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株式会社 日立システムズ

専門家コラム:組織力が蘇る、LEGO® SERIOUS PLAY という手法 ~共感と共創の技術~

3.組織の目標達成のために、まず、言葉の定義を明確にしてみませんか?
“あなたの会社がめざす<グローバル人材>のイメージを具体化する!”

社会科学における組織(そしき、英: organization)とは、共通の目標を有し、目標達成のために協働を行う、何らかの手段で統制された複数の人々の行為やコミュニケーションによって構成されるシステムのことである。
(Wikipediaより引用)

しかし、企業という組織は、おのおのが異なる個性と異なる価値観のメンバーで構成されています。そこで、組織のリーダーは、そのようなメンバーを同じ目標に向かわせるという、難題に日々取り組んでいます。

私どものタスクの一つは、異なるメンバーの意識や価値観を同じ目標に向け、かつ、個々のメンバーがその目標を実現するための行動をコミットしてもらうという、組織の手助けをすることです。

タスクの手順は、単純に言うと、

  1. 組織のトップからスタッフまでという縦のライン、幅広い職域という横のラインから選択されたプログラム・メンバーを組成
  2. メンバーが、自由に、平等に、かつ“安全に”発言する環境を醸成
  3. プログラム・メンバーが、おのおの“目標”を創成
  4. 各人の“目標”を統合して、組織全体の新たな“目標”を創成、可視化
  5. 新たな“目標”を実現するために、各メンバーがおのおのの行動をコミット
  6. 各メンバーの行動を文書化
  7. 行動の検証修正というフォローアップ

というステップを踏みます。

LEGO® SERIOUS PLAY(以下、“LSP”)を活用したプログラムの特徴は、企業組織の中の異なる階層、年令、性別、職域(また、地域、国)を越えた、メンバーが参加できることにあります。そのため、プログラムの初めに、メンバーが、自由に、平等に、かつ、“安全に”発言できる環境を醸成するセッションを入れます。ここにレゴブロックという誰でも使える道具を活用する意義があります。
日本語の遊びという言葉には無秩序なニュアンスがありますが、「一定のルールに基づくPlayfulな活動」と言った方が良いかもしれません。一方、企業の主催者とも“安全”を担保することをあらかじめ約束してもらいます。つまり、メンバーの発言した内容が、後で、上司や同僚の叱責をかう、あるいは、人事考課につながることが無いようにするということです。

このプロセスの詳細は、後日のコラムに譲ることにして、今回は“異見をどのように統合して行くか”に焦点を当てます。

まず、企業の研修ではよく出てくる言葉、“リーダーシップ”を例に挙げてみましょう。

『リーダーシップ』

今、この言葉を聞いて、あなたはどのようなイメージを思い浮かべましたか?

次の写真を見る前に、お手元のメモ用紙に描いてみましょう。
例えば、“一人の人間が先頭に立って、後ろの部下に向かって激を送る”というような図柄でしょうか? 

私どものワークショップで、参加者が実際に作ったイメージには次のようなものがあります。

イメージ:ワークショップ

(A)は、大きな組織の後ろから押す姿。皆を叱咤激励、鼓舞する経営者の姿でしょうか。
(B)は、小さなボートから、離れた埠頭、あるいは、岩に飛び映る姿。危険を顧みず、新たな挑戦に臨む、開発や営業部門のリーダー、あるいは、ベンチャー企業の経営者の姿かもしれません。
(C)は、組織のほかのメンバーからは見えないところで支える姿。管理部門の長、あるいは、営業部隊の仕組み、インフラを創っている、システム部門の長の姿かもしれませんね。

つまり、同じ“リーダーシップ”という言葉を使っていても、個々のメンバーによって、抱くイメージ、働く位置や役割は異なるのです。企業という組織の目標を定める上で、キーになる言葉は、そのイメージを明確にし、メンバー全員が同じイメージを持っていないとなりません。

こうした異なるイメージを一つに統合するのに、通常は議論を重ね、個々人の異なる意見やアイデアの“共通”点を求めるというアプローチが採られます。しかし、この場合、狭いストライクゾーンに入るイメージを極めるために、多くの時間と手間が費やされるだけではなく、特定の誰か、その場の長や発言力の強いものの意見のみが採用されることが多々あります。となると、このプロセスに参加したメンバーの多くは、結局、ほかの誰かの主張を無理矢理飲み込まされることになり、議論の結果は、個々のメンバーの行動に結びつかなくなります。

私どものアプローチでは、個々人の意見、アイデアの核心を各自1点のみを出させ、その核心を“共有”する形で作品にして統合を図ります。そこで統合された作品から生まれるメッセージを、メンバーで対話しながら言語化してゆきます。まずは、4~6名のチーム単位で行い、次に、ほかのチームの統合作品と合わせて、グループの作品としてまとめて行くのです。

このようなプロセスで、“リーダーシップ”、“ビジョン”、“ミッション”などをチーム、グループ単位で統合して行きます。肝心なのは、おのおのの統合作品には、メンバーの核心が入っている点です。おのおののメンバーも自分の“核心”も入っている統合作品ではあれば、それは、誰かほかの人が創ったものではなく、自分も構成員の一人として、オーナーシップを持ち、その実現のために責任を持つことができるのです。

さて、筆者は4年前、2009年の秋、アルストム株式会社(大型ガスタービンなどの発電設備メーカー;前身は、スウェーデンの貿易商人、ガデリウス氏が100年以上前に創った輸入商社、現在は、フランスのグローバル企業、Alstomの日本支社)、当時の社長 下村芳弘氏の要請を受け、同社の目指す「全球系(グローバル化)とは何を意味するか?」というテーマで5時間のワークショップを行いました。ワークショップには、社長以下各部門の長をはじめ経営基幹職20名が参加されました。

写真:著書「会社の仲間に伝え続けた62ヶ月」、「思考ツールの教科書」

写真は、件の「会社の仲間に伝え続けた62ヶ月」(自費出版、2010年4月刊社内と取引先のみに配本、市販はされていません)と近著、「思考ツールの教科書」(東洋経済新報社、2011年10月刊)152−154頁にはLSPについても記述されています。なお、下村氏は、現在、私塾・弘下村塾(こうかそうんじゅく)の塾頭、株式会社KSJコーポレーション代表、経営コンサルタントとして活躍されています。

ワークショップの参加者からの言葉を、下村芳弘氏は、自費出版された:「会社の仲間に伝え続けた62ヶ月」の中で次のように言及されています。

  • 異文化、異なった価値観を積極的に吸収、理解し、逆に自らの価値観を発信

    することによって、新たな世界共通の価値観を作り上げること。
  • 「地球を守り、発展させる」ために、アルストムというネットワークを活用しながら、企業として持続可能な活動を追求していく。また、行動を自ら起こし、世界を巻き込んでいくこと。

  • 国に特化した文化などの違いを超えて、世界共通の問題を解決するための企業と個人の努力。

  • 現在の世界を取り巻く状況下で、Global Issueはlocalでは解決できない。

    これに取り組む能力を備えた企業になること。
  • 考え方、文化の違いを理解し、コミュニケーションがとれるネットワークの中にいることを自覚し、世界の中の人と対等に、堂々と仕事ができるようになること。

  • 広い視野、異文化の理解とこれを受け入れる寛容さをもつこと。日本の良さを世界に伝えるようになること。

  • 世界、人類が幸せであり続けるために、本業であるプラントビジネスを通じて、協調と友愛心をつくりあげること。

  • 異文化交流を図り、クロスコミュニケーションを通じて世界と価値観を共有し、世界に通じる人材となり、社会に貢献すること。

下村芳弘氏は、さらに、“全球系(グローバル)になるためには、どんな能力が必要か”ということを自ら勘案され、大きく3つのキーワードに集約されました。即ち、(1)「コミュニケーションと理解」(2)「違いを超越した価値観の創造と共有」(3)「社会、世界、人類への貢献」です。

(1)については、さらに、「言語力」、「思考力」、「情緒共有力」と細分化されています。特に言語力では、「英語は必須ですが、それ以前に日本語でしっかり自分の考えを伝えたり、相手の話を理解したりする力が問われる」と協調されています。

(2)については、「国際行動力」、「異文化対応力」、「相互依存関係認識力」を挙げておられます。相互依存関係認識力は興味深い点です。確かに、SNSの発達した世界では、国境を超えた分業、協業が当然になって来ました。 

(3)については、「独自の得意分野でのプロ力」と「社会に対する責任感」
特に、プロとして、相手を理解し、価値観を共有した上で、自らの得意分野で優れた社会的価値を創出する力と定義されています。社会に対する責任感は、今まさに問われる姿勢だと思います。

私どもも、こうした全球化能力の養成、グローバル人材の育成に貢献できるのではないかと自負しています。

例えば、普段、部外者との対話の少ない部門、製造や開発部門の方々のコミュニケーション力を養成するために独自のプログラムを開発しています。論理思考を講義やワークショップで学ぶ前に、ブロックを使って、他者の視点、顧客の視点などに気づいて貰うステップを踏み、さらに、他者や顧客の視点から自らの仕事が生む価値を問いかける仕掛けを入れて効果を挙げています。

また、顧客、パートナーから競合相手まで含めた、外部・内部の関係者との相互依存関係を可視化、例えば、ある事象が起きた場合、それぞれの関係者との絆の深さがどのように変わるか、採るべき行動の優先順位などもシミュレーションしながら判断する演習も行っています。

今回はこの辺で締めくくりましょう。

※LEGO, the LEGO logo, DUPLO, BIONICLE, MINDSTORMS, HEROICA and the Minifigure are trademarks and/or copyrights of the LEGO Group.

 

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