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Hitachi

株式会社 日立システムズ デジタライゼーションサービス

既存マンホールを活用し、テロや自然災害の対策を強化

2020年に向け、顧客目線で向上させるマンホールのセキュリティ

※本コンテンツは2018年9月7日にリスク対策.comに掲載された内容になります。


オリンピックに向けて急ピッチで工事が進んでいる晴海の選手村付近

上・下水道や電気、ガス、通信データが行き交う地中の配管ネットワークは、私たちの生活を支える生命線。この細やかなネットワークは、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの2大リスクであるテロと自然災害への対策において重要視していくべきではないかと考えられている。1つはテロリストの侵入経路や爆発物などの設置場所として。もう1つは豪雨で起こる浸水や冠水などによる被害だ。


サービス・ソリューション事業統括本部主任技師の上川恭平氏

これらのリスク低減のため、日立システムズではマンホールにセンサーを設置し、マンホールの開閉や内部の状態を遠隔監視するソリューションを提案している。

同社のサービス・ソリューション事業統括本部・プラットフォームソリューション事業推進本部・プラットフォームソリューション推進部・主任技師の上川恭平氏は「日立システムズでは、既存のマンホールに後付けで簡単に取り付けられるセンサーを開発しました。テロ対策用のマンホールの開閉センサー、そして豪雨対策用の水位センサーなどを揃え、マンホールの防犯・安全対策ソリューションを提供しています」と解説する。

テロの標的となりうるマンホール

東京都下水道局が発行する「東京都の下水道2017」によると、東京都内に設置されたマンホールは下水道だけに限定してもおよそ48万5千個。実際には電気・通信ケーブルの管理用やガスの配管用マンホールなども設置されているため、その数は莫大な量にのぼる。

「私たちが調査のために、とあるイベント会場の周りを1周したら、目につくものだけで500個以上のマンホールが見つかりました」(上川氏)。この1つひとつがテロリストの標的になる可能性があるのだ。マンホールから地下の配管を経由し、ターゲットをめざすのは映画の専売特許ではない。事実、日本でも過去にマンホールからの侵入による事件が発生している。

テロ対策のために、日立システムズがマンホールメーカーのトミス、防災通信システムなど屋外でのシステム構築の経験が豊富なイートラストとともに開発したのがマンホールの蓋が開けられると検知する開閉センサーだ。マンホール内に特殊なセンサーを吊るすだけで設置できる。その感度は隙間レベルを検知できるほどだ。設置作業も1ヶ所あたり10分から15分ほどと極めて短いので、多数のマンホールの設置にもスピーディに対応できるのが特徴だ。

マンホールの蓋が開けられると検知する開閉センサー。マンホール内に特殊なセンサーを吊るすだけで設置できる

同社のサービス・ソリューション事業統括本部・プラットフォームソリューション事業推進本部・プラットフォームソリューション推進部・担当部長の寺本昌由氏は「私たちは可能な限りスピーディーに導入できるように、既存のマンホールに設置できる製品の開発をめざしてきました」とする。


サービス・ソリューション事業統括本部担当部長の寺本昌由氏

「フタの丸ごと交換やマンホール自体の工事が必要な製品を導入しようとすると費用が高く、工期も長くなる。例えば42.195キロのマラソンコース周辺を考えてみるとマンホールは本当にどれだけあるかわからないほど多い。同じ費用でより多く、早く設置できる製品のほうがテロ対策効果は高い。だからこそ既存のマンホールを活用できるセンサーの開発が不可欠でした」と説明する。

もう一つの特長は、そのリアルタイム性だ。これまでのマンホールのテロ対策は、人がマンホールの内部を目視で一つひとつ確認した後に、シールでマンホール蓋を封入する方法が取られていた。

これは蓋を開けられたことを巡回警備で見つけ出す方法で、発覚までのタイムラグが生じる可能性もある。しかしセンサーなら蓋を開けられたとしても、リアルタイムで状況を把握することができる。

センサーからのデータは無線で送信され、日立システムズのクラウドで一元的に管理される。無線通信方式は都市部や山間部のほか建物内外など、多様なマンホール設置場所に適した通信方式を現地調査した上で選択する。

東京オリンピック・パラリンピックでは、すでに警備員の不足が深刻になると予想されている。マンホールの監視に開閉センサーを導入すれば人手不足対策も可能となる。東京オリンピック・パラリンピックに合わせた警備レベルの確保にも、開閉センサーなら東京周辺に限らず地方都市の会場周辺、空港や港湾まで遠隔監視で対応できる利点もある。

豪雨対策は水位計測から

一方、自然災害対策の主役は水位センサーになる。超音波で水位を計測し、豪雨による水位の変化を見守る。数十年に1度の豪雨が各地で頻発する昨今では、雨水をはじめとした排水処理や避難勧告などの的確なコントロールが求められている。そのために最も重要なのが水位データだ。

上川氏は「トミス、イートラストと開発した水位センサーも既存のマンホールに設置できるタイプです。電池の寿命は15分間隔のデータ送信で1年ほど。電池は交換しやすい形状にしました」と説明する。価格もセンサー1台あたり20万円から(1年間のシステム利用料含む)となっており、下水道関係者の関心も高まっている。

また、開閉センサーや水位センサーだけでなく、マンホール内の安全対策として、ガス検知器メーカーの理研計器との協業により、酸素や硫化水素などのガスセンサーもラインアップしている。「大規模イベントの開催は、テロを含めたさまざまな対策を見直すきっかけにもなります。本ソリューションに興味を持たれた方は気軽に相談してほしい」(上川氏)。

2020年7月24日から開催される東京オリンピック・パラリンピックまで、もう2年を切った。暮らしに潜むマンホールのリスクを回避するために、官民一体となった対策が、早急に求められている。

「大規模イベントの開催は、テロを含めたさまざまな対策を見直すきっかけにもなります。本ソリューションに興味を持たれた方は気軽に相談してほしい」(上川氏)

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