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「自社の管理レベルのステップアップを目指すシステム企画」

失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座 「システム企画」編

2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。

管理レベルのステップアップ

(企画4)
「自社の管理レベルのステップアップを目指すシステム企画」
システムを改善する背景には必ず業務プロセスの改善が伴います。より正しく、よりスピーディに業務を処理するためにはシステムも必須ですが、根幹にあるのは業務品質に対する目標の具体化です。この章では業務レベルの品質を上げるためにどのような方法があるか、解説していきます。
(2010/6/17)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫

「管理レベル」の評価の実際

「管理レベル」の評価の具体例をA社の受注・出荷業務を例にとって見てみましょう。 A社は電気製品のメーカ向けの部品を製造販売している中小企業です。受注・出荷業務の現状は以下の通りです。

[受注・出荷業務の現状]

  • (1)受注は大手メーカからはインターネットで毎週水曜日に、翌週分の納入指示と、翌々週から2週間先までの発注予定のファイルが送られてきます。営業担当者は納入予定を正式受注として受注システムに入力し、出荷業務につなげています。発注予定ファイルは工場の生産管理部門に情報としてメールしています。営業責任者には受注の日報で結果を報告しています。また、発注予定資料は製造販売会議の参考資料としてファイルしています。
  • (2)生産管理部門では受注に対して在庫引当を行い、在庫不足分は生産予定の調整を行い、納期に間に合わす運用を行っています。生産調整を行っても納期が間に合わない時には、営業に連絡をしてお客さまと調整するような運用をしています。在庫は発注予定の情報から先行で生産を行い、確定受注に対する在庫を補充する生産形態をとっていますので、大幅な予定変更が無い限り翌週出荷する在庫が不足することはありません。
  • (3)利用しているITツールは受注・出荷・売上、発注・仕入、在庫を管理する販売管理パッケージを営業、購買で使用し、生産管理はEXCELで部品展開や生産計画を管理しています。
  • (4)業務の基準はISO9001取得時に整備した業務標準書をもとに運用していますが、受注・出荷業務の規定は基本的な手続きの定義になっており、運用は個人の判断による部分が多く、形式的な運用のレベルに留まっています。この為、受注・出荷においては、納期変更、数量変更、機種変更の連絡手続きのミスや出荷時の現品確認の漏れによる誤出荷の問題が時々発生しています。

以上がA社の現状です。

A社の受注・出荷業務について管理レベルを評価してみましょう。
前述のレベルの説明から検討すると(4)で業務基準書は存在し運用されていますが、個人的、形式的な運用に留まっています。また、業務を支援するITツールも業務間の連携が不足している状態です。この為、受注変更や出荷確認業務で問題が発生している状態です。これらを勘案すると「管理レベルは(レベル2)よりは少し上で(レベル3)には達していないと言えます。
従ってA社の評価は(レベル2.5)となるでしょう。

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