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株式会社 日立システムズ

災害発生時における自治体の
初動を支援するキットを販売

地域住民の安全・安心を守るために

社会への視点

「対応状況の把握や迅速な情報伝達がしにくい」という課題が浮上

東日本大震災以降、各自治体は地域防災計画の改訂や全庁BCP*1の策定などに積極的に取り組んでいます。さらに近年、地震や津波だけでなく、地球温暖化や異常気象の影響で風水害も増加傾向にあり、国や自治体において「タイムライン*2」の策定を進めるなど、風水害対策に取り組んでいます。しかし、日立システムズが各自治体に対して実施したヒアリングでは「災害対応マニュアルに依存する部分が大きいが、災害対応マニュアルに則した行動の浸透が十分に図れていない」「初動時は全庁での横断的な動きが難しく、全体の対応状況の把握や迅速な情報伝達がしにくい」という課題が浮上しました。

*1
BCP:Business Continuity Plan/事業継続計画
*2
タイムライン:「いつ」「誰が」「何をするのか」をあらかじめ時系列で整理した防災行動計画

最大深度別地震発生状況の推移(気象庁)

震度 1 震度 2 震度 3 震度4以上 合計
震度 4 震度 5弱 震度 5強 震度 6弱 震度 6強 震度 7
2006年 862 340 113 25 3 0 0 0 0 1,343
2007年 1,351 520 170 48 4 2 1 2 0 2,098
2008年 1,216 483 163 34 6 0 1 1 0 1,904
2009年 1,068 399 124 36 3 0 1 0 0 1,631
2010年 883 294 99 32 5 0 0 0 0 1,313
2011年 6,518 2,863 976 253 45 17 4 4 1 10,681
2012年 2,010 816 232 65 12 4 0 0 0 3,139
2013年 1,523 613 187 52 5 6 1 0 0 2,387
2014年 1,328 535 134 46 7 1 1 0 0 2,052
2015年 1,175 474 149 34 5 5 0 0 0 1,842
2016年 3,575 1,590 561 149 17 5 5 2 2 5,906
2016年は1月1日から10月31日までの数値

2016年台風第10号による人的・物的被害(消防庁)

人的被害(人) 物的被害(棟)
死者 行方不明者 重傷者 軽傷者 全壊 半壊 一部破損 床上浸水 床下浸水
北海道 2 2 0 2 30 91 913 135 302
青森県 0 0 3 4 0 0 136 2 24
岩手県 20 3 0 4 472 2,279 75 104 1,357
宮城県 0 0 1 0 0 0 12 0 6
秋田県 0 0 1 0 0 0 3 0 0
福島県 0 0 0 0 0 0 1 0 0
合計 22 5 5 10 502 2,370 1,140 241 1,689
2016年10月26日までの統計数値

日立システムズ
のアプローチ

災害発生時の行動手順を
体系化した「初動支援キット」を開発

日立システムズは、東日本を中心とした150以上の自治体に実施したヒアリング結果を基に、災害発生時の行動手順を体系化。さらに、体系化した手順の実行を支援するアプリケーション群とITインフラ・付帯設備をセットにした自治体向けの「初動支援キット」を開発しました。千葉県旭市の協力のもと実証実験を行った結果、旭市から「職員の初動において役に立つ」と高評価だったことから2016年9月から自治体向けに販売しています。
さらに、さまざまな自治体に対して地震・津波モデルを提案するなか「風水害発生時の初動も支援してほしい」という声が多く寄せられたことから、風水害モデルを開発。2017年6月から販売を開始しました。

初動支援キットの
概要

職員の安否確認・参集、
体制配備などの一連の初動活動をサポート

「初動支援キット」には、以下のような機能が含まれています。

  • 所属部署や役割に応じて各職員が次に行動すべき内容をスマートデバイス上で確認できる。
  • 各職員の行動内容や行動時間を記録・可視化し、災害対策本部で初動全体の進捗状況を把握して各職員に対する的確な判断や指示を支援する。
  • 地図情報システムや防災マップと連携し、避難所の情報や避難すべき方向をスマートフォンを通じて住民向けに発信できる。
  • 災害対策本部が避難所の受け入れ状況をタイムリーに把握できるように支援する。

また、これらのアプリケーションを災害時においても安定的に利用できるようにするため、可搬型ケースに収納された災害対策本部向けのサーバーやPC、スマートデバイス、無線LANなどのITインフラに加え、非常用発電機などの電源設備もセットで提供します。これによって庁舎が被災した場合や地域防災拠点(避難所)でも、初動をサポートできます。
また、風水害モデルでは、台風の接近や豪雨予測、河川の水位上昇など災害発生前から自治体職員の初動が開始されること、天候や河川の水位の状況などによって配備体制が変動することを踏まえ、以下の特長を有しています。

  • 災害発生前72時間のタイムラインを考慮した職員災害対策マニュアルなどを実装
  • 気象の変化に応じた配備体制の移行をサポート
  • 自主避難、避難勧告、避難指示の的確な判断を支援

初動支援キット(風水害モデル)の利用イメージ 初動支援キット(風水害モデル)の利用イメージ

将来展望

災害リスクに備えた体制づくりをサポート

今後も、日本には30~50年の間に巨大地震が発生する可能性があるといわれているほか、国土の7割が山地や丘陵地のため水害や土砂災害などの自然災害のリスクも高いといわれています。そうした災害対策を支援するため、これからも各自治体の声を聞きながら「初動支援キット」を幅広い地域に展開していきます。
さらに、自治体向けだけでなく、一般企業向けにも「初動支援キット」の対応範囲を拡大し、より多くの方々の安全と安心をサポートしていきます。

日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。