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カーボンニュートラルお悩み相談室 【金融機関向け】Scope3カテゴリ15「投資」における、投融資先の排出量削減をどのように進めていけばよいかわかりません。何か良い方法はありませんか?

カーボンニュートラルお悩み相談室は、カーボンニュートラルやGX(グリーントランスフォーメーション)に関するお悩み・お困りごとに、専門家がアドバイスをするQ&Aコンテンツです。回答を通じて皆さまの脱炭素経営をバックアップします。

  • 今年からサスティナビリティ担当になった入社2年目の可児 裕(かにゆう)・通称「か~にゅ~」が、皆さまのアシスタントとして疑問・質問を一緒に解決します!

今回は、金融機関の温室効果ガス(GHG)排出量削減に関する疑問をご紹介します。回答するのは日立システムズの田熊なつ子です。

  • 田熊なつ子
  • 今回の回答者

    株式会社日立システムズ
    金融DX事業部 第一本部
    プロセスマイニングサービス部 第2グループ
    技師 田熊 なつ子

Scope3カテゴリ15「投資」における、投融資先の排出量削減をどのように進めていけばよいかわかりません。何か良い方法はありませんか?

読者からのお悩み:

地方銀行に勤めています。当社はGHG排出量算定に取り組み、Scope1、Scope2に加えて、Scope3カテゴリ15「投資」も含めた自社の排出量を算定しました。今後、排出量の削減に向けて取り組みを進めていくのですが、投融資先の排出量削減をどのように進めていけばいいかイメージがわきません。何か良い方法はありますか?
(地方銀行・Aさん)

か~にゅ~:

金融機関の方から、自社の排出量削減に向けた取り組みについてご質問をいただきました。以前取り上げた別の質問では、金融機関の排出量算定を取り上げましたが、今回は削減についての話題ですね。

田熊:

金融機関のGHG排出量は、Scope1、Scope2よりも、Scope3カテゴリ15「投資」に占める排出量が圧倒的に多くなります。質問者さんが気にされているように、投融資先の排出量削減が重要です。

か~にゅ~:

でも先生、投融資先の排出量削減ってとても大変じゃないですか?ただ「排出量を削減してください」とお願いするだけではあまり効果が無さそうですし……。

田熊:

おっしゃるとおりです。排出量の削減には具体的かつ詳細なプランニングが必要ですが、それは専門家でも時間のかかる作業です。まして、自社ではなく複数の他社に対してそれを行うのはコンサルティングの領域に近いですね。

か~にゅ~:

金融機関の方が、本業の渉外活動や融資業務をこなしながら、投融資先の排出量削減に取り組むのは難易度がとても高いように思います。何か良い方法はないでしょうか……。

GHG排出量削減に向けた計画策定や施策立案を支援してくれるシステムの活用が有効です

田熊:

1つの方法として、GHG排出量削減に向けた施策立案を支援してくれるシステムを活用する方法があります。以前取り上げた別の質問にも登場した、炭素会計プラットフォームサービス「Persefoni(パーセフォニ)」をご紹介しましょう。

PersefoniにはGHG排出量の算定はもちろん、排出量の削減に向けた取り組みを支援する機能があります。その機能の代表が「ネットゼロナビゲーター」というものです。

か~にゅ~:

ネットゼロナビゲーター……。一体どんなことができるんですか?

田熊:

一言で言うと、自社の現状や脱炭素目標にあわせて、業種固有で取り入れることのできる脱炭素施策をレコメンドしてくれる機能です。ネットゼロナビゲーターの機能・特長を詳しくご紹介しましょう。

ネットゼロナビゲーター
GHG排出量の削減目標策定と実行を支援するPersefoniの「ネットゼロナビゲーター」

1:脱炭素に向けた計画立案と施策のレコメンド

企業のGHG排出量データや、いつまでに・どのぐらい削減したいかなどの目標を入力すると、脱炭素化に向けたシナリオや施策をレコメンドしてくれます。例えば、削減目標の達成を10年以内とする/10年以上とする、などの条件設定を行うとそれにあわせたシナリオや施策を自動生成します。プランニングにかかる時間を短縮でき、実際の施策により多くの時間をかけることができます。

2:コンサルティングファームのベイン・アンド・カンパニー社が監修

脱炭素に有効な施策は、企業の業種・業界によって大きく異なります。ネットゼロナビゲーターは業界ごとの特性を理解して脱炭素施策をレコメンドします。ベースになっているのは、グローバル経営コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニー社が保有する脱炭素に関する豊富なノウハウです。経験に裏打ちされた推奨施策を可視化、検討することができます。

3:目標と実績の差異分析により、進捗確認や計画修正がスムーズに

PersefoniはGHG排出量の算定も行えます。ネットゼロナビゲーターが立案する目標数値と実際の数値を比較することで、現在推進している脱炭素計画の進捗確認や計画修正がスムーズに行えます。可視化された予実差異を関係者で共有することで、明確な目標を持って脱炭素化を推進することができます。

Persefoniを活用すれば、投融資先の排出量算定から、
排出量削減に向けた助言まで、一気通貫の流れが構築できる

か~にゅ~:

ネットゼロナビゲーターの機能や特長については理解できました。これを投融資先の排出量削減にどう活用するのでしょうか?

田熊:

Persefoniで投融資先の活動量データ収集や排出量算定を行い、それらのデータをネットゼロナビゲーターに投入すれば、投融資先の脱炭素計画や削減施策の立案が行えます。金融機関は、ネットゼロナビゲーターがレコメンドするシナリオや施策に基づいて、投融資先に助言を行うわけです。

か~にゅ~:

なるほど。その方法なら金融機関の方にも専門的なアドバイスができそうですね。

田熊:

Persefoniを活用することで、投融資先の排出量算定から助言まで一気通貫の流れが構築できます。①活動量データを収集する→②排出量算定をする→③計画作成・削減施策の助言をする→④計画進捗を確認する。この流れを毎年くり返す中で、投融資先とのエンゲージメント強化が期待できます。排出量算定・削減コンサルティングなど、新たなビジネスの開発にもつながっていくかもしれません。

か~にゅ~:

脱炭素化支援をビジネスの付加価値にするわけですね。
田熊先生、解説ありがとうございました!
今回の学びを最後にまとめておきます。

今回の学び

  • 金融機関のGHG排出量は、Scope1、Scope2よりもScope3カテゴリ15「投資」の排出量が圧倒的に多く、カーボンニュートラルの実現には投融資先の排出量削減が必要になる。
  • Persefoniのネットゼロナビゲーターは、自社の現状や脱炭素目標にあわせてGHG排出量の削減施策をレコメンドしてくれる機能。金融機関はこれを活用することで、投融資先の排出量削減を支援することができる。
  • 金融機関はPersefoniを活用することで、投融資先の排出量算定から、脱炭素化に向けた計画策定や施策立案まで、一気通貫の流れを構築することができる。
か~にゅ~:

脱炭素経営の実現に向けて、これからもたくさんの質問にお答えします。次回もお楽しみに!

お知らせ

日立システムズは、本記事でご紹介した炭素会計プラットフォームサービス「Persefoni(パーセフォニ)」を提供しています。Persefoniを活用したGHG排出量算定・可視化にご興味のある方は、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

炭素会計プラットフォームサービス「Persefoni(パーセフォニ)」Webサイト

カーボンニュートラルお悩み相談室では、カーボンニュートラルやGX(グリーントランスフォーメーション)、脱炭素経営に関する読者の皆さまからの疑問や質問を募集しています。お悩みは下記フォームよりお気軽にお寄せください。

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