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カーボンニュートラルお悩み相談室 「太陽光発電」はカーボンニュートラルの推進施策として有効でしょうか?費用対効果やGHG排出量の削減効果が気になります

カーボンニュートラルお悩み相談室は、カーボンニュートラルやGX(グリーントランスフォーメーション)に関するお悩み・お困りごとに、専門家がアドバイスをするQ&Aコンテンツです。回答を通じて皆さまの脱炭素経営をバックアップします。

  • 今年からサスティナビリティ担当になった入社2年目の可児 裕(かにゆう)・通称「か~にゅ~」が、皆さまのアシスタントとして疑問・質問を一緒に解決します!

今回は、太陽光発電に関する疑問をご紹介します。回答するのは日立システムズの田代です。

  • 部長代理 田代雄資
  • 今回の回答者

    株式会社日立システムズ
    中部支社 第二営業本部 第三営業部 プラットフォームグループ
    部長代理 田代雄資

  • 本記事の最後に、本記事の内容に関連したホワイトペーパーダウンロードのお知らせがあります。最後までぜひご覧ください。

* カーボンニュートラルお悩み相談室では、読者の皆さまからの疑問・質問を募集しています。詳しくは本記事の最後をご覧ください。

「太陽光発電」はカーボンニュートラルの推進施策として有効でしょうか?費用対効果やGHG排出量の削減効果が気になります

読者からのお悩み:

カーボンニュートラルに向けた取り組みの1つとして、太陽光発電の導入に興味を持っています。しかし、「初期費・維持費などコストが高い」「発電量が安定せず費用対効果が悪い」などの評判も聞くため、導入検討を慎重に進めています。実際のところ、太陽光発電はカーボンニュートラルの推進施策として有効でしょうか?費用対効果やGHG排出量の削減効果が気になっています。
(小売業・Aさん)

か~にゅ~:

今回は太陽光発電に関する質問ですね。太陽光発電は、再生可能エネルギーの中でも比較的導入しやすいエネルギーとして注目を集めていますよね。

田代:

太陽光発電は2012年に始まった「固定価格買取制度(FIT)」により、売電収入を目的とした導入が一気に進みました。しかし、売電価格が年々値下がりするにつれて、売電目的の太陽光発電は曲がり角を迎えています。2024年現在、新たに太陽光発電の導入を検討する企業は、自家消費を目的とするケースが多いと思います。

か~にゅ~:

質問者さんが気にされている「初期費・維持費などコストが高い」「発電量が安定せず費用対効果が悪い」についてはどう思われますか?

田代:

日立システムズは太陽光発電の導入をサポートする「自家消費型 創エネ蓄エネサービス」を展開しています。太陽光発電を取り巻く現在の状況や、太陽光発電の導入に失敗しないためのコツをお話したいと思います。

「太陽光発電」の導入シミュレーションを事前に行うことで、GHG排出量や電気代の削減見込みがわかり、費用対効果の高い導入が行えます

田代:

太陽光発電には確かに、ランニングコストがかかる、悪天候時や夜間には発電ができない、といった一面があります。しかし、最近はエネルギー事情の変化や技術の進展により、太陽光発電のメリットが以前よりも大きくなっており、導入の価値は十分にあると考えています。理由は大きく以下の2つです。

  • 理由1:電気料金の高騰により、太陽光発電が割安になっている

    世界的な地政学リスクによりエネルギー価格が高騰し、法人向け電気料金が値上がりしています。その結果、電力会社の電気に加え、一部太陽光発電の電気を組み込む方が電気代を抑えられるケースが増えています。未来の予測は難しいですが、電力会社の電気料金が今後下降トレンドに転換する可能性はそれほど高くないため、太陽光発電の割安感はしばらく続くものと思われます。

  • 理由2:蓄電池をはじめとする再生可能エネルギー技術の発展

    太陽光発電には、発電した電気を使いきれない、悪天候時や夜間に発電できないなど、自家消費を行ううえでの弱点がありました。この弱点を補うのが「蓄電池」です。日中の太陽光で発電した電力の余剰を蓄電池に蓄えておけば、悪天候時や夜間にも電気が使えるほか、災害による停電発生時の非常用電源としても役立ちます。太陽光発電と蓄電池を組み合わせたエネルギーシステムは以前からありましたが、近年は蓄電池の大容量化や機能進化により太陽光発電の安定性が向上しています。

か~にゅ~:

蓄電池の機能進化とは、具体的にどのような進化ですか?

田代:

例えば「自動制御」が挙げられます。近年の蓄電池には、気象予測データを基に未来の太陽光発電量を予測し、放電・充電を自動で制御するものがあります。晴天が続き多くの太陽光発電量が見込める場合には積極的に放電を行い、逆に悪天候が続く場合は万が一に備えて充電率を高める制御を行います。

自動制御は電気代の削減にも有効です。業務用電気の基本料金は、1年間で電力消費を最も使ったピーク値で決まります。自動制御機能を搭載した蓄電池は、電力消費が設定したピーク値を上回らないよう、放電を自動制御することで電気代の削減に貢献します。

か~にゅ~:

驚きました!最近の蓄電池は機能が進化しているんですね。

「太陽光発電」は、導入前にシミュレーションを行うことで、
費用対効果をはじめとする導入価値を検証することができます

田代:

さらに、太陽光発電は設置場所や年間日照量、現在の電気代などのデータから、導入した場合の費用対効果をシミュレーションできるので、事前に太陽光発電の有効性を検証することができます。

日立システムズが太陽光発電の導入を支援するケースでは、通常2段階の事前シミュレーションを実施しています。最初のシミュレーションでは、太陽光発電の導入対象拠点における直近1年分の30分デマンドデータ(30分間の平均使用電力)をお預かりし、再生可能エネルギー設備を導入した場合の費用対効果を試算します。

試算の結果、採算が十分に見込める場合は、次に現地調査を含む詳細シミュレーションを実施します。詳細シミュレーションでは、太陽光電池パネルの設置枚数に基づき、電気代・CO2の削減量予測、再エネ率予測(使用電力に占める再生可能エネルギーの割合)などを算出します。設備をリース契約で購入した場合の月々の支払いやメンテンナンス費などのキャッシュフローの試算にも対応しています。

か~にゅ~:

キャッシュフローを含む詳細なシミュレーションを行ったうえで太陽光発電を導入できるのであれば安心ですね。

田代:

事前シミュレーションを行うことで太陽光発電に関する不安の大部分は払拭できると思います。導入コストや費用対効果など、太陽光発電の導入効果が気になる企業は、ひとまずシミュレーションを行ってみてはいかがでしょうか。

本記事の最後に、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた再生可能エネルギー設備の導入事例ホワイトペーパーダウンロードのお知らせや、太陽光発電+蓄電池の導入シミュレーションのお知らせがあるので、そちらもチェックしてみてください。

か~にゅ~:

田代先生、わかりやすいご説明ありがとうございました!今回の学びを最後にまとめておきます。

今回の学び

  • エネルギー事情の変化や技術進化により、太陽光発電のメリットが以前と比較して大きくなっている
  • 太陽光発電に蓄電池を組み合わせることで、電気を使いきれない、悪天候時には発電できない、といった太陽光発電の弱点を克服できる
  • 事前シミュレーションを行い、導入効果やキャッシュフローを試算することで太陽光発電の導入に関する不安を払拭できる
か~にゅ~:

脱炭素経営の実現に向けて、これからもたくさんの質問にお答えします。次回もお楽しみに!

お知らせ

岡山トヨタ自動車株式会社様は、日立システムズの「自家消費型 創エネ蓄エネサービス」を利用し、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた再生可能エネルギー設備を笠岡店・児島店の2店舗に導入しました。詳細をまとめた導入事例ホワイトペーパーを下記より無料ダウンロードいただけます。ぜひご覧ください。

  • 本導入事例のポイント

    • 太陽光発電と蓄電池を組み合わせた再生可能エネルギー設備を導入。事前シミュレーションにより、年間電気代約140万円、年間CO2排出量約12tを削減する見込み
    • リース契約により設備購入費・工事費などの初期費用をゼロ円で導入
    • 太陽光発電+蓄電池を非常用電源として利用することで、BCP対策も同時に実現

本記事でご紹介した「自家消費型 創エネ蓄エネサービス」では、導入価値を検証する事前シミュレーションをお試しいただけます。過去1年分の30分ごと電力データから、お客さまの電気代削減効果をシミュレーションします。まずはお気軽にご相談ください。

カーボンニュートラルお悩み相談室では、カーボンニュートラルやGX(グリーントランスフォーメーション)、脱炭素経営に関する読者の皆さまからの疑問や質問を募集しています。お悩みは下記フォームよりお気軽にお寄せください。

日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。