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株式会社日立システムズ

最終回 渋沢栄一流「論語経営」十の掟 総集編

2016年9月16日掲載

アツクラ「渋谷さんに渋沢栄一についてお伝えしてきましたが、我々コンサルタントにも、実は渋沢栄一のような元祖があるのです。石田梅岩を知っていますか?」

渋谷「名前だけは聞いたことがありますが、どんな人かまでは、詳しく知りません」

アツクラ「そうでしょう。今の日本では、ほとんど忘れ去られた存在といえるかもしれません。しかし、パナソニック創業者の松下幸之助さんやKDDI創業者の稲盛和夫さん、古くは近江商人など、歴代の偉大な経営者たちが、石田梅岩の教えを学んでいるのです。石田梅岩の教えは、ごくごくかいつまんでいえば、論語の教えを商人用にカスタマイズしたものといえます。江戸時代は幕府によって、朱子学が国学とされていた時代です。すべての教えが、論語に基づいていたといっても過言ではありません。実際、石田梅岩の主著「都鄙問答」や「倹約斉家論」が論語の引用か
ら始まっていることからも、よくわかります」

渋谷「しかし今では、石田梅岩も論語も学ぶ人が非常に少なくなっているんでしょうね」

アツクラ「残念なことです。今読んでも、石田梅岩も論語も得ることが非常に多い書物といえます。なぜなら、物事の本質は、何百年何千年経っても変わらないからです。梅岩がいっている倹約とは、ただ衣服などの物質のことをいっているのではありません。人間の心を大切にすることをいっているのです。天下国家を治めることの元は、一人ひとりの人間が心を正しく持つことに始まります。そのためには格物致知が原点だと説いています。格物致知とは、その字のごとく、物事と格闘することによって、本当の英知にいたるという意味です。この言葉は、儒教の経書である四書五経の1つ、『大学』から出たものです。儒教の教えの基本を紹介しますね」

アツクラコウイチの渋沢栄一流「論語経営」第九の掟

「孔子先生がおっしゃいました。
両親の年齢は、必ず覚えておかないといけない。
一つは長生きを喜び、もう一つは老い先を気遣うのだ」

論語の言葉

里仁第四_21(金谷治訳注 、岩波文庫「論語」より)
「子の曰わく、父母の年は知らざるべからず。
一は則ち以て喜び、一は則ち以て懼(おそ)れる」

渋沢栄一の論語解説(渋沢栄一の著書「論語講義」より一部抜粋)
父母を大切にすることは、典型的な儒教の教えです。人の子として生まれたからには、父母の年齢を心に記憶しておかねばなりません。一つは長命を喜び、一つは老衰して、長く親孝行ができないことを恐れるためにです。両親を大切にすることは、自分を大切にすることで、すべての人間関係の基本になります。社員が両親を大切にすれば、その会社の社風は大いに改善するでしょう。

アツクラコウイチの渋沢栄一流「論語経営」第十の掟

「孔子先生がおっしゃいました。
学んではおりに触れて復習する。
なんと喜ばしいことだろう。
同じ道を志す友人が、
遠くから訪ねてきてくれる。
いかにも楽しいことだ。
世間の人が認めてくれなくても、
気にかけない。
こういう人を、君子(リーダー)というのだ」

論語の言葉

学而第一_01(金谷治訳注 、岩波文庫「論語」より)
「子の曰わく、
学びて時にこれを習う、亦た説ばしからずや。
朋あり、遠方より来たる、亦た楽しからずや。
人知らずして恨みず、亦た君子ならずや」

渋沢栄一の論語解説(渋沢栄一の著書「論語講義」より一部抜粋)
この章は三つの節に分かれていて、渋沢曰く、処世上もっとも大切な教訓です。ゆえに論語の最初に来ているといいます。渋沢は実際、この教訓を心に刻んで生きてきたといいます。孔子の教えは、2400年以上前の話で、今日では、役に立たないと思っている人が多いですが、大きな間違いです。老荘の思想などは確かに面白いのですが、実際に実行に移すとたちまち行き詰まるでしょう。しかし、孔子の教えは今日実行しても、全く差し支えのないほど模範的なものだといいます。知行合一とは、知識と行動が一緒になることで、これこそ君子(リーダー)の行うべきことで、孔子と渋沢栄一が常に実戦したことでもあります。特に今日の実業界の人は、論語の教えをそのまま行ったのでは金儲けはできないと思っている人が多いように思います。しかし、道徳を元にして経営を行えば、あえて無理な争いをしなくても、利は自ずから懐に入って来るものです。これを80年実践して来たのが渋沢栄一なのです。

※石田梅岩
江戸時代中期の京都の商人出身で、商人のあり方や商人道徳を教えました。
石田梅岩の教えは、石門心学と呼ばれ、商人たちに大きな影響を与えました。

※朱子学
14世紀の南宋の儒学者朱熹(しゅき)による孔子、孟子の解釈で、哲学的に論理づけた思想体系。朱子学は主従関係を主として、秩序を重んじました。

アツクラ「今までで、気になった教えはありますか?」

渋谷「第二の掟が気に入りました」

アツクラ「『よい行いをしていれば、必ずよき理解者があらわれる』という内容ですね」

渋谷「はい、人間性があれば、どんな境遇に陥っても必ず支援してくれる人が現れるという言葉に、本当に励まされました。我々起業家は、人様から見れば、若くして大金を稼ぎ、いい家に住み、いい車に乗り、うらやましいと思われがちです。しかし、やってみればわかりますが、社長ほど大変な仕事はありません。当たり前ですが、最後はすべての責任を負わなければなりませんから。アツクラ先生もおわかりのように、経営は甘いものではありません。特にいつどうなるかわからないのが、我々ベンチャー企業の社長なのです」

アツクラ「おっしゃることは、よくわかります。京セラの創業者である稲盛和夫さんは、27歳で会社を設立したものの、赤の他人である社員の生活の面倒までみる社長という仕事に、最初は大変戸惑教えに従ってことを基盤として、経営理念である『全従業員の物心両面の幸福』を掲げ、チーム性マネジメント手法であるアメーバ経営を活用して、組織を活性化して、大きな成果を出していきました。稲盛さんは日本を代表する経営者ですが、やはり心に重きを置いています」

※稲盛和夫
1932年鹿児島生まれ。京セラ、第二電電(現KDDI)の創業者。若手経営者を支援する盛和塾やチーム性マネジメント手法であるアメーバ経営などで知られています。著書多数。

アツクラ「「経営に役立つ十の論語の言葉」をご紹介しました。「論語」には、長く発展を続ける企業、そしてコーポレートガバナンスの本質が書かれています。500社以上の企業を創った渋沢栄一が経営の教えとした「論語」を、ご自身の経営にも役立ててください」

アツクラコウイチの渋沢栄一流論語経営十の掟

第一の掟
「企業人たるもの、常に利益を基準にするのではなく、
常に人として正しいかどうかを基準にしなければならない」

第二の掟
「孔子先生がおっしゃいました。
よい行いをしていれば、
孤立することはけして無い。
必ずよき理解者があらわれるものだ」

第三の掟
「私(孔子)は十五歳の時、学問を志した。
三十歳の時、独立した立場を持てるようになった。
四十歳て?、あれこれ迷わなくなった。
五十歳て?ようやく天命を知るに至った。
六十歳になって、人の話を素直にきけるようになった。
七十歳なると、心の思うままにふるまっても、
道義から外れることか?無くなった」

第四の掟
「孔子先生か?おっしゃいました。天命(使命)を知らなけれは?、君子(リー タ?ー)たることはて?きない。礼(礼儀)を知らなけれは?、人の上に立つこと はて?きない。言葉を知らなけれは?、人を知ることはて?きない」

第五の掟
「孔子先生がおっしゃいました。君子(リーダー)は、(情熱や気力が充実しているので)器(一芸一能の人)の中におさまることはできない」

第六の掟
「孔子先生がおっしゃいました。君子(リーダー)は言葉は重くして、行動をすみやかにしようと欲するものだ」

第七の掟
「孔子先生がおっしゃいました。
知識を学んでも、自分の頭で考えないなら、何も見えてはこない。
逆に自分勝手に考えるだけで、知識を
学ぶことをしなければ、独断に陥って危険である」

第八の掟
「先生がおっしゃいました。過ちを犯してしかも改めない。これを(本当の)過ちというのだ」

第九の掟
「孔子先生がおっしゃいました。
両親の年齢は、必ず覚えておかないといけない。
一つは長生きを喜び、もう一つは老い先を気遣うのだ」

第十の掟
「孔子先生がおっしゃいました。
学んではおりに触れて復習する。
なんと喜ばしいことだろう。
同じ道を志す友人が、
遠くから訪ねてきてくれる。
いかにも楽しいことだ。
世間の人が認めてくれなくても、
気にかけない。
こういう人を、君子(リーダー)というのだ」

  • * この物語は、筆者の見解をもとに構成されています。
    日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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