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株式会社 日立システムズ

なんとなく<strong class='TextUX'>UX</strong>は重要と思い始めている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする連載

vol.05 UX発想:ユニーク体験を具現化するUIデザイン

さてさて、この連載も第5回。「家計簿アプリ開発」を題材に解説してきたUX設計の流れは、前回の「体験コンセプトから体験の具体フローへ」を受け、今回は「インターフェースデザイン」に話を進めます。ついにこの企画も、デザイン領域の話にたどり着こうとしています。

ユーザー価値に根ざした体験のキモを定義したら、次は実際のフローへそれを具現化する仕事が待っています。 ⼤事なのは、⽣み出したコンセプトのユニークネスをデザインフェーズでも⼤切にすること。意味のユニークネスを感覚のユニークネスに昇華させること。既存事例にとらわれることなくオリジナルな体験をめざすこと。福⽥はこのフェーズで、デザイナーに仕事を渡す前に、UI/UXラフとも呼べるシミュレーション・ラフを形にするようにしています。コンセプトを無視して表現に⾛ってはいけない、コンセプトに縛られて表現が抑えられてもいけない。その良きバランスを提⽰するためのたたき台です。

UI/UXシミュレーション・ラフは、軸となる体験の流れを、画⾯ベースで視覚化してみるものです。デザイン は、デザインエレメントを無作為に並べる⾏為ではなく、体験コンセプトが明⽰する⽅向性にあわせ、ひとつひとつの情報エレメントに重要度のプライオリティをつけ、意味と意図をもった構成を定義していく⾏為です。この家計簿アプリにおける⽇付け情報の意味と重要性。⽀出⾦額情報の意味と重要性。毎⽇の⽀出項⽬の意味と重要性。節約成果の意味と重要性。成果の⽬的設定の意味と重要性。節約成果に対して提供される商品やサービスオファーの意味と重要性。どれをとっても重要な要素ですが、それを全部画⾯に平等に⼊れていくことは意味がありませんし、意志のないサービスになるだけです。

そこで鍵となるのが体験コンセプトです。コンセプトの提⽰する新たな視点や意味が、エレメントの重要度やバランスを決め、ユニークな「顔=デザイン」をつくっていくことになるのです。

今回の家計簿アプリの体験コンセプトは「昨⽇まで家計簿アプリ体験は家計簿⼊⼒や分析で勝負してたけど、わたしたちの家計簿アプリ体験は『家計簿をつけた後が楽しい』になる」。

そして体験のキモは以下の3点。

  • 家計簿をつける⾏為そのものよりも、つけた後の体験がキモになる。
  • 成果としての節約がどう視覚化され、それがどう続けるモーチベーションにつながるのかが重要になる。
  • 続ければ続けるほど⽬標に近づいていく、あるいは、希望が膨らんでいく。

というような期待の成⻑、ときめきの連続体験はポイントになる。

それをもとに作ってみたのが左のシミュレーション・ラフです。節約テーマは、海外留学。家計簿をつける⾏為よりも、⾦がセーブされていく喜びを重視するので、⽀出⾦額ではなく節約成果が主役になっています。⽀出ではなく節約⽬標の達成が主要指標なので、その成果の達成度は⽉ベースでも週ベースでも確認できるようになっています。その⾦額推移がモチベーションを⾼め、時には叱咤激励する役割を果たします。節約成果が上がり始めると画⾯に現れ始める企業やサービスからのスペシャルオファー情報は、節約成果の喜びをさらに加速するものになるので、きちんとエリアを確保するだけでなく、しだいにそのゾーンが⼤きくなっていくことを想定した設計をしていきます。

この1~5は、ダウンロードした直後のトップ画⾯から、家計簿つけ始めて数ヵ月後、約1年後、数年後を想定して、インターフェース構造変化をシミュレーションしています。節約成果が⼤きくなり⽬標額に近づくにつれて、留学商品のスペシャルオファーがどんどん⾯積を広げる。そうしたわかりやすい変化の演出がユーザーのワクワクや達成感を⼤きくする、という考え⽅です。

UI/UXのシミュレーション・ラフがデザイナーに渡されると、デザイナーはその意図を読み取りつつ、そのデザイナーならではの表現へと進化させていきます。「概念」を「感覚」に変換する天才、それがデザイナーです。UI/UXシミュレーション・ラフの意図をしっかりくみ取りながらラフとは違った解釈で着地させる。それが⾯⽩いのです。それがすごいのです。

こうして、ユニークな体験コンセプトは、ユニークな体験フローに⾄り、ユニークなUI/UXシミュレーション・ラフにつながり、ユニークなインターフェースデザインに着地してくのです。

日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。