勘に頼っていた栽培技術が「見える化」されることで品質向上、収穫量アップが期待できるだけでなく、後継者不足に悩む農家にとっては知識の伝承が可能になるなどのメリットがあります。

まずは導入の「目的」と「ゴール」を見きわめよう

人とAIの共生

本コラムでは3回にわたってRPA、チャットボットそしてAIという3つのITトレンドを紹介してきました。いずれもIT技術であり、RPA、チャットボットにはAIが関係しているので、「複雑でわかりにくい」と感じた方も多いと思います。これはAIの概念がはっきりしていないことや、報道で見聞きする話は壮大なものが多い傾向のせいでもありますが、一つ言えるのは、AIは発展途上の技術だということ。「AIでできること」の可能性はまだまだ広がっていくということです。

オフィスワークにはさまざまな「不便」があります。「この仕事をAIがやってくれたら便利なのに……」といったポイントは多数あるでしょう。最近では、そのポイントに特化した一つの機能としてAIを導入するケースが増えています。いきなり全業務をAIで代替しようとするのではなく、たとえば定型的な仕訳をAIで自動化したり、データ抽出だけAIに任せるといった使い方は、メリットを活かすための有効な方法です。

また、AIは学習によって育てるもので、一般的な業務システムのように「導入したらOK」というものではありません。まずは「AIで何がしたいのか?」という目的を明確にして、その目的を実現するプランを作り、じっくりと向き合う姿勢が求められます。今後、「わが社でもAIを!」という声は一層高まると思われますが、流行に惑わされず、将来を見据えた導入を考えていきましょう。

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