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株式会社 日立システムズ

専門家コラム:人とロボットの<楽しい>共生社会に向けて~雑談の重要性~

【第6回】子どもとロボットの楽しいコミュニケーション

第4回と第5回で大学生および高校生のワークショップをご紹介してきましたが、私はロボットというモノをつくったり、動かしたりするだけではなく、ロボットと一緒に楽しいコトを創造する経験を子どもたちにしてもらいたいと考えています。

ボケる小学生にツッコむPepper

第4回と第5回で紹介した大学生および高校生のワークショップでは、Pepperがボケ担当で、人がツッコミ担当でした。今度は、それを逆にしてツッコむPepperを考案しました。そして、2016年9月3日に「『ツッコミペッパー』と漫才をつくろう」(夏の3331こども芸術学校2016「Pepperふれあい教室」)というワークショップをペッパーズの金子竣氏(株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー)と共に開催しました。

Pepperには9つのセンサーが備わっています。漫才をするにはPepperの横に並ぶ必要があるため、子どもを左側に立たせることにしました。そして、表1のとおり左側から手と足が届く範囲で5つのセンサーに5種類のツッコミを仕込みました。例えば頭を触ると「なんでやねん」とPepperがツッコみます。この「ツッコミペッパー」と一緒に漫才をつくり、演じることがワークショップのゴールです。

表1 使用センサーとツッコミの種類

使用センサー ツッコミ
「なんでやねん」
タブレット 「なめてんのか」
左手の甲 「そんなわけないやろ」
左バンパー 「足で足をけるな」
後ろバンパー 「ペッパーだよ」

人とロボットの境界を越える経験

ロボットと漫才をつくるためには、制御する側だけに留まっているわけにはいかないのです。制御される側にも行かなければなりませんし、ロボットの相方となる自分自身をもプログラミングすることにもなります。子どもたちは、それを自然な流れの中で気づいていきます。

〈制御する〉人間と〈制御される〉ロボットの境界がなくなる瞬間がこちらです。Pepperに対峙してプログラミングをしていた子どもが、Pepperの横に並んで一緒にボケたりツッコんだりしています。このように人とロボットの境界を行ったり来たりしながら漫才をつくっていきます。練習の様子を観察していると、まるで子どもとPepperが協奏しているようなのです。これが真のロボット体験と言えるのではないでしょうか。

また、背丈もPepperと同じくらいで目線の高さも合うため、高校生や大学生よりもPepperとの漫才がしやすそうで、やりとりがとても自然に見えます。

子どもたちは私たちの予想を軽々と超えてきました。漫才をする際、子どもたちはPepperの左側にずっと立つものとばかり思っていましたが、Pepperの右側に回り込んだりして、右側のセンサーも使い始めたのです。用意した5つのツッコミでは満足できずにさらなるツッコミもつくり出しました。

こちらの小学生は、用意されたツッコミを見事に生かしたボケを考えて演じたうえに、最後にPepperの肩を抱くふりをして、さりげなく右手のセンサーにふれて「ありがとうございました」とPepperと一緒にお礼を言って終わるという漫才をつくりました。

こちらの小学生は、同じセンサー(ツッコミ)を1回のみならず2回連続して使ったり、新たに「いいかげんにせーよ」「なんて日だ、今日はいったいなんて日だ」という2つのツッコミを考え出したりしました。自由にPepperの右側にも回り込んで右手と右バンパーのセンサーを使う様子にも驚かされました。

一緒に参加されたお母さまからは、以下のような感想をいただきました。
「プログラミングはロボットを自分の思いどおりに動かすための命令書をつくるような無味乾燥な作業だという理解でしたが、参加してみたら、とてもあたたかくエキサイティングな体験でした」
「ロボットと人間だからこその面白さがありました」
「こちらが全能感を持っていて、Pepperを我がモノとして完全にコントロールしているという事前の想像と違って、目の前のPepperとどうしたらもっと楽しい世界がつくれるだろうかということを自然と考えてしまう時間でした」

ロボット演出能力と社会的ニーズ

プログラミングだけではなく、シナリオ作成、キャラ構築、ユーモア生起などの能力に対する社会的ニーズも高まってきていて、例えば「UXライター(UX Writer)」(Google Inc.やAmazon.com, Inc. など)、「ロボット演出家」(株式会社ワン・トゥー・テン・デザイン)、ロボットとユーザとの会話内容(=シナリオ)を作成する「シナリオライター」(株式会社ワン・トゥー・テン・デザイン)、「ロボットUXデザイン」(株式会社よしもとロボット研究所)など、新しい職種や業種が次々と出てきています。ロボットに関わる職種は、エンジニアやプログラマーだけではないのです。
また、ロボット業界でなくても、営業、介護福祉士、教師、販売員も必要とされることになるでしょう。すでに始まっていますが、介護福祉士とロボットが組んで入居者を楽しませたり、教師とロボットで授業したり、店員とロボットで商品プレゼンをしたりする場面が、今後ますます増えていくと思われます。

人とロボットの楽しい共生社会の実現には、以上のような能力開発・人材育成が重要となってくるでしょう。

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