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株式会社日立システムズ

第4回 「君子(リーダー)は器(うつわ)ならず」

2016年8月17日掲載

渋谷「夢を語ることも大切だと思いますが、論語で実用的なことは学べるのでしょうか?」

アツクラ「結論から言えば、論語から実用的なことを学ぶことはできません。なぜなら論語は、君子(リーダー)を育てる学問だからです。どんな事業でも、もっとも大切なことは、創業者の想いとそれを形にした理念なのです。実用的なテクニックは、意外と簡単に学べます。また、代わりにやってもらうこともできます。しかし、理念は自分で作らなければなりません。会社は社長の器以上にはなりませんし、社長以上の器の人材が来ることはありません。来てもすぐにやめてしまうからです」

アツクラコウイチの渋沢栄一流「論語経営」第五の掟

「孔子先生がおっしゃいました。君子(リーダー)は、(情熱や気力が充実しているので)器(一芸一能の人)の中におさまることはできない」

論語の言葉

(金谷治訳注 、岩波文庫「論語」より)
為政第二_12
「子の曰わく、 君子は器ならず」

渋沢栄一の論語解説(渋沢栄一の著書「論語講義」より一部抜粋)
この「子の曰わく、 君子は器ならず」の講義部分は、渋沢の「論語講義」中でももっともよく知られています。またもっともよく引用される箇所でもあります。なぜなら、明治三傑といわれた、大久保利通、西郷隆盛、木戸孝允に実際に会ったことのある渋沢が、歴史的な3人をそれぞれ個別に批評しているからです。
渋沢栄一は、器を一芸一能の人と言っています。箸は箸、筆は筆の使い方があります。しかし、君子(リーダー)は、奥底がしれないほど大きく深いので、器(一芸一能の人)になりえないといいます。
渋沢は、大久保利通が苦手だったといいます。なぜなら、全く底のしれない人で、きみが悪かったというのです。そして、器ならずとはまさに大久保のことをいうと断言しています。大久保利通の盟友、西郷隆盛は、同じく器ならずであったが、違いがあって、一言で言うと、大変親切で同情心の深い人だったといいます。木戸孝允は他の二人とは違って、文学に造詣が深く、考え方が大変組織的だったと語っています。そしてやはり、器ならずの人だったといいます。勝海舟は、すごい人ではあったが、どちらかというと器に近い人だったといいます。そして、いつの時代でも器ならずの人は必ず存在するといいます。

渋谷「勝海舟が、器(一芸一能の人)だったというのは意外ですね」

アツクラ「あくまでも渋沢栄一の私見ですが、実務能力が高い人だったのではないでしょうか。また倒幕側ではなく、将軍を守る幕府側の人間だったことも、器に近くなった理由だと思います。君子とはリーダーのことで、経営者に置き換えられますから、経営者は“器ならず”になる必要があります。要するに会社の未来は、社長の器になりえないほどの器の深さ、大きさにかかっています」

渋谷「どうしたら、“器ならず”になれるでしょうか?」

アツクラ「自分を鍛えるしかないですね。いわゆる修身です。論語は、君子、すなわちリーダーになるための教えですから、器を大きくする方法がたくさん出てきます。論語は経営者に必要な器を身に付けるための教科書と言っても過言ではないでしょう。器を大きくする論語の教えをいくつか紹介しましょう」

アツクラコウイチの渋沢栄一流「論語経営」第六の掟

「孔子先生がおっしゃいました。君子(リーダー)は、言葉は重くし行動をすみやかにしようと欲するものだ」

論語の言葉

里仁第四_24
「子の曰わく、君子は言に訥にして、行に敏ならんと欲す」

渋沢栄一の論語解説(渋沢栄一の著書「論語講義」より一部抜粋)
「言うは易く行うは難し」の言葉通り、行うことは言うことよりも数段難しいことです。だからこそ、君子(リーダー)は、言いすぎて行いの及ばないことを恥とすべきです。口で言うよりまず行動することが大切だと渋沢は強調します。実際渋沢栄一は、若い頃は、尊王攘夷運動に身を投じ、後に、最後の将軍、徳川慶喜に仕え、明治維新後は、大蔵省の官僚になり、その後、事業家として大成しました。常に誰よりも行動する人でした。孔子先生の弟子を自認するものは、ホラをふいてはならないともいっています。実際の不言実行家として、西郷隆盛や山県有朋を挙げています。ちなみに、山県有朋の有朋は、論語の言葉から取っています。

アツクラコウイチの渋沢栄一流「論語経営」第七の掟

「孔子先生がおっしゃいました。
知識を学んでも、自分の頭で考えないなら、何も見えてはこない。
逆に自分勝手に考えるだけで、知識を
学ぶことをしなければ、独断に陥って危険である」

論語の言葉

(金谷治訳注 、岩波文庫「論語」より)
為政第二_15
「子の曰わく、学んで思わざれば則(すなわ)ち罔(くら)し
思うて学ばざれば則ち殆(あやう)し」

渋沢栄一の論語解説(渋沢栄一の著書「論語講義」より一部抜粋)
学校で先生から教わるだけまたは、本を読むだけで、考えることをしなければ、「論語読みの論語知らず」になり、応用が利かなくなり、世の中では役に立たないといいます。また逆に自分一人で考えるだけで、書物や先生から学ぶことなければ、間違ったことを正しいことと勘違いすることがあり危険だといいます。
実際渋沢は、幼少より論語を学び、実業の道に入った後は、論語の教えに沿った経営をすることを誓い、論語を再び学び始めます。独学するだけではなく、忙しい中、大学の講義も聞きに行きました。また晩年は幼少の子どもたちのために、先生を呼んで論語の勉強会を開催し、自分も一緒に勉強しました。まさに学ぶと思うを高いレベルで維持し続けたのが、渋沢自身でした。

アツクラコウイチの渋沢栄一流「論語経営」第八の掟

「孔子先生がおっしゃいました。過ちを犯してしかも改めない。これを(本当の)過ちというのだ」

論語の言葉

(金谷治訳注 、岩波文庫「論語」より)
論語衛霊公第十五_30
「子の曰わく、過(あやま)ちて改めざる、是れを過ちと謂う」

渋沢栄一の論語解説(渋沢栄一の著書「論語講義」より一部抜粋)
若い人たちが深く心がけるべきことは、間違ったらすぐに間違いを認めて、行いを改めることです。これができる人にとっては、間違いはもはや間違いではありません。なぜなら、その人は間違ったことによって、人間として、進歩しているからです。
  • * この物語は、筆者の見解をもとに構成されています。
    日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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