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株式会社 日立システムズ

第3回 契約の電子化でテレワークを推進!

2022年7月

第3回 契約の電子化でテレワークを推進!

こんにちは。田中慎太郎と言います。都内の私立大学の政治経済学部に通う2年生です。ゼミのOGである美咲いずみさんのベンチャー企業でインターンをさせてもらうことになりました。今日は紙での契約をやめ、電子契約に乗り換えを検討している会社に伺います。

美咲いずみ

株式会社DXファームCEO

5年間のITエンジニアの経験をもとにフリーのITコンサルとして独立
7年ITコンサルタントを務めたのち、起業

田中慎太郎

大学2年生
DXファームのインターン生

早川久志

エレキシープ不動産 CIO

電子契約サービスが必要な背景とは?


いずみ

おはようございます。


慎太郎

おはようございます。


いずみ

オンラインミーティングを始める前に軽く打ち合わせをしましょう。


慎太郎

今日、お伺いする会社は従来の紙での契約から電子での契約に乗り換えようとしているとおっしゃっていましたね。


いずみ

はい、その通りです。コロナ禍以降、テレワーク推進に伴い、契約締結の電子化が今まで以上に普及するようになりました。


慎太郎

ニューノーマルですね。


いずみ

ええ、テレワーク可能な環境づくりには、こうした紙ベースのバックオフィス業務をDXしていく必要があります。


慎太郎

紙ベースだと押印をするために出社せざるを得なさそうです。


いずみ

次の図を見てください。2020年度に電子決済、電子契約システムを導入している企業を対象に、社内および、社外との手続きの電子化について尋ねた結果です。

  • (出典)総務省(2021)「デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究」


慎太郎

社内の手続きが5割以上電子化されている企業は7割程度なのに対して、社外の手続きは5割に留まっていますね。それどころか、社外の取引を全く電子化していない企業も25%ほどあります。


いずみ

現状は、社内業務の効率化に偏っていますね。しかし、コロナ以降のニューノーマルでは社外取引にも電子化は必要になってくるはずです。


慎太郎

ちなみに今日お伺いするのは、どんな会社なのですか?


いずみ

エレキシープ不動産という、従業員500人ほどで分譲マンションの総合管理業やビル管理業、不動産賃貸業などを行う会社です。


慎太郎

なるほど、契約締結の業務が多そうな会社ですね。


いずみ

では、そろそろ時間です。オンラインミーティングの準備をしましょう。

(数分後)


早川

こんにちは。エレキシープ不動産のCIO、早川久志と申します。


いずみ

初めまして、DXファームの美咲いずみです。今回、田中も同席します。


慎太郎

こんにちは、田中慎太郎です。よろしくお願いいたします。


早川

よろしくお願いいたします。


いずみ

弊社のホームページよりお問い合わせいただきありがとうございます。御社のDXを成功させるために丁寧なコンサルティングを心がけていきます。


早川

ありがとうございます。

従来の契約が抱える課題


いずみ

では、早速ですが、本題に入りたいと思います。今回、お問い合わせいただいた内容によると紙での契約業務に困っていて、その辺りをDX化したいとのことですが、詳しくお聞かせください。


早川

はい。弊社は不動産業をメインに行っております。そのため、毎日さまざまな契約を取り交わしております。昨今のデジタル化の流れの中でいつかは契約の電子化をしなければと思っていましたが、特に緊急性もなかったので後回しにしていたのです。しかし、新型コロナウイルスの流行でテレワークを導入するなど、仕事の環境がこの1、2年で大きく変わりました。そこで、そろそろ電子化に乗り出したいと。ただですね、検討しようにも同様のサービスを提供する会社が多く、悩んでいます。サービスを選ぶポイントや、そもそも電子での契約とはどのようなものなのかを知りたいと思いまして。


いずみ

承知いたしました。そもそも電子契約サービスとは、これまで「紙と印鑑」によって締結していた書面契約を電子ファイルと電子署名や電子サインを使ってインターネット上で契約締結し、そのまま電子データとして自社サーバーや、クラウドに保管する方法のことです。


早川

なるほど、データをサーバーやクラウドで保管できるのはいいですね。


いずみ

現在の紙ベースの契約で困っているのはどのような点になりますか?


早川

3つほどありまして。


いずみ

では、一つずつお聞かせください。


早川

一つ目は、印紙税の負担が大きすぎるということです。紙ベースの契約ですと、どうしても契約用紙に収入印紙を貼らなければなりません。そのため、収入印紙にかかるコストは非常に大きいのです。そもそも、この印紙税の負担をなくしたいというのが電子化を検討するきっかけになっています。


いずみ

なるほど。確かに御社のような契約件数が多い企業では印紙税の負担は大きそうです。


早川

二つ目は、リモートワーク環境で契約業務が困難になってきたという点です。契約業務は押印などの必要性から、なかなか非対面・非接触での業務遂行が難しい状況です。署名や捺印の電子化が課題になっているのです。


いずみ

まさにその理由で、ここ数年の間に契約の電子化に踏み切る企業が増えています。


早川

三つ目は、契約締結までの工数が多すぎるということです。現状、契約書作成のたびに本社・支店間で書類の郵送を行う必要があり、契約の締結まで時間がかかります。契約書の作成・審査・承認など契約事務作業のワークフロー化が課題になっています。


いずみ

契約の電子化をすれば、そういった郵送で生じるタイムロスがなくなりますね。工数を減らし、業務のスリム化を実現できそうです。

電子契約を導入する上で意識すべきこと


早川

電子契約を導入するにあたり、メリットとデメリットを把握しておきたいです。


いずみ

メリットとしては、先ほど早川さんがおっしゃった課題を解決できるところです。電子契約を導入すれば、印紙税だけでなく、印刷、製本、郵送といったコストも削減できます。さらにこういった業務には人件費もかかりますから、その点でも大幅なコスト削減が見込めます。


早川

助かります。


いずみ

もちろん、リモートワークも可能になります。データはクラウドで管理すれば、どこからでもアクセスが可能になります


早川

お目当ての契約書を、大量にある契約書の山から探す作業もなくなりそうですね。


いずみ

業務全体のスリム化、効率化も見込めます。印刷・製本・押印・郵送という契約締結に必要なプロセスが省略できます。契約の進捗を常に確認出来るので、契約漏れなどもすぐに見つけることが可能です。


早川

契約の不備を見つけた時の修正も大変な作業でした。それらもなくなるなら本当にうれしいです。では、逆にデメリットはなんでしょうか?


いずみ

デメリットとしては、まず思い付くのはセキュリティです。これは電子契約に限らず、あらゆるクラウド系のサービスで一番意識しておくべきことと言えるでしょう。


早川

データが漏洩なんかしたら大変だ。


いずみ

また、電子契約をめぐる議論は最近活発になってきていますが、電子契約を認められない契約書が一部にあります。そういった契約については従来の運用で乗り切るしかないですね。


早川

契約業務を電子化しても、紙面での契約も場合によっては必要ということですね。


いずみ

こういったメリットとデメリットを踏まえて、契約を電子化するうえで重視すべきポイントは、やはりセキュリティ管理と従来の業務フローと両立できるサービスを利用することです。セキュリティ管理のしっかりしている業者を候補に入れつつ、同時に現在の業務フローを見直し、スムーズに導入出来そうなサービスを選ぶべきです。


早川

契約の電子化をするということは、現在の業務フローに変更を加えるわけですから、拙速な導入はむしろ足かせにもなりかねませんね。


いずみ

ましてや、契約の業務フローの変更は御社とそのお客さま双方に影響を与えますから、しっかりと関係各所と導入に向けて計画を立てるべきです。社内のみならず、これまでの、そしてこれからのお客さまにしっかりと説明をし、周知したうえで導入をするのが良いと思います。


早川

よし、じゃあまずは業務フローの見直しから始めたいと思います。今日はありがとうございました。


いずみ

ありがとうございました。


慎太郎

ありがとうございました。

まとめ


いずみ

今回同席して、いかがでしたか?


慎太郎

契約の電子化のニーズが非常に高まっているのを感じました。新型コロナウイルスの流行がその傾向を促進し、アフターコロナのニューノーマル社会でもその傾向はさらに強まっていきそうです。
契約の電子化のメリットは、
「コスト削減」「テレワークの実現」「業務のスリム化」ですね。
しかし、その反面、デメリットとしては、
「セキュリティ」と「現行の業務フローとの併存」があります。
そのため、導入には「セキュリティ」を確保しつつ、現在の業務フローを見直し、無理なく電子化を進めていく必要がありそうです。


慎太郎

ちなみに、電子契約サービスにはどんなものがあるのでしょうか?


いずみ

日立システムズの「電子契約サービス」というサービスがあります。


慎太郎

ストレートな名称ですね。


いずみ

はい。日立システムズの「電子契約サービス」は、「ワンストップ型電子契約ソリューション」と「Adobe Acrobat Sign」のふたつで構成されています。


慎太郎

ワンストップ?


いずみ

ワンストップは、ひとつの場所でさまざまなサービスが受けられる環境、場所のことを言います。


慎太郎

ということは、「ワンストップ型電子契約ソリューション」は電子契約のあらゆる工程を一括でやってくれるサービスという感じですか?


いずみ

はい、その通りです。「ワンストップ型電子契約ソリューション」は契約書の自動作成から社内稟議、契約後の文書管理をワンストップで行うサービスです。


慎太郎

あえてワンストップと明記するということは、そうじゃない電子契約サービスが多いということでしょうか。


いずみ

いざ、電子契約を導入しても、電子契約書を作るのに時間がかかったり、紙ベースの社内稟議で契約書の電子化が無意味になっていたり、電子化した契約文書を管理する仕組みがなかったりすることは多々あります。


慎太郎

それでは電子化をする意味がないですね。


いずみ

そういった電子契約に伴う問題点をワンストップで解決するのが「ワンストップ型電子契約ソリューション」になります。


慎太郎

なるほど。


いずみ

まず、契約書の自動作成が可能です。契約書のひな形を一度登録しておくと、必要なデータを登録するだけで、契約書を自動作成します。


慎太郎

それはラクチンですね。現場の人たちに歓迎されそうです。


いずみ

次に、社内ワークフローです。社内稟議は、ワークフローで電子化します。画面上で契約内容を確認して、承認や差し戻しなどが行えます。


慎太郎

導入のハードルを大きく下げてくれるポイントですね。


いずみ

また、契約書の送信も可能です。社内決済の後は、自動的に相手先に署名依頼をします。契約相手先は、本サービスの契約は不要で、メールアドレスのみで署名依頼が届きます。


慎太郎

相手先にも負担をかけないのはいいですね。


いずみ

文書管理も可能です。契約締結後は自動的に文書を管理します。また検索機能も充実しています。


慎太郎

これまでのように時間をかけて必要な契約書を探さなくて済みそうです。


いずみ

続いて、クラウドサービスである「Adobe Acrobat Sign」について見ていきたいと思います。


慎太郎

アドビって、あの「Adobe」ですか?


いずみ

はい、「illustrator」や「Photoshop」の「Adobe」です。


慎太郎

それだけで安心感があります。


いずみ

「Adobe Acrobat Sign」はグローバルで認められたセキュアな電子契約サービスになります。「Adobe Acrobat Sign」を用いることで契約に要する時間やコストを削減出来ます。


慎太郎

なるほど。


いずみ

「Adobe Acrobat Sign」はクラウドサービスです。


慎太郎

クラウドは本当にDXの鍵だと実感します。


いずみ

電子契約においてクラウドサービスを利用するメリットは3つあります。


慎太郎

3つ?


いずみ

一つ目は、PC、モバイル等のインターネット接続に可能な環境であれば利用可能である点です。
二つ目は、在宅勤務などのリモートワークでも契約締結のプロセスが可能である点です。
三つめは、出張時も外出先から決済、署名の処理が可能である点です。


慎太郎

クラウドの強みが前面に出ていますね。


いずみ

業務のプロセスを確認していきたいと思います。まず、自社では契約書や仕様書などの添付書類を「Adobe Acrobat Sign」にアップロードします。「Adobe Acrobat Sign」で暗号化されたデータは、署名依頼メールとして契約先・取引先に送付されます。契約先・取引先では閲覧・確認・署名を行い、署名済の書類をPDFにして「Adobe Acrobat Sign」にアップロードします。アップロードされた書類は自社でも確認出来ます。


慎太郎

一連の流れがスムーズですね。


いずみ

何より、アップロードされる「Adobe Acrobat Sign」のクラウドがセキュアな環境であるのが強みです。作成されるPDFの契約書面は法定基準を遵守したセキュリティと安全性を確保しています。


慎太郎

セキュリティ面も安心です。


いずみ

「ワンストップ型電子契約ソリューション」と「Adobe Acrobat Sign」が組み合わさって「電子契約サービス」になります。「ワンストップ型電子契約ソリューション」で作成したワークフローを「Adobe Acrobat Sign」に連携し、スムーズな契約業務を遂行できます。


慎太郎

どんな導入効果が考えられますか?


いずみ

まず、「低コスト化」です。電子契約になったことで契約事務に関わる作業時間を大幅に削減することになります。また、電子契約は契約金額にかかわらず印紙税が不要なのでこれまで負担になっていた印紙税を払わなくてよくなります。郵送に要する切手代や印刷代などのコストを削減できます。さらに、契約毎に紙が発生しなくなったため、契約書保管スペースが不要になります。


慎太郎

一つ一つは小さなコストでも、すべてを合わせたら大幅なコスト削減になりそうです。


いずみ

次に、「効率化」です。契約書作成において、記載主要項目の自動作成と契約事務のワークフロー化を実施しました。契約書自体を電子化したため、署名・押印の電子化も実現し、また紙書面の電子データ化によって検索時間が大幅に短縮されることになりました。


慎太郎

仕事がスリムになって、社員の満足度も上がりそうです。


いずみ

最後に、「セキュリティ」です。クラウドを利用することでセキュアな環境でのデータ保管を実現しつつ、電子書面の高い見読性を維持します。


慎太郎

なるほど、これは素敵なサービスですね。契約の電子化でのデメリットを克服しているように思います。早川さんにも紹介しましょう。

  • * この物語は、筆者の見解をもとに構成されています。
    日立システムズの公式見解を示すものではありません。
  • * 文章中に記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
  • * 本内容は2022年7月時点での情報です。

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