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株式会社 日立システムズ

なんとなく<strong class='TextUX'>UX</strong>は重要と思い始めている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする連載

vol.04 UX発想:体験コンセプトから体験の具体フローへ

「昨日まで家計簿アプリ体験はXXだったけど、わたしたちの家計簿アプリ体験はYYになる」
前回は体験コンセプトを明確にすることの重要性について書きました。第4回の今回は、UX体験コンセプトの開発〜体験企画〜体験フローの設計〜機能への落とし込みの流れについて説明したいと思います。

イメージ:既存の一般的なる家計簿アプリの体験フロー

既存の一般的なる家計簿アプリの体験フローを書いてみると、自分たちはどこで勝負できるのかがわかりやすくなります。買い方の新しさで勝負する?家計簿入力の新しさで勝負する?分析フィードのあり方で勝負する?もちろん、そのどれでもなく、新たなポイントを考えることも可能です。

イメージ:既存の一般的なる家計簿アプリの体験フロー:分析フィードの後に「投資/購入」

たとえば、上記の図のように、分析フィードの後に「投資/購入」という新たな体験を考えてみましょう。 「昨日まで家計簿アプリ体験は家計簿入力や分析で勝負してたけど、わたしたちの家計簿アプリ体験は『家計簿をつけた後が楽しい』になる」というわけです。

そもそも家計簿アプリは、家計簿をつけることが楽しいわけではありません。家計簿をつけたその先に、明るい未来があることに意味がある。今をコントロールして未来のための金をつくることに意味があるのです。ならば、新たな体験価値提供の切り口として「ポスト家計簿入力」を考えてみよう、という作戦です。

たとえば、節約目標金額が貯まっていくと、その金額にあわせて商品情報のオファーがいろいろやってくるというモデルはどうでしょう。留学を目標に家計簿をつける人には留学準備のための会話教室の格安オファーがやってきたり、資格取得を目標に家計簿をつける人には資格取得のための専門学校から格安オファーがやってきたり。節約に成功すればするほど、ユーザーにはリッチなオファーがやってくるのです。夢が実現に近づけば近づくほど、そのワクワクが大きくなる体験設計にしていくのです。

そう考えていくと、その家計簿アプリの体験のキモは、既存のものと大きく変わってきます。

  • 家計簿をつける行為そのものよりも、つけた後の体験がキモになる。
  • 成果としての節約が、どう視覚化されて、それがどう続けるモーチベーションにつながるのかは重要になる。
  • 続ければ続けるほど目標に近づいていく、あるいは、希望が膨らんでいく。というような期待の成長、ときめきの連続体験はポイントになる。

体験のキモから、機能概要を書いてみましょう。

  • このアプリは、日々の支出項目を入力し家計簿をつけていくアプリである。
  • 入力の簡易化はこのアプリにとっても重要となるので、すでに市場で実装されているレシートからスマホ簡単入力する仕組みは導入していく。
  • 節約してやりたきことを実現することに意味があるので、家計簿的ルールはできる限りシンプルに。
    光熱費とか食費とか雑費とか家計簿的な支出項目は無視して、頻度高く買い物にいく場所ごとに支出管理する仕組みに。
  • 「毎晩、買い物して帰ってくる近所のコンビニAでの買い物は、無駄な支出が多いので、日々600円以内に収まるように努力しましょう」というように、買い物拠点ごとに支出アドバイス。
  • 節約目標設定を重視し、そのゴール達成のためにはこまめにアドバイスする。
  • 留学、勉強など、節約の目標となるテーマは、複数ある中から選択する。
  • 少しずつ節約金額が貯まっていくと、その額にあわせて、提携企業からの特別購入オファーが届き始める。
  • さらにそれが進んでいくと、購入オファーはレコメンドがどんどん増えていく。
  • 目標に近づけば近づくほど、ワクワクな情報が分厚く届く家計簿アプリ。

ここまでできてきたら、開発する機能の定義もスムーズにできていきます。

元となるユニークな体験コンセプトがしっかりとできていれば、具体的な体験の企画は自然と生まれ、ユニークな体験フローに着地し、機能定義へとストンと流れていくのです。軸さえあれば、流れはできる。そこがポイントなのです。

次回は、インターフェースデザイン開発のステップに話をすすめていきましょう。

日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。