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株式会社日立システムズ

第2回「コーポレートガバナンスをご存知ですか?」

2016年5月23日掲載

アツクラ「渋谷さん、コーポレートガバナンスをご存知ですか?」

渋谷「もちろん名前は聞いたことがありますが、詳しくは分かりません…」

アツクラ「無理もありません。中小企業の経営者で詳しく知っている人はまれです。しかし、大企業は別です。大企業の役員以上の人で、コーポレートガバナンスを知らない人はいません。なぜなら、上場企業は『コーポレートガバナンスコード』という法規が適応されるため、他人事ではないのです。『コーポレートガバナンスコード』は2015年の6月にスタートしました。第2次安倍内閣におけるアベノミクス『3本の矢』の最後の1つでもあります」

渋谷「そもそもなぜ、コーポレートガバナンスが必要なのでしょうか?」

アツクラ「『コーポレートガバナンスコード』の目的は、中長期にわたり企業の収益力を高め、企業価値を向上させるためです。その背景には、2000年以降の日本企業における収益力の低下があります。しかし最大の理由は、グローバル化によって日本の企業にも経営の透明性と国際的なルールが求められるようになったためです」

渋谷「外圧が関係しているわけですね。実は、私は子どもの頃から本が好きで、高校生までは将来作家になることを志望していたんです。特に夏目漱石が好きでよく読んでいましたが、夏目漱石が講演を元にした『現代日本の開化』の中で『西洋の開化(すなわち一般の開化)は内発的(自ら)であって、日本の現代(明治時代)の開化は外発的(無理矢理)である』と語っているとおりですね。“外圧”は国民作家夏目漱石の作品の主題であり、彼自身の人生のテーマでもありました。彼の予想はことごとく当たっていましたが、今もまったく変わっていないんですね」

アツクラ「漱石は小説『三四郎』の中で、登場人物に日本は滅びると言わせていて、実際、第二次世界大戦の敗北で、日本は一度本当に滅んだわけです」

渋谷「漱石は、『私は、日本の将来についてどうしても悲観的になるが、できるだけ神経衰弱にかからない程度に内発的にいくのがよかろう』と語っていますが、漱石自身が実際に神経衰弱になっています」

アツクラ「漱石は小説『それから』の中で、主人公の代助に『経済力も文化も貧弱な日本が西洋と対抗しようとしたために莫大な借金を抱え込み破綻を来した』『日本と西洋の関係が駄目だから自分は働かない』と言わせていますね。渋谷さんがおっしゃったように、日本と西洋の関係は、今もまったく変わっていません。それにしても、日本の経営者とこのような話ができて本当にうれしいです。欧米のエリートは必ず歴史、哲学、文学などの素養が求められます。会話の中に、歴史や文学の話や名言の引用などが普通に使われます。本来一流の経営者たるもの、一流の文化人であることが求められるのです」

渋谷「おっしゃるとおりだと思います。私は、大学はアメリカの東海岸で、ヨーロッパ出身の友達もいますので、よく分かります。話がそれてしまいましたが、外圧から始まったという『コーポレートガバナンス』とは、そもそもどんな意味なんでしょうか?」

アツクラ「『コーポレート』が企業の意味で、『ガバナンス』は統治、管理の意味です。一般に『企業統治』と訳されます。コーポレートガバナンスの定義自体は『企業をめぐる関係者が企業の舵取りをどうするか』を考えることです。この言葉はラテン語の『船の舵を取る』からきています」

渋谷「『コーポレートガバナンス』と似たような用語で、『コンプライアンス』がありますが、どう違うのでしょうか?」

アツクラ「『コーポレートガバナンス』とは、経営の健全性、透明性に対する企業内の自主規制であるのに対して、『コンプライアンス』は、法律や法令を順守することです」

渋谷「コンプライアンスは以前から重要視されていますが、なぜ法に触れる不祥事が後をたたないのでしょうか?」

アツクラ「2000年代に、アメリカや日本の大企業において粉飾決算があり、倒産に及ぶケースもありました。その後コーポレートガバナンスについて国内外で強く叫ばれるようになりましたが、現在も不祥事が後をたたない理由は、企業が場当たり的な対応のみに終始して根本的な問題解決を怠ったからではないでしょうか。コーポレートガバナンスの本質は、広義の不祥事防止のリスク管理です」

渋谷「コーポレートガバナンスの目的は収益力の改善ということでしたが、どのような関係があるのでしょうか?」

アツクラ「よく理解できないという方も多いのではないかと思います。収益力は『取締役会を含む経営陣の意思決定』が極めて大切な要素ですが、コーポレートガバナンス・コードも『取締役会の機能』が大変重要だとしています。つまり取締役会を多様性、独立性のある人間、および投資などの是非を判断が可能な人間で構成することが的確な経営判断をすることにつながり、収益力の改善をもたらす1つの条件だと考えているのです。これが、コーポレートガバナンスと収益力とが関連する理由です」

アツクラ「そもそも企業とは何のために存在するのか、さらに人は何のために生きるのかという哲学的かつ根本的な考え方に立ち返るべきなのです。それを学ふ?ために最適な書物か?『論語』て?す。私が一番好きな論語の言葉を紹介します。論語とは、簡単にいうと君子(リーダー)になるための教えです。この言葉こそ、君子(リーダー)の本質を表していると思います」

アツクラコウイチの渋沢栄一流「論語経営」第二の掟

「孔子先生がおっしゃいました。
よい行いをしていれば、孤立することはけして無い。必ずよき理解者があらわれるものだ」

論語の言葉

(金谷治訳注 、岩波文庫「論語」より)
里仁第四_25
「子の曰わく、徳は孤ならず、必ず隣あり」

渋沢栄一の論語解説(渋沢栄一の著書「論語講義」より一部抜粋)
人は本来、美徳を好む生き物です。ですので、身に徳のある人が孤立することはないのです。渋沢は、弘法大師、中江藤樹、二宮尊徳などの例を出して、徳のある人の元には、自然と人が集まってくるといいます。「桃李もの言わずとも自ずから道をなす」のとおりです。漫画の神様、手塚治虫を慕って、石ノ森章太郎、藤子不二雄、赤塚不二夫ら才能のある若者が、トキワ荘に集まったようにです。

※夏目漱石(なつめそうせき)
「吾輩は猫である」「坊っちゃん」「こゝろ」などで知られる日本の国民的小説家。また「現代日本の開化」など文明論に関する本も多い。

※主な参考文献
「コーポレートガバナンスの教科書」松田知恵子 日経BP社
「コーポレートガバナンスコード」堀江貞之 日経文庫
「想定外シナリオと危機管理」久保利 英明著 商事法務
「それでも企業不祥事が起こる理由」國廣正著 日本経済新聞社

クイズ

「社長 渋谷太陽と学ぶ雑談、朝礼で使える論語講座」

経営コンサルタント・アツクラから論語の勉強をしている渋谷が、論語を分かりやすく解説します。
みなさんも、渋谷と一緒に論語を学んでいきましょう。

第2回

論語の作者に関するクイズです。
渋谷「そもそも、論語の著者(論語を書いた人)は誰でしょうか?」

A.孔子自身

B.孔子の孫の子思

  • 答えはこちら
    • 渋谷「実は、ABどちらも正解であり、正解ではないんです。論語は、孔子の言葉を集めた名言集のようなものです。しかし、孔子は、自分で本を書きませんでした。実は、世界三大聖人といわれている、孔子、イエス・キリスト、ブッタと誰一人自分で本を書いていません。書いたのは、特定の人物ではなく、多くの弟子たちです。論語の場合は、孔子の死後300年ほどかけて、書物としてまとめられました。孔子の思想の直系のつながりは、孔子から一番弟子の顔回(がんかい)、顔回が早死にしたため孔子より46歳も若かったが、優秀だった曾子(そうし)、曾子から孔子の孫である子思(しし)、子思から孟子(もうし)へとつながります。孔子-顔回-曾子-子思-孟子の流れです。 顔回、曾子、子思、孟子は、四配として尊崇されています」
  • * この物語は、筆者の見解をもとに構成されています。
    日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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