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株式会社 日立システムズ

ネイティブが使うビジネス英語

第7回 あなたの英語が不自然な理由

言葉にならない感覚

こんにちは!にっぽん大好きなジャックです!

問題なく英語で会話できているのに、上手く伝わっていない気がする。あるいは、会話の内容を完璧に理解していたと思っていたのに、なぜか認識がずれていた。それはもしかすると、英語スキルの問題ではなく、文化の違いによって生じているのかもしれません。
言語は文化的価値観とは切っても切れない関係にあります。私たちが使っている言葉によって形成されている文化とは、一体なんなのでしょうか?

言語が土に深く根ざす木であるとするなら、文化とは「土」です。枝先に生える言葉(ことのは)を根本に向かって辿ると、見えずとも土の中には根が張り巡らされていて、そこにひとつの世界観が存在します。葉先の緑が土の豊かさを表すように、文化も言語によって表現されます。そして根に近づくほど、言語は言葉にならない曖昧な「感覚」になります。そうすると、同じ言語で会話していたとしても「感覚」が異なることによって、認識に違いが出てくる場合があります。
では、欧米人と日本人が見ている世界には、どのような違いがあるのでしょうか? 言語と文化の関係について理解を深め、ネイティブスピーカーの視点や感覚を知ることで、英語力を向上させる方法をご紹介します。

旅人と村人

数年前、私がニューヨークに拠点を置く日系企業に勤めていたときのことです。ビジネスネットワークを広げるため、積極的に現地の日本人と交流を図っていました。彼らは皆、英語が堪能でしたが、ある知人との会話で軋轢(あつれき)が生じてしまったことを覚えています。

ジャック: Are you going to the business mixer this evening?
(今夜のビジネス交流イベントに参加する予定ですか?)

知人  : I’m not sure. I don’t think the event is related to my company’s line of work…also I have a meeting with the head office tonight so it might be tough to make it.
(どうかなぁ…、うちの会社の業種とあまり関係がなさそうだし…。それに今夜は本部との打ち合わせもあって参加するのは厳しいかもしれないな)

ジャック: Yeah, I don’t really want to go either, but they say “When in Rome, do as the Romans do”.
(そうですねぇ、僕もそれほど行きたくはないんですけどね、「郷に入っては 郷に従え」というじゃありませんか)

知人  : Yes, maybe I should go, but I am really busy… I’ll see if I can make it there later.
(うん、参加すべきなのかもしれないけど、本当に時間に余裕がなくて…。行けるかどうか検討してみるよ)

実はこの会話で、知人と気まずい雰囲気になってしまい、私はイベントに出席しましたが、知人は現れず、その後の連絡も途絶えてしまいました。二人とも英語で会話していたのに、何かがかみ合っていなかったようです。一体、どこに問題があったのでしょうか?

知人は流暢に英語を話すことができる人でした。問題の核心は、文化的価値観とそこに関連する考え方にあると言えるでしょう。知人との気まずい会話があってしばらくして、私は“When in Rome, Do as the Romans Do” というフレーズが、日本語では「郷に入っては郷に従え」と翻訳されるということを知り、気まずい雰囲気になってしまった理由に察しがつきました。私は知らないうちに、押し付けがましい伝え方をしていたのです。
アメリカ人が“When in Rome, Do as the Romans Do”を使う場合、「新しいことを試してみよう」とか「新しいことを体験する良い機会だ」といった意味合いを含みます。一方で「郷に入っては郷に従え」と言う日本語は、「従うべきルール」とか「村の掟」といった意味合いが強いように思います。
この違いは、新しい文化を知ろうとする旅人と、異邦人にその土地のしきたりを教える土着の住民という、文化的に異なる視点を示唆しているように思います。視点の違い、そこから生まれる微妙な感覚の違い、それが言語に現れているのです。

話し手の意図を知る

文化的価値観の違いは興味深い主題ではあるものの、おそらくスピーキングや理解力といったテクニックの面では役には立たないでしょう。ただ、このような価値観の違いを普段から意識することで、ネイティブスピーカーの意図と自身の視点との違いが掴みやすくなるはずです。
これは、英語を上手に話すテクニックを身につけているといったこと以上に、大切な感覚ではないでしょうか? 私たちは価値観を共有するために言葉を使っていると思いがちですが、その違いを理解し合うことこそが言語の本質であると私は思います。

今月の決め台詞はこれだ!

“go with the flow(流れに身を任せる)”

自分が属するグループの意向や、まだ見ぬ提案を前向きに受け入れる意思があることを示したい場合、“go with the flow”というフレーズを使ってみましょう。意味は、日本語でも英語でも同じで、「流れに身を任せる」です。

例1

A: What does everyone want to eat for lunch?
(みんな、ランチどうする?)

B: Anything is ok with me. I’ll go with the flow.
(僕はなんでもいいよ。皆の流れに身を任せる。)

例2

A: Do you have any plans for the holidays?
(休暇中の予定は決まっているの?)

B: Not yet, I’m just going to go with the flow and see what happens.
(まだ何も。まぁ流れに身を任せるさ。)

「ビジネス英語」に関するクイズにトライしてみませんか?

※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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