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株式会社 日立システムズ

総務のプロに聞く 総務・人事部門のIT活用術:戦略総務に向けた第一歩としてIT活用を考える

いま、総務・人事部門には、組織が競争力を維持・強化できるような役割が求められています。限られた時間・費用・人手の中で、社内の活性化やイノベーションを起こす環境づくりなどの戦略的業務を実現するために、総務・人事部門はいかにITを活用すべきか。『月刊総務』編集長の豊田健一氏に、計画的・戦略的な観点からアドバイスをいただきました。

総務・人事部門が担うべき役割に変化が起きている

総務は縁の下の力持ち的存在と言われてきましたが、その役割が変化していると実感しています。私が編集長を務める『月刊総務』では、2年に一度、総務部門に向けたアンケートを実施していますが、近年は、「オフィスを働きやすくしたい」「社内コミュニケーションを活性化したい」「イノベーションが起こる環境をつくりたい」といった意見が目立ってきました。総務部門向けセミナーを開けば、これまでの仕事だけではなく、組織や業務改革に取り組み、会社を動かしていこうという考えをもつ参加者が増えています。つまり、総務の仕事を「守り」と「攻め」に分けたとき、「攻め」の意識が強くなり、従来の管理型総務から、より経営的立場に近づいた戦略総務へとシフトしていると考えられます。

こうした背景には企業の経営環境のさまざまな変化があります。たとえばBCP(事業継続計画)への対応。東日本大震災の教訓から、企業は想定外の出来事が起こっても事業を継続できることが求められています。ほかにもCSR活動やコンプライアンス、セキュリティの重視といった経営マネジメントの変化も影響しています。また、ダイバーシティ活動も注目されてきています。労働力不足を補い、雇用を安定させるため、多様な人材が快適に働ける職場環境を実現させたり、教育研修も充実させたい。こうしたさまざまな課題に柔軟に取り組めるのは総務・人事部門しかありません。

人と人の交流を促進し、社内コミュニケーションの活性化に取り組みたいところですが、現状の総務・人事部門ではそうした新しい取り組みに割ける余力がなく、なかなか実現していないのが実情です。なぜなら、総務・人事部門は常に経費削減や生産性向上といった経営課題に対処し、人員を絞られた状態で業務にあたっているからです。こうした状況下で、攻めの業務を増やしていくことは大変な労力を要します。時間をつくるために、ITの活用やアウトソーシングはいわば必然の対策として用いられています。

場を仕掛けることで社内コミュニケーションを活性化

社内コミュニケーションを活性化するカギとなるのが組織の最小単位である「人」です。きっかけがあれば人と人のコミュニケーションは活発になります。私はよく「総務は場の仕掛け人になれ」という話をしています。ここで言う「場」とは2つあります。1つ目は「オフィス」をコミュニケーションが生まれる場につくり変えるというもの。個々の席を固定しないフリーアドレスのように、毎日使うオフィス環境を工夫することも方法の1つです。

2つ目は「イベント」で、普段交わらない人と関わることで化学反応起こそうというものです。イベントよりも、毎日使うオフィスを工夫する方が継続的な効果が期待できます。
岡山県のある販売代理店さんは、ゴミ箱がオフィス内に1か所しかなく、職場の皆さんはゴミを捨てるためにわざわざそこに行かなければなりません。面倒ですが、ゴミ箱まで行くと他部署の人と顔を合わせることで、会話のきっかけが生まれます。動線の中にあえて非効率をつくってコミュニケーションを生み出すわけです。
IT・ゲーム関連企業やベンチャー企業は、コミュニケーションの活性化に積極的で、あるゲーム開発会社は、社員食堂をいろいろなゾーンに分けて、座り方を選択できるようにしています。ファミリーレストランのテーブルのようなタイプや、周囲が覆われてミーティングができるタイプもあります。

別のIT企業では、長時間座って仕事をするエンジニア自身にイスを自由に選ばせています。そうすることで、それぞれが快適な仕事をしやすい環境にしています。会社からすれば、プログラマーやクリエイターたちが楽しく仕事ができれば、楽しいアプリケーションやゲームが生まれ、売り上げにもつながるという考えがあるのだと思います。
社内のコミュニケーションを活性化するには、社員がワクワク楽しく働けるような何かを提示する必要があり、そこを創造するのが戦略総務の役割と言えます。

業務効率化とコミュニケーション促進の双方に生きるIT活用

社内コミュニケーションの活性化に取り組みたいが、総務・人事部門には人手不足で時間も足りない。ITの活用はこうした状況を打開すること、さらには社内の活性化を促進することにも有効だと考えます。前者では、ITの導入によって従来型の業務を効率化し、生まれた時間で新たな課題に取り組んだり、付加価値ある仕事に時間を費やすことができます。
後者の考え方は、ITをコミュニケーションツールの1つとして情報の共有化や共同利用を促進するのです。メールやイントラネット、ソーシャルメディアを使ってもいいですし、ナレッジマネジメントの仕組みを構築し、個人の知識や情報を組織全体で共有するのもいいでしょう。総務・人事部門が率先して、人と人のコミュニケーションが活性化する仕組みづくりを行うのです。

社会的に見ても、IT活用は業務効率化や発展性に欠かすことのできない流れです。スマートフォンやタブレット端末など、個人のITに対するリテラシーはますます高まり、先進のデバイスを社内に導入する動きも活発化しています。当然、ITの活用には運用ルールの策定も必要となるでしょう。
適切なIT製品やサービスの選定にあたっては、まず、自社の状況や課題をはっきりさせることが重要です。経費削減効果だけを見て導入してしまうと、現場の人たちが利用してくれないおそれもあります。経費削減にとどまらず、業務や組織に付加価値をもたらす手段としてITを活用しましょう。コミュニケーションを活性化させたり、イノベーションが起きるような環境づくりに活用したり、人と人の接点が生まれるオフィスにするといった考え方で、ITの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

先にコト、モノは後。失敗しないIT導入

私のもとに、新しいIT製品やサービスを導入しても現場の人が使ってくれない、どうしたら周知徹底できるかといった相談が寄せられることもあります。ある会社では、イントラネットで管理部門系のポータルサイトを作成したけれど活用されていない。そこで社内で座談会を開いてみると、ヘビーユーザーと言われる人たちですら知らない機能があった。はじめから実装されているものなのに伝わっていませんでした。

IT製品・サービスの導入において注意すべき点が3つあります。1つは、IT化することが先行して、目的やねらいが後にならないようにすること。モノとコトがあったとすると、コト(課題)を解決するために結果としてモノ(製品)が必要となります。ですから製品を選択する前段階で、現場の仕事の仕方をしっかりヒアリングすることが最も重要です。製品の新規導入やリプレースが現場の業務プロセスの中でマッチするのかどうかを検討します。
次に、管理部門でプロトタイプをつくってみる。私は鮮魚販売の企業で総務課長を務め、年末になると販売応援のため、店頭に出ていました。店頭では店長から、まず試食で販売する商品を食べてみてくれと言われました。食べてみると本当においしいから自信を持ってお客さまにおすすめできる。ストーリーで語れるというか売り方がうまくなるんですね。同じようにどの程度の導入効果が見込めるのか、自分たちの部門で検証すれば、自信を持って他部門にもおすすめできるでしょう。最後に、ベンダーの営業・SEを活用するということ。彼らはITのプロです。もっと活用して、任せてみるといいと思います。自社の課題を提示し、商材はある意味どれでもいいというスタンスで、解決策を提案してもらうのです。

リスク・マネジメントの手法の一段階に「課題管理」というのがあります。これは自社にどういう影響を与えるのかわからないけれども、ウォッチしておく情報をピックアップする手法です。現状はどのようなIT製品がリリースされ、今後どうなるか。課題管理というフェーズで随時情報を収集しておくのです。私は総務を務めていた時に来社する営業担当者を捕まえては、貴社のすべての製品・サービスを私に教えてほしいと伝えていました。いつ何時その情報を使うかは分からなくても、自分の引き出しを増やそうと情報を求めました。そうすることで頼りになるベンダーかどうか見極められるし、ネットワークを広げておけば、困った時に助けてくれます。

コミュニーションの活性化をトータルにサポートしたい

先ほど社内コミュニケーションを活性化する方法として、「オフィス」と「イベント」の2つの場をつくる話をしましたが、もう1つコミュニケーションを促進する方法に社内報があります。たとえばWeb社内報の利用が広がっていますが、PULL型メディアなのでどうしても見に行かなくなってしまいます。そこでデジタルサイネージとWeb社内報を組み合わせ、コンテンツをダイジェストで見せ、興味を喚起してWeb社内報に誘導するという方法です。また、これは情報を提供することで、話題が生まれ、会話のきっかけづくりにもなります。コミュニケーションそのものは、Face to Faceに勝るものはありません。ITは、そのきっかけをつくるベースとして活用するのです。

私はコミュニケーションをトータルに考え、いろいろな仕組みで実現することが大切だと思っています。そこで注目しているのは、これまでにお話しした「オフィス」「イベント」「社内報」の3つを連動させ、社内コミュニケーションを活性化することです。例えば、まず社内報などのコミュニケーションメディアにより、会話のきっかけとなるような情報や社員同士がお互いを知るきっかけを提供する。そして、オフィスレイアウトの工夫や、社内イベントの開催により、交流の場を用意し、Face to Faceでのコミュニケーションにつなげていくという方法です。現在はこうした連動をいかに効果的に実現できるか、日々研究を進めています。
今後、縦割り組織を壊すような組織改革をしたり、人の働き方を変革するような施策を実行するためには、総務・人事部門の役割は非常に大きなものとなります。私は、これまでの経験を生かし、そうした人たちの力になれるよう、ITの活用も含め、幅広い側面からサポートしていきたいと思っています。

PROFILE

月刊総務 編集長

豊田 健一 氏

早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長を経験後、ウィズワークス株式会社入社。現在、日本で唯一の総務向け専門誌『月刊総務』編集長、ナナ総合コミュニケーション研究所主任研究員。総務経験、社内報の企画編集の実績を生かした総務と社内コミュニケーションのコンサルテーションや講演など多方面で活躍。

「月刊総務オンライン」 http://www.g-soumu.com/index.php

 

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