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「在庫が増えているのになぜ欠品が起こるのか?」

失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座 「ITで挑むコスト削減」編

2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。

在庫管理

(コスト削減1)
「在庫が増えているのになぜ欠品が起こるのか?」(1)
精密金属部品製造勤務のA氏。 A氏の勤務先は最近売上は落ちる、部品・素材在庫が増える、欠品率も上がり納期遵守率も落ちている。 この悪循環の原因は・・
(2009/4/15)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫

どう対策する

A氏はこの状態を解決するために緊急の対策会議を招集しました。 メンバーは製造部門長、購買部門長に加え、営業部門長に参加してもらいました。
テーマは「素材在庫の圧縮と発注量決定方法の改善」としました。
A氏が会議の趣旨と調査結果を説明し、意見を求めました。 以下が意見の要旨です。

購買部門長の意見

当時の鋼材市場は中国の経済成長の影響で海外に素材が流れ、品薄状態で、価格も上昇していたので、早目に必要量を確保して行かないと、現場に供給できなくなる恐れがあった。 素材は継続して消費して行くものだから、若干の在庫増は今後の動向次第で消費されて行くのではないか。 素材は安定供給を守ることが重要だと考えている。 ここ数ヶ月は新規の部品の調達に忙殺され、安定製品の調整までは手が回っていないのが現状である。

製造部門長の意見

製造現場を預かる立場としては素材が無ければ物は出来ないので素材の確保は重要である。 しかし、素材倉庫を見ると空きがなくなってきている。 従来の主力製品の出荷量の減少が響いている。 このままの状態が続くと危険な状態に陥る可能性がある。 最近は新規の部品注文が入って来て工程組み換えのロスや混乱も起こってきている。 受注と生産高をもっと考慮して素材調達を調整する必要がある。

営業部門長の意見

お客さまからは毎月先3ヶ月の予測を提供され、この情報は生産検討会議で出している。 最近の傾向としては各社需要の落ち込みを見込んで生産を絞ってきている。 当社も市場動向に合わせて生産・在庫を調整する取り組みが必要ではないか。 しかし、素材や部品が不足して生産が出来ないのでは営業に大きく響くので、必要量は確保して欲しい。 最近、新規に受注した製品について部品の欠品を理由に納期遅れが多く、顧客から注意を受けている。 これも踏まえて対策を検討してもらいたい。

各部門長の発言はそれぞれの部門の状況認識としてはもっともな意見です。 しかし営業と生産をつなぐ生産管理部門のA氏としては、各部門の立場、見解を踏まえたうえで、解決策まで踏み込んで議論を進める必要があります。
また、営業部門から指摘のあった納期遅延問題については、別問題にしていたことが反省事項として浮かんできました。
素材の在庫増加は購買部門、製造部門ともに新規受注品の対応に忙殺され、素材の在庫調整業務が置き去りにされたために起こりました。 また、出荷状況や受注状況の変化を発注検討要素としない形で定常業務化していていたことも原因でした。

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